2024年1月8日~1月12日
①(月)ドル安
NY連銀期待インフレ調査
1年先期待インフレ:前回3.4% 結果3.0%
3年先期待インフレ:前回3.0% 結果2.6%
5年先期待インフレ:前回2.7% 結果2.5%
>>金利低下のドル安
②(火)ドル高
米CPI前
材料がなくそこまで動かない状態
前日の流れを受けたが、CPI前ということで方向感が出ない
③(水)円安
勤労統計(速報値)
現金給与総額:予想+1.5% 結果+0.2%(前回+1.5%)
実質賃金:予想-2.0% 結果-3.0%(前回-2.3%)
上記の結果により、1月会合でのマイナス金利解除期待が後退
>>「春闘」後の4月会合が濃厚か
④(水)ユーロ高
シュナーベルECB専務理事発言
利下げの勝利宣言は時期尚早
>>ユーロクロス全般的に買われる
⑤(木)ドル高
経済指標
CPI前月比:予想+0.2% 結果+0.3% (前回+0.1%)
CPI前年比:予想+3.2% 結果+3.4% (前回+3.1%)
CPI前月比・コア:予想+0.3% 結果+0.3% (前回+0.3%)
CPI前年比・コア:予想+3.8% 結果+3.9% (前回+4.0%)
CPI前月比・スーパーコア(食品・エネルギー・住宅価格を除外):結果+0.41%
CPI前年比・スーパーコア(食品・エネルギー・住宅価格を除外):結果+4.09%
米新規失業保険申請件数:予想21.0万件 結果20.2万件(前回20.2万件→20.3万件)
継続受給者数:予想186.9万件 結果183.4万件(前回185.5万件→186.8万件)
>>結果が全てドル高要因
⑥(木)ドル安
債券の入札が好調
1月のFOMCでの利下げは織り込まれていた事
3月のFOMC時点での利下げ織り込みが拡大
>>米長期金利が低下
⑦(金)ドル安
経済指標
PPI前月比:予想+0.1% 結果-0.1% (前回±0.0%)
PPI前年比:予想+1.3% 結果+1.0% (前回+0.9%)
PPI前月比・コア:予想+0.2% 結果+0.0% (前回±0.0%)
PPI前年比・コア:予想+1.9% 結果+1.8% (前回+2.0%)
全てドル安要因
>>利下げ観測が更に強まる
⑧(金)米株価マチマチ
米大手銀行決算
米銀の決算がやや不調
米国が3連休前で持ち高調整の売りと利益確定の売り
米PPIでの上昇を消化して引ける
為替市況
年始よりドル円の値幅は5.5円(550pips)の上昇となります。
昨年末の米金利低下が一服し、巻き戻しが入ったような相場が続いておりますが、週後半は反落となりました。
今回は世界経済をリードする米経済の重要指標について解説します。
5日「雇用統計」
11日「米CPI(消費者物価指数)」
24/1/5 雇用統計非農業部門雇用者数:予想+17.0万人 結果+21.6万人 (前回+19.9万人→+17.3万人)
失業率:予想3.8% 結果3.7% (前回3.7%)
平均時給(前月比):予想0.3% 結果0.4% (前回0.4%)
平均時給(前年比):予想3.9% 結果4.1% (前回4.0%)
労働参加率:予想62.8% 結果62.5% (前回62.8%)
上記の強い数字を受け、発表直後は大きくドルは買われます。
その理由は、労働参加率以外の12月結果全てがドル高要素となる為です。雇用者数:予想を上回る(ドル高要因)
失業率:予想を下回る(ドル高要因)
時給:予想を上回る(ドル高要因)
そして発表直後は90pipsは動いたのではないでしょうか。
発表後より5分程度で下落していくことになります。
理由は以下2点だと考察しております。
2ヶ月(10、11月分)連続で雇用統計(過去分)の下方修正と労働参加率の低下
上記の修正がトリガーとなったか?(国債ショートポジションの利益確定)
①2ヶ月(10、11月分)連続で雇用統計の過去分の下方修正と労働参加率の低下
今回10月分と11月分の雇用者数が結構大幅に下方修正されました。
10月分:前回+33.6万人→+29.7万人
11月分:前回+19.9万人→+17.3万人
