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まさちゃん

”まさちゃん”とはわたしの祖父の弟だ。

祖父は6人兄弟の2番目で、
まさちゃんは末っ子。

わたしは小さい頃から人見知りで
大人には特に心を開かなかったが、
まさちゃんにだけは何故かなついた。

自分でも理由はわからない。

とにかくまさちゃんとなら
2人でお散歩もできた。

いつもまっすぐに愛情を向けてくれていたのを覚えてる。


去年、わたしは結婚をした。

お義母さんには親戚に年賀状を送れと言われ、
そういうものなのかと気付かされた。

祖父に親戚の人に結婚を知らせたほうがよいのか確認したところ、
知らせなくて良いと言われた。

わたしの家は
そういうお金が絡むことを避けたがる性質で
要は面倒くさいのだ。


ただ、まさちゃんにだけは伝えたいと
本能的に思った。


だから祖父の許可も得ず、
こっそり年賀状で知らせたのだ。

年賀状が届いたあと、
まさちゃんはすぐにお祝いを渡しに来た。


正直お金は申し訳ない気持ちにもなったけれど、
すぐに来てくれたその気持ちが
じんわりと響いて涙が出た。


上辺だけじゃない、
そんなまさちゃんがわたしは好きだ。

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