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花の影

遠くの水田で鳴く蛙の声が聞こえる初夏の夜。

書物の文字を追い疲れた眼をふと上げるとそこには、花瓶に挿された花が妖しく障子に写り込む。

非道の歴史を綴る書の記述に揺さぶられた心を写すかのように、微かに揺れている花の影。(2023.6.9)

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