今回発表分(12月)は強い数字だったので直後は大きく買われましたが、2ヶ月連続で大きな下方修正があり、マーケット目線では「今回の数字もまた下方修正されるか?」などの解釈が入ったのかもしれません。
そして意外と知られていない「労働参加率が低下」したことも要因としてはありそうです。
これまで「62.8%」付近で推移しておりましたが、今回は【0.3%低下】となりました。
労働参加率とは、「働いている人+働きたいと思って求職活動している人」の合計。
②上記の修正がトリガーとなったか?国債ショートポジションの利益確定
国債ショートポジションの利益確定により、金利が大きく低下したのではないか?と推測しています。
チャートはドル円と少し似ていますが、
雇用統計の結果:「4.101%」まで上昇
雇用統計の内容に対しての憶測
(米国債ショートポジション)利益確定
ショートポジションの利益確定によるドル円下落要因の一つにしか過ぎませんが、、、
ヘッジファンド:先物で最大限米国債をショート
ファンドマネージャーである債券トレーダー:米国債のロング(金利が上がると見込んでショート目線に切り替え)
このショートポジションを雇用統計の結果をキッカケに利益確定を行い、金利が低下・ドル円が反落したという解釈ということです。
1/11 米CPI(消費者物価指数)前月比:予想+0.2% 結果+0.3% (前回+0.1%)
前年比:予想+3.2% 結果+3.4% (前回+3.1%)
前月比・コア:予想+0.3% 結果+0.3% (前回+0.3%)
前年比・コア:予想+3.8% 結果+3.9% (前回+4.0%)
前月比・スーパーコア(食品・エネルギー・住宅価格を除外):結果+0.41%
前年比・スーパーコア(食品・エネルギー・住宅価格を除外):結果+4.09%
上記の結果を受け、ドル買いが入りドル円は一時146.416円まで上昇します。
CPI総合:前回より上昇
コア:鈍化
総合は市場予想を大きく上回る結果となり、コアは鈍化しているものの市場予想以上の鈍化は無しといった結果内容です。
そして上記のグラフには無いですが、パウエルFRB議長が物価見通しの判断に最も重要であると注視しているスーパーコア(食品・エネルギー・住宅価格を除外)は、前年比+4.09%でした。
米国CPI総合はすべての品目を含むので下落しやすいですが、コアは食品とエネルギーと価格変動がおきやすい品目を除外した本来のサービス部分になりますので、なかなか落ちにくいのが現状です。
米国経済は製造業が15〜20%で、サービス業が80%ぐらいを占めていることが要因です。
上記の結果を見る限りは、総合的に今回のCPIに関しては強い結果だったと判断できます。
CPI内訳
総合の内訳は、エネルギーがやや上昇しているという所が大きいです。
エネルギーは、年率にて前回発表が-5.4から今回の発表では-2.0になっているので落ちてはいますが、直近では上昇していることもあり、総合のCPIに影響が出ました。
【エネルギー上昇=インフレ率を総合的に上げる】キッカケになります。
そしてコアの内訳は、影響が大きかったのはやはり「家賃」ではないでしょうか?
この家賃に関して、コアの30%を占めているのでここの変動はかなり影響が出ます。
年率では前回6.5から今回6.2になっているので、下落していることは数字で表れているのですが、(今回)前月比では0.4から0.5に上がっている事が確認できます。
家賃の数字は、約半年から1年前ほどの数字が反映されています。
その理由は、家を借りる再の契約は半年先~1年先までの契約になるので契約当時の数字が反映される為です。
(現在)米国内の家賃が下落している状況なので、半年~1年先の家賃の数字は鈍化する可能性も考えられますが、時間は要すると言われています。
まとめ
2024年は米大統領選挙を筆頭に「各国で選挙イヤー」と言われている年になり、相場が大きく動く可能性があります。
今回は5日の「雇用統計」11日の「米CPI(消費者物価指数)」についてまとめました。
相場へ大きな問題が発生しない限り、今週より稼働を予定にしております。
本年も皆様よろしくお願いします。
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