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転生、転生、また転生〜続々〜

『●こっちへ…聞いてた?』
「ああ…管理者はいいのか?」
『ええ、無視でいいわ…初めから行くきないし…』
「そうなのか…」
『本当は奴等について行って、そのまま潰すのが簡単なんだけど…
さすがに●を連れては行いけないよ…奴等人間を嫌ってるから万が一があったら大変だから…』
「僕のせいか…足手まといになってるな…」
『気にしないで、これから強くなればいいのよ』
「そうだな…解放者も強くするんだよな…」
『ええ、一緒に戦う事はないけど、解放者が戦ってくれた方が私にとっても都合がいいし…
大丈夫よ。強くするって言っても●より強くはしないから、精々初級魔法くらいかな
というよりも、時間がないからそこまで強くなれるかどうかもあやしいわね…
まあ戦力として期待してないし、敵の場所が知りたいから戦ってほしいだけなんだ』
「そうなのか…時間が無いなら…僕もそれほど強くなれないんじゃ…」
『それは大丈夫…時間の流れが遅い異空間で特訓するから』
「異空間…」
『時間がないのも私が解放者側についたと、管理者はそう思ってるはずだから…早急に動くはずよ』
「不味くないか…解放者の準備も出来ないうちに責められたら…
いくら場所が分かっても世界中だと1人じゃあ対応出来ないだろ…」
『大丈夫よ…人手はある…ゴーレムオートマタ』
「えっ人…がいきなり出てきた…」
『人じゃないわゴーレムよ。オートマタ自分で考えて行動できるの
強さもこの世界の奴じゃ敵わない。これがいくらでも作れるの
だから場所さえ分かれば転移してすぐに終わるわ』
「凄いな…本当に○1人で十分なんだな…
あれ?転移って1度行った場所じゃないと使えないんじゃないのか?」
『そうね…ゴーレムは計算処理能力が凄いのよ…正確な場所が分かれば転移出来るわ』
「そうなんだ…機械みたいなものか…
こんな凄いゴーレムがいたら他は必要ないな…」
『ええ、そうね…必要ないって言っても●には強くなってもらうわよ
私がいれば大丈夫だと思うけど、念の為自分の身は守れるくらいにはならないと』
「ああ…そうだな…守られるだけなんて嫌だからな」
『うん…それじゃあ行きましょうか…』
《準備出来たのか?じゃあ行こうか…》

「ここは…空から見た樹海の町だな…」
『ええ…そうね…何ヶ所かあったけど、その中でも小さな町ね…』
《この町は皆私達の仲間だから、そんなに警戒しなくても大丈夫だぞ》
『そっちが警戒してるのにこちらが警戒とくわけないでしょ…』
《まあ…それは…外から人が来る事なんてないから…警戒してるかも知れないが…
連絡しといたから何もしないよ…気にしないでくれ》
「気にするなと言われてもな…皆に見られてて落ち着かない…」
『結界はってあるけど私から離れないでね』
《まあ…それで、特訓なんだけど…》
『私達は別でやるから、あなた達でやってね』
《えっ?別って…》
『世界中にある解放者の拠点を教えて…』
《ああ、それはいいけど…》
『時間がないから一気にいくよ、ゴーレムオートマタ!』
《えっ!何?これ…》
「えっ…ゴーレムって前に見せてもらったよな…何で○の姿してるんだ…」
『世界中にゴーレムを送るわ…私の姿をしいてれば、敵も混乱するでしょ』
「確かに…」
《ちょっと待て!話についてけない…世界中にこれ…ゴーレム?を送る?》
『そう…ゴーレム達が貴方達を強くしてくれるわよ』
《そうなんだ…》
『ちゃんと連絡しといてよ…攻撃されたら拠点ごと破壊しちゃうから…』
《なに!分かったから、ちょっと待って》
『後はゴーレム達がやってくれるから私達は別でやらせてもらうわね』
《えっ…あぁ…分かった…》

『もうここは異空間だから時間の流れが違うよ』
「えっ…いつの間に…見た感じ変わらないんだな…」
『そうね…異空間と言うより結界みたいな感じかな…
それじゃあ始めましょうか?』
「そうだな…魔力を魔法に変換するんだよな…」
『そう…変換するっていうのはイメージする事、どんな魔法にするか具体的に想像できれば使えるわ』
「想像する…イメージね…」
『初めは難しいと思う…だから呪文や印、物を使って集中しイメージをより明確にするの…
異世界では呪文や魔法陣を共通にする事でイメージしやすくしてたわ
私はすぐイメージ出来るから無詠唱で出来るけどね』
「そうか…僕は…呪文がやりやすいかな…」
『そう…色々工夫したらいいよ。イメージのしやすさは人それぞれだからね…』
「分かった…やってみる…」

