2024年1月29日~2月2日


①(月)ユーロ安

  • 要人発言(デギンドスECB副総裁)

  1. インフレと成長率の下振れリスクに直面

  2. ラガルドECB総裁も同じ事を発言
    >>信憑性が高まった
     
    ②(月)ドル安

  • 米政府借入予定額が下方修正

  1. 1-3月(第1四半期)の連邦政府の借り入れ必要額7600億ドルの見通し

  2. 長期国債の発行も減少=国債価格が上昇
    >>金利低下のドル下落
     
    ③(火)ドル高

  • 経済指標

  1. JOLTS求人:予想8750千件 結果9026千件(前回8790千件→8925千件)

  2. S&P/ケース・シラー住宅価格指数・前月比:予想+0.45% 結果+0.15%

  3. S&P/ケース・シラー住宅価格指数・前年比:予想+5.65% 結果+5.40%
    >>米国の強い経済指標
     
    ④(水)豪ドル安

  • 経済指標

  1. 豪第4四半期消費者物価指数・前期比:予想+0.8% 結果+0.6%(前回+1.2%)

  2. 豪第4四半期消費者物価指数・前年比:予想+4.3% 結果+4.1%(前回+5.4%)
    >>弱い経済指標を受けて
     
    ⑤(水)ドル安

  • 経済指標&国債&月末ロンドンフィックス

  1. ADP全米雇用報告:予想+14.5万人 結果+10.7万人(前回+16.4万人→+15.8万人)

  2. 米第4四半期雇用コスト指数:予想+1.0% 結果+0.9%(前回+1.1%)

  3. シカゴ購買部協会景気指数:予想48.0 結果46.0(前回46.9→47.2)

  4. 国債発行額が今後数四半期は増額見込んでいない(国債買い→金利低下)
    >>月末ロンドンフィックス:1月は8円上昇のリバランス
     
    ⑥(水)ドル安

  • FOMC

  1. 結果:据え置き(550bp)

  2. 声明文変更(中立的に)

  3. 3月の利下げの可能性は低い

  4. 5月の利下げの可能性は95%以上の予想

  5. QT縮小のペースを遅くする議論は次回から(現状据え置き)
     
    ⑦(木)ポンド高

  • BOE政策金利発表

  1. 結果:据え置き(525bp)

  2. ガイダンス変更(「追加利上げが必要」の文言を削除)

  3. MPCは6対3で5.25%の据え置きを決定

  4. 2人が0.25%の利上げ、1人が0.25%の利下げを主張

  5. 金利の変更はデータ次第

  6. CPIは今後数カ月で低下すると予想

  7. 金利の水準は依然として適切
     
    ⑧(木)ドル安

  • 経済指標&米地銀株価下落

  1. 新規失業保険申請件数:予想21.2万件 結果22.4万件(前回21.4万件→21.5万件)

  2. 単位労働費用【速報値】:予想+1.6% 結果+0.5%(前回-1.2%→-1.1%)

  3. ISM製造業景況指数:予想47.0 結果49.1(前回47.4→47.1)

  4. 米地銀NYCB(ニューヨーク・コミュニティ・バンコープ)の株価大幅低下(2日連続)
    >>ISMは強く瞬間的に上昇したものの他要因で下落
     
    ⑨(金)ドル高

  • 経済指標

  1. 非農業部門雇用者数:予想18.0万人 結果35.3万人(前回21.6万人→33.3万人)

  2. 失業率:予想3.8% 結果3.7%(前回3.7%)

  3. 平均時給・前月比・前月比:予想0.4% 結果0.6%(前回0.4%)

  4. 平均時給・前年比:予想4.2% 結果4.5%(前回4.1%→4.3%)

  5. ミシガン大:予想78.8 結果79.0(前回78.8)
    >>全てドル高要因(サプライズ)となり、3月利下げがほぼ無しと言える結果となる
     
    ⑩(金)米株価高

  • 米主要3指数は揃って史上最高値を更新

  1. 米経済が堅調だという観測

  2. メタ・プラットホームやアマゾンの決算が好感され続伸

  3. 米経済が強すぎる
     

為替市況
FOMC・月末フロー・米重要経済指標が続く、重要な1週間となりました。
 米経済は依然と強く、【3月の利下げはほぼ無し】になるのではないか?との観測が入り、ドル高の株安に陥るかと思いきや(金曜日)米株価3指数は揃って史上最高値を更新するなど、米大手企業の決算は予想を上回る強さを見せて引けています。
 米経済・ドルが強い状態となり、(ドル円)は270pips(2.7円)の乱高下となりました。
 では今回のメイントピックスである、

  1. FOMC

  2. 米雇用統計

  3. BOE政策金利
    についてまとめていきます。
     
    FOMC
    【まとめ】

  • 結果:据え置き(550bp)

  • 声明文変更(いつでも引き締め可能→FF金利の目標レンジの調整を検討する)

  • パウエル氏:3月の利下げの可能性は低い

  • FedWatch:5月の利下げの可能性は95%以上の予想

  • QT縮小のペースを遅くする議論は次回から(現状据え置き)
     
