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PFASの規制について

PFAS(有機フッ素化合物)による環境汚染が話題になっている。聞き慣れない名称だったので、エビデンスを得たいと思って情報を探してみた。

国立医薬品食品衛生研究所からのレポートはこれ。
https://nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2020/foodinfo202024ca.pdf… 内閣府食品安全委員会からの情報(米国について)はこれ。
食品安全関係情報詳細 (fsc.go.jp) 
内閣府食品安全委員会からの情報(英国について)はこれ。https://fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu05930070535…
そして、産業界からの反応についてはこれ。https://cfcpj.jp/pdf/Lecture_materials_20220420.pdf…  
2020年代になってから、欧米でPFASに対する規制の動きが表面に出てきたらしい。

1980年代にはパーフロオロカーボンの一種が人工血液の材料として有望視されていたと聞いたことがあるし、スパコンのclay-2はフロリナートに漬けられていた。
それらは温室効果物質としての規制を受けたとは聞いていたけど、人体に対する影響はあまり無いものだと思っていた。
しばらく、関連の状況を注視したい。

PIFASの規制に関する情報のなかでおやと思ったのは、それが免疫力の低下を起こすとした論文が挙げられていること。
あり得ない話ではないと思うけど、どの程度の共通理解になっているんだろうか。

農薬に関する毒性評価でいうと、急性毒性から皮膚感作性、神経毒性、慢性毒性、発がん性、変異原性と数十(数百?)項目に及ぶ試験が実施され、曝露量との兼ね合いで使用場面の規制内容が決められるけど、その中に免疫に直接関係がある項目は見たことがない。検査動物の健康状態を観察するという程度?

制御された環境で飼養するのだから、病原体の感染等について評価するというわけにはいかないのかも。
免疫に関与する酵素の働き具合とかだったら測定できるかもしれないけど、毒性の評価試験でそれをやったという話は聞いたことがないな。

いずれ、毒性の評価に新しい大きな項目を追加するとなると、既存の化合物すべてについて評価をし直さなければならないから、現場は大混乱になる。
不可欠用途もあるから、今すぐ全てを同等に規制するというわけにはいかない。

PFASについても、不可欠な用途とそうではないものとを仕訳して、製造量を規制し、使用場面の濃度や使用総量を規制して、人や環境に対するリスク管理へと移行するというのが落としどころになるだろう。
本邦でも現にそのような方向に動きつつあるのかも。

規制が大好きな人たちは喜びそうな話ではある。
(2023.2.5)

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