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居ながらにして世界を歩く

小学生のとき、親に少年少女世界文学全集を買い与えられて(外に出さないため?)、貪るように呼んでいたが、その中には今でも印象に残っている挿絵がいくつもあった。

藍色の朝闇に沈む多島海。その遙か上空を飛翔する、金色の翼持つ女神アテーナー。

天地開闢の靄を背景に、天沼矛を水平に捧げ持つ伊邪那岐神と、傍らに控える桜色の頬の伊邪那美神。

アストラハン帽を被り、マスケット銃を肩に掛けて、威風堂々とウクライナの大地に立つ隊長ブーリバ。

歩行型の火星人乗機が近寄り、背後に熱線を浴びせる瞬間、絶望に目を大きく見開いた英国市民(小松崎茂氏画?;)。

いずれも当代一流の絵師に依頼した挿絵ではないかと思うけど、確かめようにも文学全集が私の手元からは全て喪われてしまっており、どうしようもない(確か小学館のもの)。(2022.3.11)

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