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50歳の入学式でもらったお題「エンタメが無くても生きていけるけど、エンタメが出来るコトって何?」

エンタメにしかできないこと・私がやりたいことは

漫画家を目指して早期退職し、この春から学ぶ専門学校の入学式に出席しました。大学の入学式以来なので、実に32年ぶり(!)の新入生です。
主催者や来賓の方々のあいさつで幾つも大事なワードがあったのですが、一番自分の胸に落ちたこと、そこから考えたことを書いておきたいと思います。
それは、最前線のクリエイターであり学院OBでもあるの方からの「エンタメが無くても生きていけるけれど、エンタメに何が出来るのか?」という問いでした。

そのOBの方は自ら答えて曰く、
「共通の感情、つまり社会との接点がキャラ。キャラを通じて感情を共有できれば心が動く」
「エンタメは苦しさを忘れさせるチカラ、前へ進むことを後押しするチカラがある。人に寄り添うようなエンタメをつくろう」、と。

ああ、そうなんだよなあ。私がやりたいこともまさしくそれなんだよなあ、と思いました。

たとえば誰にも理解されず独りだと感じた子供時代、たった一曲があるだけで日々を乗り切れたように。
仕事で通用しなくて折れそうだった時、心を奮い立たせる漫画をガソリンにして毎朝体を前へ進めたように。
理不尽な死や離別に打ちのめされた時、傷が癒えるまで一冊の本が助けてくれたように。
それでも精根尽き果てて燃えつきた時に、同じ苦しみを味わい超えてきた人の言葉が闇の先を照らしてくれたように。

人生で常に傍らにいてくれたのは、先人達が遺してくれた膨大な量の活字や漫画や映像や音楽などでした。
貪るようにして読んだ1冊が、縋るように繰り返した1行が、つっかえ棒になってくれたり蜘蛛の糸として繋ぎ止めてくれたことは一度や二度じゃなかった。


エンタメにしかできないことって、間違いなくある。


そうやって膨大なエンタメ群に自分が支えてもらったように、今度は自分が恩返しをしたい。今度は自分が少しでも誰かの助けになれたら。沢山の厄災が続き、多くの人が傷つき耐えることを強いられている今の時代だからこそ、それをカタチにして届ける力をつけたい、と改めて思います。

先人達の蓄積を継承して、その先へ。

そうした思いを作品として具現化する技術が圧倒的に不足していたので、ゼロから徹底的に身に着けるため専門学校へ行くことを選びました。老い先短いので、「夢を叶える」とか抽象的なことでなく実現可能性の高い最短ルートを必死に探しました。この学校が日本で唯一、学内に出版社を持つことで在学中から現場で学びながら仕事も出来るという強みが決定打でした。
だけど一番大事なことは、個人の技術力向上とか職業訓練とかそれだけじゃないんだよなあと、OBの方の言葉から改めて再確認したんですね。

作品や登場人物を通じた感情の共鳴。それによって、ほんの一瞬でも、一緒に人生を渡っていく時の支えになること。同時に、きちんと生業として成立させること。

入学式の主催者挨拶で、この専門学校AMG(アミューズメントメディア総合学院)が創立してから今年で28年を迎えたとのことでした。それは奇しくも自分が勤続した年数と同じでした。
私が延々と勤め人をしていた間に、ここで着実に蓄積されてきたもの、受け継がれてきた財産をこれから体験できる。28年働いて得たお金で、それを学べる。
惜しみなく吸収させてもらって、先人達が築いてくれた蓄積を継承した上で、その先へ進むこと。それがきっとミッションなんだと思いました。

これから始まる2年間で、行き詰まったらココに戻って来ようと思います。

初心忘るべからず。いざ!


▼早期退職しての初心所信表明、コチラにも載せております

初めまして。出戻り腐女、50歳から漫画家修行します。

※ヘッダーは写真編集アプリEncollageを使用し作成しました

後押しいただけたら、地の果てまで頑張れそうな気がします…!