愛しい揺らぎのいきもの
蝋燭を点して
本を読んでいた
数秒して、蝋燭が
「こっちを見てよ」
と言っているように
炎の不思議な動きの
影の揺らめきでわかった
私は本を読むのをやめて
その炎の先、輪郭を
見つめてみた
不規則に揺れている炎は
見ているうちに
可愛い生き物に見えてきて
なんだかとても愛しい気持ちになった
張り詰めていた心が
解放されて違う世界にいるようだった
私たちは自分の中にいろんな世界を持っている
いつだって行ったり来たりできるんだ
だからいつだって大丈夫だよ
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