Sink the Bismarck!

第二次大戦中にドイツ戦艦ビスマルクが出撃した際の海戦を扱った、1960年の20世紀フォックス映画「Sink the Bismarck!」。

大筋は事実をなぞっただけ,恋愛要素は陳腐,誤謬だらけの演出でダメダメだけど,英戦艦ヴァンガードを使って撮影された巨砲(15インチ砲)の発射シークェンス,砲塔の内部描写は正に圧巻だった。

実写にしろCGにしろ,本物の迫力には敵わないなあ,と思った画面だった。逆にいえば,それ以外の場面は目を背けたくなる出来なんだけど・・;;

この映画が封切られる1年前(1959年)に,ホーンブロワー・シリーズを書いたC・S・フォレスターの著書「The Last Nine Days of Bismarck」(未読)が出版されている。「Sink the Bismarck!」はこの映画化だということらしいが、撮影は発刊に先行して行われていたのでは。

実際に海戦の現場に居合わせたルードヴィック・ケネディ Ludovic Kennedy が書いた「PURSHIT/The Chase and Sinking of the Bismarck」は1974年発刊。これがビスマルク関係のドキュメンタリーとしては決定版でしょ。

ビスマルクの数少ない生存者のひとりであるミュレンハイム=レッヒベルグ Burkard Freiherr von Müllenheim-Rechberg が書いた回想録「Battleship Bismarck」は,初版が1980年。

こうしてみると,先の映画が製作されたのは,関連の情報がまだ十分に出揃ってなかった頃なんだろうなと思う。

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