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コンビは仲良しでなければならないのか

芸人やアイドルは、コンビ、ユニット、グループ…と
複数人での活動が多いエンタメジャンルだが、
ちょくちょく「不仲」という誘い文句で、話題作りをされることがある。
というか「仲良し」に対しても、多少の疑問は常に抱えている。

私は、活動する上で、必ずしも仲が良い必要はないと思ってる。

仲の良さと仕事の生産性は、直接は結び付かない。
誰かと仕事するなかで、重要視されるのは、信頼関係。

他人を信頼するというのは、
相手の言動、パフォーマンスを認めて、期待し静観することであって、
一方的に「信じてるから」と言葉を掛けても成立しない。
それは単なるプレッシャー。

簡単に言えば
不仲でも仕事はできる。

結局は、その活動を仕事として捉えられているか否かだと思う。
いや、エンタメに従事している人たちに、その感覚はあまりないかもしれない。
だとしても、活動自体を「一人でもできる」と思っているうちは、
マジで何にもできない。
自分自身を過信していて、周りが見えていないことが明白。

たとえ「不仲」だとしても、
相方、メンバーがいてこその、コンビでありグループであること。
コンビ、グループでいるから、その活動ができていること。
そこから抜けたら、同じ活動はできない、あるいは非常に困難だということ。

そこに気づいていれば、仕事はできる。
「不仲」を理由に、感情のまま突発的に辞める選択肢は見えなくなるはず。
全く違う方向に行きたいのであれば、話は別。

そもそも「不仲」になるためには、
互いの嫌なところ、許せないところが発見される必要があるので、
相手のことを、ある程度知っていなければ起こりえない関係。

ということは、厚かれ薄かれ、いったんは信頼関係を築いていることになる。

相手のすべてを知る必要はなくて。
同じ活動をする上での、想いや未来を共有できるか否か。
私はそれが最低限だと思う。

メンバーがどこに住んでて、連絡先知ってて。
誰と友達で、どんな趣味があって、どんな癖があって。
そういうのは、聞き出さなくていいし。自然と知ることも多いし。

共有が必要だと感じる情報を、共有すれば良くて。
そうでなければ、前のめりに知る必要はない。

何が必要か、の話し合いが出来ていれば、きっと続いていける。
これが、それができたら苦労しない的な、都合のいい綺麗事だとしても。

なぜ、仲の良さと悪さが取り沙汰されるのか。
恐らくそこに、エンタメ性を感じてる奴がいる。

こういうのは、本物を見聞きしていない、
愛情を持たない外野が騒いでいることなのは、百も承知だが。
外野が騒ぐことで、世間のイメージは、それに引っ張られる。
いくらファンが声を上げようにも、世間のほとんどは耳を貸さない。

「仲が良い」ことで、好感度が上がる。
しかし「仲が悪い」ことで、好感度は下がるのだろうか。

下がるか。
下がるんだろうな。ほとんどの場合は。

最近は、好感度がエンタメの足枷に見えている。

仲の良し悪しで、パフォーマンスに影響が出るのであれば、
それは考えたほうがいい。

それこそ、今何が必要で、それを体現できるのかどうか。
怒り以外の感情を持って、言葉の意味を伝える方法はないか。
距離を置けば治まるものなのか。そうでないのか。

他人の口出しで変わる不仲なら、不仲と呼ぶにはぬるい。

イメージを気にして、人前で「仲良いふり」をするくらいなら、
開き直って武器にして、不仲でも仕事ができることを証明してほしい。

「仲良いふり」をするストレスより、
「不仲」という事実を撮られていたほうが、楽なんじゃないだろうか。
違うのかな。わからん。

仲が良いと悪いの間に
「仲良くはない」あるいは「仲悪くはない」が存在してる。
この2つは、同じ目線で会話ができる重要な関係性だ。

好き嫌いの範疇にない存在は、極めて対等だと思う。

対等でいられる、あるいは対等だと感じているというのは、
相手の存在を許容していて、自分の存在も許容されてるという相互で。
ただ、存在の許容は、すべてを許していることではなくて、
言動を精査して、是非を伝えることができる相手であって、
さまざまな感情の前に、理性がいる状態。
それは非常にフラットである。

相手への理解の積み重ねが、許容であり容認。
「認める」は「信頼する」に繋がるので、
このフラットな状態から築かれていくのは、信頼関係。

仲が良い悪いとするには、双方の仲がいったん深まり、友人関係になる必要があるが、
それ以前に友人関係になるには、信用できる相手か否かが、一つの基準だろう。

ということは、友人関係になるためには、先に信頼関係を築かないとならない。

非常に長くなったが、やっと思考が一回りした。

エンタメ活動が仕事である以上、相方、メンバーは、同僚である。
仕事を円滑に、且つ充実させるためには、信頼関係を築くのが先決。

仕事の付き合いを超えた信頼度は、いずれ友人関係に変化するが、
同僚であることと、友人であることを、同列にすると絶対に支障が出る。
それが「仲の良し悪し」として、第三者の目に触れる。

いくら私が思考を巡らせようとも。
すべては他人事であり、私自身が関与するものでは一切ない。

コンビだろうが、グループだろうが、
それはもうそちらの問題なので、仲が良かろうが悪かろうが、
消費者側の私からしたら、どちらでもいい。
そちらが目指しているエンタメで、感情を殴ってくれればいい。

「一生懸命やってるのに上手くいかない」と少しでも思うのであれば、
それはきっと、メンバー間にある溝や、ぎこちなさが、見る側に伝わっているから。
これは、マジです。

一回りしてからも長引いてしまったが、
『コンビは仲良しでなければならないのか』
の着地は
『仲は悪くないほうが仕事はしやすいだろう』です。

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