もう少し大人だと思っていた
30代って、もう少し大人だと思っていた。
少なくとも、昔に思い描いていた30代の自分と、現在の自分ではギャップがある。
例えば、仕事でクタクタになって帰ってきて、冷蔵庫にビールが冷えている。「ラッキー!」と言ってそれを飲む。飲みながらキッチンに立っておつまみなんて作ったりもする。「この時間が1番幸せだわ」と言ったりする。
例えば、自分の誕生日にシャネルの財布を買う。とびっきりのドレスを買う。
例えば、お風呂に長く浸かる。お風呂の中で本を読んだり雑誌を読んだり、Netflixを観たりする。
例えば、寝るときには良い匂いのベッドで眠る。ふわふわの布団に、ホテルみたいな枕がたくさん。パジャマだって、シルクの肌触りが良いやつだ。
そんな私の妄想と現実は、当時の私が見たら肩を落とすくらいに違っている。
実際は、ビールは飲めない。すぐに酔っ払ってしまうし、好んで飲むものではないと思っている。
実際は、誕生日に買うのは仕事道具だ。カメラとか、パソコンとか。
実際は、お風呂にも長く入れない。すぐにのぼせてしまう。
実際は、ベッドにはいまだにぬいぐるみが積んである。テディベアではなくて、1歳の頃から一緒にいるスヌーピーと、クレーンゲームの景品、孫悟空だ。枕は実家から持ってきたぺちゃんこの枕。パジャマはユニクロ。
妄想と現実は、過去の私が見たら信じられないくらいに違うかもしれない。
それでも、この何年かで見つけた「自分らしさ」。
ずぼらで、インスタグラムのひとつも続きやしない。
理想の自分とは違っていたけれど、仕事が終わって部屋を暗くして観るNetflixが好きだ。30過ぎてもアイドルが好きだしキラキラしているものが好きだし、かわいいものが好きだ。
好きなものを摂取しているときは、幸せだ。
わかっているのにどうしても、人と自分を比べてしまうことがある。
あの人の方が私の好きなことをしている、あの人の方が輝いて見える。そんな自分が嫌で嫌で仕方ないけど、これもきっとどうしようもないくらいに自分らしさ。
そんな自分と、いつまでも向き合って、時にはケンカして生きていく。
なるべく自分らしく。きっとそれでいい。
今夜もNetflixが楽しみだ。
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