『いい感じだよ!もうすっかり初級は使えるようになったね…
初級は魔法をそのまま使う事だから
中級は変化を入れる事、より複雑になるから頑張ってね』
「ハハ…やっとできたと思ったら、より複雑か…頑張るよ」

『いいんじゃないかな…中級も大丈夫そうだし…上級だね…
これはかなり難しいよ、始めに見せたブラストもこれに入るから
異なる魔法を同時に使ったり、合わせて別の魔法にしたりするんだ』
「同時にとか…合わせるとか…気が遠くなる…
はぁ〜やるよ…絶対出来るようになるから…」
『うん…焦らなくていいからね』

『おめでとう!良く頑張ったね!お疲れ様』
「ああ…良かった…出来るようになって…」
『ふふ今なら、あの幹部クラスが来ても自分の身は守れるよ…
でも●…戦闘経験がないんだから倒そうとしないでよ…ちゃんと逃げてね』
「ああ…そうだな…戦わなくてすむならそれがいい…」
『時間を調整したから今は夜だよ
晩御飯でも食べに行きましょうか』
「晩御飯…そうだな…調整って…異空間にはどれくらい居たんだ?」
『そうだね…一週間くらいかな』
「えっ…一週間…夜にならないから分からなかったけど…
腹も減らなかったし眠くもならなかったな…」
『まあ、回復はしてたからね…』
「回復…してくれてたのか…ありがとう…」
『本来なら気づくはずだけど、それだけ●が集中してたんだよ…内容的には1ヶ月以上特訓したくらいと同じかな』
「1ヶ月…それって…結構かかった方なのか?」
『早い方だよ。続けてやれたからコツが掴みやすかったんじゃない』
「そうか…」
《お〜い!終わったのか?これから晩飯だろ?案内するよ…
ん!お前等…いったい何をしたんだ?
見た目は変わらないが…威圧感が凄いぞ…
私じゃもう敵わない…別人じゃないか…》
『強くなるって言ったでしょ』
《早すぎるだろ…皆ようやく魔力を操れるようになったから、魔法に変換するとこだってのに…》
『それが普通よ…私達の事は気にしない方が良いわ』
《ああ…そうだな…規格外だからな…教えてもらってるだけでもありがたいよ…》

『来たわ…』
「えっ…来たって管理者か?」
『そう…私がここに来て3日目か…結構時間かかったわね』
「そうか…早いと思うけどな…解放者側は初級がようやく使えるくらいだぞ…」
『ええ、ちょうどいいくらいね…』
「そうなのか…」
『幹部がいるはずだから、捕まえて主の居場所に案内してもらいましょう…』
《おい!大変だ世界中で管理者が動き出したぞ!》
『分かってる…ちょっと行ってくるから、後はゴーレムと貴方達で対処してね』
《ああ分かったが…行くって何処へ?》
『管理者の主の所…』
《えっ…》
『幹部は連れて行くからね』
《えっ…ああ、それは助かるが…》

