2024年2月12日~2月16日
①(月)ユーロ安
要人発言(パネッタ氏)
ディスインフレが進行した段階にあることを示唆
2%目標に向けた進展は引き続き速い
金融政策スタンスを転換する時期が急速に近づいている
>>上記結果により売られる
②(火)ポンド高
経済指標
失業保険申請件数:予想1.52万件 結果1.41万件(前回0.55万件)
失業率:予想4.0% 結果3.8%(前回4.2%)
賃金:予想6.0% 結果6.2%(前回6.2%)
賃金(ボーナス含):予想5.6% 結果5.8%(前回6.7%)
>>英国の金利が上昇
③(火)ドル高
経済指標
CPI前月比:予想+0.2% 結果+0.3%(前回+0.3%→+0.2%)
CPI前年比:予想+2.9% 結果+3.1%(前回+3.4%)
CPI前月比・コア:予想+0.3% 結果+0.4%(前回+0.3%)
CPI前年比・コア:予想+3.7% 結果+3.9%(前回+3.9%)
「総合・コア」の両方とも予想を上回っている状態
>>結果はサプライズ
④(水)ポンド安
経済指標
英CPI前月比:予想-0.3% 結果-0.6%(前回+0.4%)
英CPI前年比:予想+4.2% 結果+4.0%(前回+4.0%)
英CPI前年比・コア:予想+5.2% 結果+5.1%(前回+5.1%)
英PPI前月比:予想-0.2% 結果-0.2%(前回-0.6%→-0.5%)
英PPI前年比:予想-0.5% 結果-0.6%(前回+0.1%)
軒並み予想を下回る
⑤(水)米株高
要人発言(グールズビー米シカゴ連銀総裁)
データをしっかり確認する必要がある
インフレ率が12カ月ベースで2%になるまで利下げを待つことには賛成しない
「利下げ」に対して勢力的な姿勢
>>S&P500が5000ポイントに回復
⑥(木)ユーロ高
要人発言(ラガルドECB総裁)
インフレ懸念に関してはまだ拭えていない
欧州中央銀行(ECB)は、利下げについて早急な決断は避けたい
インフレが上昇する可能性が残されているため
ECBはデータ依存のアプローチを継続する
⑦(木)ドル安
経済指標
小売売上高(前月比):予想-0.1% 結果-0.8%(前回+0.6%→+0.4%)
小売売上高(前月比・コア):予想+0.2% 結果-0.6%(前回+0.4%)
新規失業保険申請件数:予想22.0万件 結果21.2万件(前回21.8万件→22.0万件)
フィラデルフィア連銀景況指数:予想-8.0 結果+5.2(前回-10.6)
NY連銀製造業景気指数:予想-15.0 結果-2.4(前回-43.7)
発表直後は小売売上高に反応(ドル安)
>>ドル安一服後ドル買いに反発
⑧(金)ドル高
経済指標
PPI前月比:予想0.2% 結果0.3%(前回-0.1%→-0.2%)
PPI前年比:予想0.6% 結果0.9%(前回1.0%)
PPI前月比・コア:予想0.1% 結果0.5%(前回0.0%→-0.1%)
PPI前年比・コア:予想1.7% 結果2.0%(前回1.8%→1.7%)
予想を全て上回り長期金利上昇
>>ドル円は150.643円まで上昇
⑨(金)ドル安
経済指標
住宅着工件数:予想147.1万件 結果133.1万件(前回146.0万件→156.2万件)
建設許可件数:予想151.8万件 結果147.0万件(前回149.5万件→149.3万件)
ミシガン大消費者信頼感指数【速報値】:予想80.0 結果79.6(前回79.0)
1年先インフレ期待:予想2.9% 結果3.0%(前回2.9%)
5年先インフレ期待:予想2.8% 結果2.9%(前回2.9%)
予想を全て下回り長期金利低下
>>ドル円は150.116円まで下落
為替市況
為替市場は米国の経済指標(サプライズ)でおもに動いた1週間でした。
ドル円の値幅は約200pipsとなり、日米の株価は引き続き高値を更新している状況です。
今回のメイントピックスは、
「米CPI(消費者物価指数)」
「米PPI(生産者物価指数)」
についてまとめていきます。(米国の「利下げはいつから開始されるのか?」に直結する重要なインフレ指標)
米CPI(消費者物価指数)
【結果】
前月比:予想+0.2% 結果+0.3%(前回+0.3%→+0.2%)
前年比:予想+2.9% 結果+3.1%(前回+3.4%)
前月比・コア:予想+0.3% 結果+0.4%(前回+0.3%)
前年比・コア:予想+3.7% 結果+3.9%(前回+3.9%)
かなりのサプライズ結果となりました。
前年比では鈍化しているものの「総合・コア」の両方とも予想を上回っている状態です。
マーケット予想である「3%台から2%台」に下落しなかったという失望感がありますよね。
2%台の壁は、見て分かる通り【3%を下回る】ことは非常に難しい状況です。
CPI内訳
食品価格の上昇が反映されており、コアに影響がある家賃や医療費なども上昇しています。
そしてスーパーコア指数と言われる(住宅を除く)数字自体も上昇していることから、これは賃金上昇の影響もあるのではないか?と一部言われています。
(雇用統計では賃金上昇が目立ちました)
上記の結果を受けて、10年金利:4.326%まで上昇
ドル円:150.880円付近まで上昇
発表翌日のマーケットの反応(FRBの利下げ予想)は以下になります。
3月の利下げ予想はほぼありません。
そして5月会合(50%以上)にて利下げ予想がされていましたが、(現在)据え置き77.5%となっております。
6月会合より利下げ開始と予想する層が増えており、マーケットがようやくFRBの考えに合わせてきたような印象です。
(現在)
FRB:年内2~3回程度の利下げ予定
マーケット:3~4回の利下げを見込む
CPIの結果より、米株価3指数は大幅に下落することになりました。
米PPI(生産者物価指数)
【結果】
前月比:予想0.2% 結果0.3%(前回-0.1%→-0.2%)
前年比:予想0.6% 結果0.9%(前回1.0%)
前月比・コア:予想0.1% 結果0.5%(前回0.0%→-0.1%)
前年比・コア:予想1.7% 結果2.0%(前回1.8%→1.7%)
サービス価格の上昇が目立ちました。
サービス価格は▲0.1%から+0.6%に上昇をしており高止まり感が否めません。
インフレは変わらず根強いです。
マーケット目線では利下げ観測後退という憶測を呼び、『米長期金利が上昇=ドル円上昇』ということになりました。
10年金利:4.328%まで上昇
ドル円:150.643円付近まで上昇
(火曜)CPIの発表直後は、5月の据え置きが77.5%に傾いていましたが、、、
水・木・金の市場の流れを受け、PPI直後は(5月)据え置き予想は61.6%に低下しています。
まとめ
(現在)米国の「利下げはいつから開始されるのか?」に直結する重要なインフレ指標である「米CPI(消費者物価指数)」「米PPI(生産者物価指数)」をまとめました。
双方の数字ともに2023年は大幅に下落しましたが、(現在)下げ切らない状態が続いている状況であり、マーケットの利下げ開始時期の観測(憶測)は後退しています。
(現在)6月会合の利下げが濃厚とされており、今後も重要な米経済指標やFOMCは注意深く見ていく必要があります。
まずは3月の夏時間切り替わり時期まで、慎重なトレーディングや分析を継続していきます。
今週もよろしくお願いします。
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