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50歳からマンガ持ち込み13回やってみた!


最初の持ち込みは全滅→好評価まで1年半



漫画家になりたくて諦めきれなくて、
去年50歳で早期退職して専門学校に入って
編集部への持ち込みを開始しました。

人生折り返しを過ぎた崖っぷち、
捨て身で行くしかないので、
千本ノックと思って挑み続けて累計13回。

最初の作品は6か所すべてで撃沈。
2作目で好評価をもらえるまで、
入学後1年半もかかりました。


それでも、対面だからこそ
得られた収穫が多くあったので、
私は断然持ち込みをおススメします。

漫画家デビューを目指す方々の
ご参考になれば幸いです!



持ち込み1作目・結果と反省点




入学から半年後の2021年11月、
ようやく持ち込み第一作を描き上げ、
6か所へ持込み。


■持ち込み結果

□集英社ココハナ →×
□集英社グランドジャンプ→×
□KADOKAWAハルタ→×
□白泉社ヤングアニマル→×
□小学館ビッグコミックスペリオール→×

6か所とも全敗。しかも
目も当てられないほどの玉砕でした。

「悲嘆癒師」という独自設定が
面白いと言ってくれたところも
ありましたが、ほとんどのところで
「絵柄古い・ストーリー意味不明・
キャラに共感できない」と、
いいトコなしの評価。

■反省点

まあ確かに今から客観的に読むと、
ちょっとハナシの意味が解らないですね(;^ω^)


ちなみに作品はコチラ↓(スルーいただいても大丈夫です。1作目2作目のビフォーアフターとしてご参考までに)

「描けるもの」でなく、
「描きたいもの」を描いてたなあと思います。


ただ、その時の自分はどうしてもこれだけは
完成させないと前へ進めなかったので、
致し方なし。


気が済んだので、次へ!



持ち込み2作目・方針大転換、結果が出始める




というワケで、次作は
わかりやすい王道ストーリーの
スポーツモノにあえて挑戦することに。

しかし、人体ニガテ!
王道もスポコンも描いたことない!
なので、
渾身の好きをぶつけるしかないと思い、
20年来の箱推しフィギュアスケートを
題材に選びました。

本当は北京オリンピックまでに
上げたかったのですが全くムリで、
結局半年かかって6月にようやく完成。
7か所へ持ち込みしました。


■持込み先と結果


□講談社BE・LOVE→〇
□白泉社マンガラボ→〇
□白泉社ヤングアニマル→×
□集英社グランドジャンプ→△
□KADOKAWA ハルタ→×
□秋田書店エレガンス・イブ→△
□秋田書店プリンセス・ボニータ→×


結果は、7戦2勝3敗2引き分け。

今回初めて好評価がもらえたのですが、
とにかく反応が本当にさまざまでした。

何度も熟読してくれる人から、
スケートのルールをスマホで
調べながら読んでくれる人、
一瞬で見終わってしまう人まで、
日替わり天国地獄ジェットコースターを
味わいました。


ちなみに持ち込み2作目はコチラ↓


■累計戦績


最終的に、去年11月〜の累計戦績は
2作品を13ヶ所持ち込み、
13戦で2勝9敗2引き分け。

内訳
〇=勝ち=「描き直して持ち込めば
 名指しOK」と言って貰えたところ
×=負け=ハシにも棒にもかからず
△=引き分け=「この作品は無理だけど
 他のテーマなら持ってきていいよ」
 と言って貰えたところ

 というカンジでした。
(引き分けについては後述)


 最初の作品が全滅だったことを
考えれば大前進です!



2作目の持ち込みで指摘されたこと


■肯定的評価


・フィギュアスケートを好きという
 作者の気持ちが伝わってくる
・主人公の天真爛漫なキャラがいい
・ラストの試合シーンが胸アツ展開
・体の線が綺麗。動きが止まって見えないので迫力がある
・「詳しく知らないけど知りたい」という
 読者の気持ちをうまく突いてる。
 知らない世界を垣間見れる愉しみがある
・後半の得点が1.1倍、ダイヤモンドポイント
 などは知らなかった。面白かった。


■課題


・絵柄が古い
・文字が多い。読み飛ばされてしまう
・コマ割りが細かい。目が疲れる

・主人公に感情移入できない
・試合シーンが何をやってる場面かわからない。  
跳ぶ前か、跳んでるのか、跳び終わった後なのか
・話がダイジェスト的でヤマ場がわかりづらい
・何が大変かわからない 


■こうすればもっと良くなるのでは


・技にページを割くのは少年マンガ。
 女性誌は主人公の心情にスポットを当てて、
 他を削る。グッとくるポイントを大ゴマに。

・女性マンガは、少女マンガの楽しさだけでなく
 「この子はなんでこんなに頑張るの?」と、
 応援したくなる部分を広げる。 

・コーチが愛情深く、オネエでもよいが、
 女性誌ならイケメン(眼福)が必要

・ピンチの接し方でどういう人間かわかる。
 文字はいらない。絵と構成で見せるのがマンガ

・いかにスゴイか誰が見ても分かるように
 周りのリアクションで語らせる
 (例:ガラスの仮面)

・「ゴールでどうなるの?」と読者に興味を
 持ってもらえるよう、最初にマップなどの図で
 筋を示す。

・読者が共感して読み進められるよう、
 主人公がスケートを始めたところから
 スタートしてはどうか



評価の違いは何から生まれるか?