『これは…こっちよ…強い力を感じるわ…
はぁ〜幹部の所に行きたいのに…邪魔なのが沢山いるわね…
どきなさい…ハリケーン!』
「凄い光景だ…人が次々吹き飛んでいく…」
『気にしなくていいよ…運が良ければ助かるから…
いた…また会ったわね』
[ええ…そうですね…正直私は会いたくなかったですよ…
あのハリケーン…すぐに貴方だって分かりましたよ…
ハァ〜世界中に貴方が現れた時は肝が冷えました…
この事態は貴方を仲間にできなかった私の失態ですから…
淡い期待もしてたんですよ…貴方が別の場所に行ったんじゃないかって…
まあ…予想はついていましたが、貴方が本物ですね…彼も居ますし…]
『貴方は本当によく喋るわね…
単刀直入に言うわ私を主の元へ連れていきなさい』
[ハハ…これはまた…私が言う事を聞くと?]
『ええ、貴方なら分かるでしょ。そうするしかないって事が』
[ハァ〜そうですね…まったく…私はついてない…]
『いいから早く案内して!』
[相変わらずせっかちな人だ…案内しますから!殺気を消して下さい…]
『さっさと行くわよ…主のいる場所をイメージして』
[イメージですか?]
『いいから早く!』
[分かりました…]
『抽出…転移!』
[な!これは…]
「凄いな…本当に転移した…」
[転移…貴方は何者なんですか…本当に人間ですか…]
『さあ…どうなのかしらね…』
〘どうした…誰だ…そいつらは…〙
[主…申し訳ございません…こちらが前に話した方です]
〘ほう…女の方だな…それでなぜ私の元に連れてきた…
お前…裏切ったのか?〙
[いえ私は裏切ってなどいません…ただ私等ではこの方をとめられないので、ここにお連れしました]
〘それは私にコイツの相手をしろという事か?〙
[申し訳ございません。私の力不足で主の手を煩わしてしまいますが、どうぞ宜しくお願いします]
〘まったくお前という奴は…この女…それ程強いのか…〙
『…』
「あれが主…本当に主のいる場所に転移したな…
ドンピシャだ…○どうした?」
『何で…居るの…ここに…どういう事なの…』
「○?」
『神様…』
「えっ…」
[神?]
〘ほう…そうか…お前が…ついに来たか…この時が…
お前等では勝てないわけだ…コイツは神を除けば最強…神の次に強いからな…〙
『神様…何言ってるの…説明してよ…』
〘私は神ではないよ…私を神と間違う奴など…神の使いしかいない…種神だな…
その様子じゃ神から何も聞いてないようだな…〙
『貴方は神様じゃない…どういう事…貴方は全て知っているの?』
〘全ては知らない…私が実際経験していたから知っていただけだ…
神に聞いてみたらどうだ?答えてくれるか分からんがな…〙
『そうね…神様は教えてくれないでしょうね
いつも向こうから言ってくるだけだし…必要最低限だけしか教えてくれない…
私が質問しても何も答えてくれない…』
〘そうだろうな…〙
『貴方の知っている事だけでもいい…教えて…』
〘いいだろう…私はかつて勇者だった…お前と同じように、いくつもの世界を救ってきたのだ…〙
『貴方が勇者…世界を救ってきた…私以外にも…
いえ…私の前の勇者が貴方…』
〘そうだな…私は勇者だった…
物語に出てくる勇者は魔王を倒して世界を平和にする…
人間にとって邪魔な存在を倒して人間の世界を救うのが勇者
それとは少し違う…救世主の方があっているな…
人間とかそんな話では無い、文字通りに世界を救う者だ…
まあそう言っても、あまり実感はないだろうがな〙
『世界を救う…救世主…』
〘私…神はこの世界で生まれた…
いくつもの世界を救いこの世界に戻ってきた私は…今お前が神と呼ぶ存在と私に別れた〙
『別れた?』
〘そうだ…確かに私は神になったのだが、そこには神と呼ばれる私と、この私が存在していた…
私は神にとって必要のないものが残った存在なのかもしれない…
神には人間らしさ…感情がないだろ…機械のように坦々としている
神に私だった頃の記憶があるのかも分からない…
それか…姿こそ私だが私の力だけを抽出したものが神なのかもしれない…
まあ、実際のところは何も分かっていない…
私が話すのは全て私の推測でしかない…〙
『確かに神に人間らしさなんかない…感情を出してるところなんて見たこと無い…
推測でもいいから話して…』
〘この世界は他の世界とは違う…
他の世界が何度も終わり始まりを繰り返す中、この世界だけは常に存在していた…
時間の流れも違うだろ…お前はいくつもの世界を救ってきたはずなのに、この世界に戻ってきた時、そんなに時間が経っていなかっただろ…
それは…この世界が大元の世界だからなのか、
または、この世界が神を作り出す為の世界だからなのか…〙
『神を作り出す為の世界…』
〘そうだ…そう考えた方がしっくりくる…神さえも世界のシステムの一部でしかないのだ…
神になる方法は神と別れた方を殺す事だ…
神も死に新たな神になるのだ…
次の神になる者…種神以外に私を殺す事は出来ない…〙
『次の神…種神…私にしか殺せない…貴方を殺せば神になる…』
〘そうだ…お前が私を殺していたら神になっていた〙
『何よそれ…』
〘神は何も伝えないからな…だから私は神になった…
知らずに殺した…
私は神と同じ姿をした者を神では無いと判断し殺したんだ…
何も気にせず…話そうともしなかった…それが当たり前なんだと…〙
『そう…』
〘そうして私は神と別れて今の私になり、ずっとこの世界に存在していたんだ…
この世界でも長い時間だったよ…
ようやく終われる…私を殺せ…〙
『貴方を…殺す…嫌よ…私は神にならない…』
〘それは無理だ…お前は…神になる…
神もシステムの一部だと言っただろ…
だから彼がいるんだ…よくできているよ…この世界は…神が出来るようになっている…〙
『まさか…●も…私が神になるのを拒んだ時の為に…そんな…』
〘彼が死ぬか、お前が神になるかだ〙
『そんなの…●を殺させるわけ無いじゃない…貴方も殺さない…』
〘無理だな…お前がどう望もうが世界はそうできているんだ…諦めろ…〙
『貴方は…本当に死にたいの?』
〘そうだな…正直…もう…どうでもいい…疲れたよ…〙
『他に方法は…』
〘無い…神も消耗品なんだろうな…永遠は無いんだ…だから変わるんだろう…
世界は新しい神を必要としているんだ〙
『今の神が続けるのは無理って事なのね…他の人は…』
〘それこそ問題外だ…他の者が神になれる訳が無い、そんな力も無い
世界を救い続け力をつけたから種神になったんだぞ…〙
『そう…』