    <声明文変更内容>

  • (前回)徐々にインフレ率を2%に戻すために適切とみられる追加的な金融政策の引き締めの程度を決めるに当たり・・・

  • (今回)FF金利の目標レンジの調整を検討する際、委員会は今後のデータ、今後の見通し、リスクのバランスを慎重に評価する・・・
    前回はいつでも「引き締め」ができる準備があるとのことで、どちらかというとインフレ再燃を警戒した「利上げ」を重視した声明文になっておりました。
     
    今回は「FF金利の目標レンジの調整を検討する」という【結果次第では(利上げ・利下げ)どちらにでも転びますよ。】というような中立的な声明文に変更してきました。
     
    そして、「インフレ率が2%に向けて持続的に推移しているという確信がさらに高まるまでは、目標レンジを引き下げるのは適切ではないと考えている」といったように、「利下げ」のワードを一部声明文に記載していることが重要であり、「利下げ」に関しても考え始めているという内容になります。
     
    ただしトータル的には、「利上げフェーズは終了した。利下げ時期も当然考えているが、すぐに利下げをできるかは、まだわからない」といった内容の声明文です。
     
    マーケットの反応は、3月利下げに半数ぐらいは期待していた事もあり、「声明文的には次会合の利下げは期待できなさそう」という反応で、若干ドルの買い戻しが入り、発表間近のレート付近に戻ります。
     
    パウエル議長の発言
     

そしてパウエル議長の発言にて、

  • 「労働市場が予想外に弱まってこれば利下げの可能性は高い」

  • 「多くのディスインフレは商品セクターからもたらされている」
    などの発言内容を受けてドル売りで反応するも、「3月利下げの可能性が高いとは考えていない」・「中央値で今年3回の利下げを予想している」発言などで、「3月利下げに関して現状では確率が低い」とされたことでドル円は再び上昇することになります。
     

このパウエル氏の発言を受けて、発表直後のFedWatchでは3月利下げは30%台となりましたが、マーケットはまだ3月利下げの期待値が一定数あります。

「3月利下げの可能性」が半数に戻っている状態で、マーケットも迷っていることがわかります。
 
しかし、今回の発表で「5月会合|利下げの可能性」は95.0%となっており、マーケットの基本シナリオが5月利下げと考えていることがわかります。
 
そして金曜日の雇用統計がかなり強い数字となりました。
 
<米雇用統計>
<結果>

  • 非農業部門雇用者数:予想18.0万人 結果35.3万人(前回21.6万人→33.3万人)

  • 失業率:予想3.8% 結果3.7%(前回3.7%)

  • 平均時給・前月比・前月比:予想0.4% 結果0.6%(前回0.4%)

  • 平均時給・前年比:予想4.2% 結果4.5%(前回4.1%→4.3%)
    数字はすべて悪化する予想でしたが、全て強い数字になるという完全にサプライズな内容となりました。
     
    週半ばには【米地銀の株価大幅下落】などがあり、マーケットは「やはり利下げは必要か?」と考えていたと推測されますが、雇用統計は強い結果=米経済が強いのであれば、3月利下げは時期尚早であり引き続きインフレ撃退を優先して利下げ時期は5月会合以降となります。
     

賃金の上昇が観測されていますので、続いて「インフレの再燃」が警戒されます。
 

次回3月20日のFOMCまでに、雇用統計1回、CPI2回残っています。
 
データ次第では、3月利下げ予想比率に変化もありますので引き続き米経済指標には注目ですね。
 
ちなみに問題視されている、バランスシートの縮小ペースに関しては3月に開始する予定のようです。

BOE

  • 結果:据え置き(525bp)

  • ガイダンス変更(「追加利上げが必要」の文言を削除)

  • MPCは6対3で5.25%の据え置きを決定

  • 2人が0.25%の利上げ、1人が0.25%の利下げを主張

  • 金利の変更はデータ次第

  • CPIは今後数カ月で低下すると予想

  • 金利の水準は依然として適切
    上記の結果により、対ドルではポンド買いの方向となりました。
     
    議事要旨にて、

  • 「MPCは6対3で525bpの据え置きを決定」

  • 「2人が25bpの利上げ、1人が25bpの利下げを主張」
    と表記されましたので、まだ25bpの利上げを考えているMPCメンバーがいることから、まだ追加利上げの姿勢は完全に崩していないとマーケットは判断したようです。
     
    しかし、今年のインフレ見通しは引き下げており、かつガイダンスの内容では【追加利上げが必要の文言を削除】している状態で、年内利下げの可能性があると道を開けました。
     
    またベイリー総裁もこの金利水準が適切とし、現状維持により目標の2%を顕著に下回るだろうと認めています。
    ※ただあくまではデータ次第となりますので、今後の経済指標に注目です。
     
    ちなみにマーケットでの(今年)英中銀利下げ見通しは変わらず、25bpの利下げが年内に少なくとも4回と見込まれています。
     
    (織り込む)初回の利下げ時期は6月で、5月の確率は約50%とされています。
     
    まとめ
    今回のメイントピックスである、

  1. FOMC

  2. 米雇用統計

  3. BOE政策金利
    についてまとめました。
     
    (現在)米株価3指数は揃って史上最高値を更新している状態で、引き続き米経済が強い事には変わりありません。
     
    そしてFRBの動きについては、日々の重要な米経済指標のデータに委ねられている状態。
     
    3月の夏時間切り替え時期までは慎重なトレーディングや分析が必要となりますので、引き続き慎重に進めていきます。
     
    今週もよろしくお願いします。
     
     

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?