評価の違いを生む要素は、主に3つではないかと

・雑誌の方向性と合致しているか
・読者層と合っているか
・編集者の感性や波長と合うか


ホントにこれ、
指摘される課題はどの編集部でも
ほぼ同じだったのですが、
ストーリーや主人公に共鳴したり
胸アツになってくれるかは
編集さんによって全然違っていて。


ある編集さんは、「作品上で
”氷の上で生きていきたい”
”滑ることしかできない”など、
いいセリフがある。自分が担当なら
もっとココにページを割く」
と具体的に言ってくださったり。

同じ原稿でも見る人によって
ここまで反応が違う、
相性とか波長ってホントにある
んだ、
ということが如実にわかりました。



というワケで、結論として


持ち込みは、できるだけ
多く行ったほうがいい!!

それも、なるべく複数の雑誌・
編集者に見てもらった方がいい!!


と思いました。


持ち込みだからこそ得られたもの



■転んでもタダでは起きん!→「引き分け」に持ち込む


勝敗表の「△引き分け」とは、
ほぼ敗北状態だった編集部で、
「ゼッタイ何かモトを取って帰る!」と
質問したり提案したりして、なんとか
収穫を掴んだところです。


「今のウチの雑誌だと読者層が違いすぎ」
と言われた2か所で、質問してみました。


どういう作品がなぜ支持されているのか?

雑誌として今後どういう方向性なのか?

ハイエイジ向け女性誌の編集さん
「ウチの読者層は30代~70代なので、
40代の主婦が吹奏楽に再トライする
話などが人気」と教えてもらえたので、
私「じゃあ、50歳で早期退職して
漫画家目指す実話コミックエッセイ
とかはどうですか」と提案すると、
編集さんから「ゼヒ読みたいです!」と
言ってもらえたり。


もう一か所の青年誌の編集さん
「スポーツモノは今後力を入れていきたいとは
思っているが、作風が違いすぎる」とのこと。
私「確かに、この雑誌では
泥臭いのが好まれてますよね。
じゃあもし今後、泥臭い
スポーツモノを描いたら
見ていただいてもいいですか?」
編集さん「もちろんどうぞ!」という具合で、

なんとか次に繋がる足掛かりを掴んだカンジです。

なので、「引き分け」という表現で記載してます。
コレは、WEB投稿では勝ち取れなかった成果でした。


対面なら、
相手の反応見ながら話が出来るし、
編集さんにも自分を知ってもらえる。


「アラフィフ漫画家目指す実体験モノ」は
自分だからできた提案だと思うし、
瓢箪から駒というか、まさに
雑談から生まれた可能性の種でした。



■最後に思わぬサプライズが!


というわけで、
専門学校の個別作品指導の時間に
結果報告をしていたのですが。

高評価をくれた編集さんが
帰り際に私を呼び止めて、
わざわざ雑誌を広げて新人賞〆切を
調べてくれた話をしたんですよ。
「描き直して、次の新人賞に
応募したらどうですか。
9月30日〆切ですよ」、と。

そしたら学校の先生曰く、
「それ担当ってコトだよ! 
 名刺もらってなくても
 担当と思って持って行きな!」


言われて仰天しました。


(新人賞の話を聞いた時は、
「こんなに反応よかったのに
名刺くれないんだ…」と
しおしおしていた私を
憐れんでくれたのかと思って、
脳に入ってなかったんですよ…)


いやいやいや先生
そうは言っても
社交辞令かもしれないし…


いやいやいや
もうそれでもいいや!
いい方に解釈して行きますわ!


これも、直接持ち込みをしていなければ
得られなかった展望でした。



だからマンガをやめられない



「こんな50過ぎたオバサンが
このレベルの漫画描いてるのか」
とか思われたらどうしよう…
なんていうのは杞憂でした。

年齢・性別・学歴・職歴・嗜癖・
人種・宗教等々に一切関係なく、
「面白いかどうか」だけの勝負。

もちろん面白くなければそれまで。
どんなに年くってても、
何の手加減もありません。

私も、持ち込み1作目で
「ちょっとくらいは通用するやろ」という
甘っちょろい見通しを
完膚なきまでに粉砕されました。

でも、前進すればちゃんと評価される。
渾身の好きをぶつければ通じる。
メッセージをちゃんと
受け取ってくれる人がいる。

才能とか来歴とか境遇とか
平等はありえないけれど、
すごく公平な世界が広がってる。

改めて、私はこの世界で
生きていきたいと思いました。


通用するものを生み出したい。
今はまだいろいろ足りなくても、
もっと多くの人の心に届くように。




さしあたり、
編集さんたちのアドバイスを元に
フィギュアスケート漫画を修正し
(ドローイングやらネームやら
トレーニングしつつ
イケメン研究しながら
自分を徹底改造して)
秋の新人賞に応募する予定です。


果たして結果や如何に??

見守っていただけると有難いです!



そして、
漫画家志望の同志の皆さん、

一緒に頑張りましょうね!!!





後押しいただけたら、地の果てまで頑張れそうな気がします…!