2023年8月21日~8月25日

上記日程の重要局面をまとめます。
 
①(月)ドル高

  • 米長期金利の高値更新

  1. 4.3518%

  2. 2007年11月の水準

  3. 高い金利が維持される予想

  4. ドル円146.380円付近まで上昇
    >>ジャクソンホール待ち相場
     
    ②(火)円高

  • 岸田総理と植田日銀総理が対談

  1. 円高に振れる

  2. 「特に為替に関しての議論はない」
    >>146.020円前後へ反発
     
    ③(水)欧州通貨安

  • 経済指標

  1. 仏PMI製造業:予想45.2 結果46.4(前回45.1)

  2. 仏PMIサービス業:予想47.6 結果46.7(前回47.1)

  3. 独PMI製造業:予想38.5 結果39.1(前回38.8)

  4. 独PMIサービス業:予想51.3 結果47.3(前回52.3)

  5. 欧PMI製造業:予想42.5 結果43.7(前回42.7)

  6. 欧PMIサービス業:予想50.4 結果48.3(前回50.9)

  7. 英PMI製造業:予想45.1 結果42.5(前回45.3)

  8. 英PMIサービス業:予想50.7 結果48.7(前回51.5)
     
    ④(水)ドル安

  • 経済指標

  1. 米PMI製造業:予想48.9 結果47.0(前回49.0)

  2. 米PMIサービス業:予想51.9 結果51.0(前回52.3)

  3. コンポジットPMI:予想51.7 結果50.4(前回52.0)

  4. 米長短金利が低下
    >>債券のポジション調整が入ったと想定
     
    ⑤(水)米株価高

  • エヌビディアの決算が好調

  1. 前年同期の67億ドルから135億1000万ドルに増加
    >>米3指数株高へ
     
    ⑥(木)ドル高

  • 債権の買い戻し

  1. 金利上昇の影響が強い
    >>米株価は3指数揃って下落
    ⑦(木)ドル高

  • 要人発言

  1. 金利はピークに近づいている

  2. 高い金利をしばらくキープする

  3. ジャクソンホールのパウエル氏の発言待ち
     
    ⑧(金)若干ドル安

  • 経済指標

  1. ミシガン大消費者信頼感指数:予想71.2 結果69.5(前回71.2)

  2. 1年先:予想3.3 結果3.5(前回3.4)

  3. 5年先:予想2.9 結果3.0(前回3.0)
    >>瞬間だけ若干ドル安だが発言が控えていることからあまり影響せず
     
    ⑨(金)ドル高

  • パウエル氏発言(ジャクソンホール会合)

  1. ややタカ派発言が続く

  2. 強い経済成長があることで高い金利継続

  3. 発表直後:株価やや下落

  4. 発表直後:米長期金利上昇
     
     

為替市況
為替市場は、おもにはジャクソンホール会議でのパウエル議長の発言待ちの1週間となりました。
 ドル円は2円(200pips)程のレンジとなり、年初来高値を更新中(146.620円)です。
 週初めから半ばは、パウエルFRB議長の発言待ちによる影響で大きなレンジとなり、乱高下とはなりませんでした。
 また発言の内容は「従来通り=ややタカ派」の予想通りという事で大きな上昇には至らずといった結果となりました。
 ではメイントピックスである「パウエルFRB議長の発言内容」についてまとめます。
 パウエルFRB議長の発言内容(ジャクソンホール)

パウエルFRB議長の発言内容は以下。

  • インフレがピークから低下してきたことは歓迎すべきだが依然として高すぎる

  • 適切なら、さらに利上げする用意がある

  • インフレ率が目標に向かって持続的に低下していると確信できるまで引き締め的な金利水準を政策を維持する

  • 今後の会合では、入ってくるデータ、進展する見通しとリスクを見極めながら、慎重に政策を進める

  • PCE総合が鈍化したのはよいニュースだが、食料品やエネルギーの影響が大きく、基調的な方向性を示すシグナルとして誤解を招きかねない

  • 6-7月のコアインフレの低下は、持続的な低下の確信度を高める始まりにすぎない

  • コア財インフレはコロナ前を大きく上回る

  • 住宅サービスインフレは低下し始めている

  • 住宅以外のサービスは低下してきた

  • 経済見通し見通し通りに冷え込んでいないかもしれない兆しに注意を払っている

  • インフレ率を持続的に2%にまで低下させるには、トレンド以下の経済成長と労働市場の軟化が必要

  • トレンド以上の成長が続くなら、インフレが強まるリスクがあり、金融引き締めはさらなる引き締めが正当化される

  • インフレ目標が2%であることは今後も変わらない

  • 実質金利は現在プラスで、中立的な政策金利を大きく上回っている。しかし中立金利を正確に特定することはできず、適切な政策金利のレベルには常に不確実性がある

  • 金融引き締めが経済に与える時間差や、インフレと労働市場の関係にも不確実性がある

  • 私たちは曇り空のもとで、星を頼りに航海している

  • 今後の会合で、データの全体像と進展する見通しとリスクに基づいて、状況を評価する。その評価に基づいて、さらに引き締めるか、政策金利を一定に保って、今後のデータを待つか、慎重に検討する(利下げは言及せず)
     
    上記の発言内容を受け、マーケットからは「ややタカ派」と結果的に捉えられ、ドル高という流れになっております。
     要約すると、Fed(FRB)目線ではインフレが鈍化していることを認識しているが、まだインフレは高い状況だとした上で「適切ならさらに利上げする用意がある」と発言しております。
     現在の米経済は好調で、この成長が続くようであればインフレが再燃してもおかしくないという認識なので、利下げに対しての言及をすることなく、とりあえずはまだインフレに対しての警戒感を見せている状況なので、ほぼほぼマーケットの想定内といった所でしょうか。
     マーケットの反応としては、【利上げが残り1回あるかないか?】という事に注目しておりますが、「利上げの可能性がある」という方向にシフトしております。
     
    マーケット予想を示す『FedWatch』より引用します。

  • 赤枠:「利上げ予想比率」

  • 緑枠:「利下げ予想比率」
    【(24日)FRB議長発言前】
    【(25日)FRB議長発言後】

ジャクソンホール会議のFRB議長の発言により、

  • 利上げ予想が増加(11月または12月の利上げ予想増加)

  • 利下げ時期が後退(来年5月から6月に後退)
    という予想結果になりました。
    ※この予想比率は、次回9月のFOMCまでの「雇用統計」や「CPI」の指標結果により、動く可能性がまだ十分にあります。
     ただしマーケット的には「期待していた程の動きには至らなかった」という印象だと推測されます。
     ジャクソンホールというイベントを波乱なく通過しましたが、現在の所は「インフレ率が目標に向かって持続的に低下していると確信できるまで、引き締め的な金利水準や政策を維持する」とのスタンスに変更はないといった発言内容となります。
     
     まとめ
    次回(9月)FOMCまでのスケジュールは以下になります。

  • 8/4:雇用統計(終了)

  • 8/10:CPI(終了)

  • 8/24-26:ジャクソンホール会議(終了)

  • 9/1:雇用統計

  • 9/13:CPI

  • 9/20:FOMC

8月発表の「雇用統計」と「CPI」と「ジャクソンホールでの発言」では、年内残り1回の利上げの可能性は高まっています。
 まだ次回9月のFOMCまでに「雇用統計」「CPI」が続きますので、そのデータもしっかり分析していく必要があります。
 
引き続きFEDの動きに注目していきます。
今週もよろしくお願いします。

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