2024年1月15日~1月19日
①(月)ドル高
日経平均株価36000円台突破
米国祝日で1円上昇
海外投資家の為替ヘッジによる「円売りドル買い」
>>ドル円上昇で145.947円付近
②(月)ユーロ高
要人発言
ナーゲル独連銀総裁:利下げの議論は時期尚早
ホルツマン中銀総裁:今年の利下げを見込むべきではない
>>利下げ予想が後退
③(火)ドル高
要人発言(ウォラーFRB議長)
以前ほど迅速に利下げをしたり急ぐ理由はない
利下げを開始した場合でも秩序だって慎重であるべき
インフレが再燃しなければ今年利下げが可能
持続可能な2%インフレの達成が射程圏内にあると確信
目標は近づいているが、確実にするためには今後数カ月以内にさらに詳しい情報が必要
利下げ時期と回数は今後のデータ次第
④(水)ポンド高
経済指標
英CPI前月比:予想+0.2% 結果+0.4%(前回-0.2%)
英CPI前年比:予想+3.8% 結果+4.0%(前回+3.9%)
英CPI前年比・コア:予想+4.9% 結果+5.2%(前回+5.1%)
一旦CPIの下落は下げ止まった
>>ポンド円:225pips(2.2円)上昇
⑤(水)ユーロ高
要人発言(ラガルドECB総裁)
市場についてはコメントしない
インフレはECBが望む水準にない
過度に楽観的な市場はECBのインフレとの闘いを支援しない
まだインフレに勝利していない
夏までに利下げする可能性
>>ユーロ円:132pips(1.3円)上昇
⑥(水)ドル高
経済指標
前月比:予想+0.4% 結果+0.6%(前回+0.3%)
前月比・コア:予想+0.2% 結果+0.4%(前回+0.2%)
利下げ観測が後退(利下げの割合が50%)
⑦(木)ドル安
経済指標
新規失業保険申請件数:予想20.7万件 結果18.7万件(前回20.2万件→20.3万件)
継続受給者数:予想184.4万件 結果180.6万件(前回183.4万件→183.2万件)
住宅着工件数:予想142.5万件 結果146.0万件(前回156.0万件→152.5万件)
建設許可件数:予想147.6万件 結果149.5万件(前回146.0万件→146.7万件)
軒並み強い数字
株価は堅調
⑧(木)株価堅調
人工知能(AI)ブーム
金利上昇だったが、株価が上昇
ナスダック100:終値で過去最高値を更新
⑨(金)ポンド安
経済指標
小売売上高・前月比:予想-0.4% 結果-3.2%(前回1.3%→1.4%)
小売売上高・前月比:予想1.0% 結果-2.4%(前回0.1%→0.2%)
小売売上高・コア前月比:予想-0.8% 結果-3.3%(前回1.3%→1.5%)
小売売上高・コア前年比:予想1.3% 結果-2.1%(前回0.3%→0.5%)
⑩(金)ドルマチマチ
経済指標
ミシガン大学消費者信頼感指数:予想70.1 結果78.8(前回69.7)
1年期待インフレ:予想3.1% 結果2.9%(前回3.1%)
5-10年期待インフレ:予想3.0% 結果2.8%(前回2.9%)
>>S&P500・NYダウ:史上最高値更新
為替市況
先週の為替市場にて、ドル円の値幅は3.8円(387pips)となり大幅な上昇となりました。
日経平均(バブル後最高値)・米株価(最高値更新)をしたことで話題になっておりますが、クロス円は日経平均株価の上昇・新NISAの米株需要がキッカケではないか?と言われています。
今回のメイントピックスは、「年始からドル円8円(800pips)上昇の背景」についてまとめます。
年始より|ドル円8円上昇の背景
日米の金利差は従来より乖離していないが、短期間でドル円が8円上昇した背景は以下3点だと考察しています。
FRB、日銀の金融政策
日経平均株価の上昇
新NISAの米株需要
まずは、FRBと日銀の金融政策(方針)とタイミングになります。
(昨年12月時点)FRBの利下げ時期は「3月」と予想されていました。
そして金利低下と共に、ドル円相場が一気に下落する(市場の織り込み)が発生しておりました。
しかし2024年の相場がOPENしてから前回の週報でも掲載した通り、重要な経済指標(雇用統計、小売、CPI)など軒並み強い数字が続きました。
マーケットの75%以上が3月利下げすると予想していた中で、現在は46.2%(3月に利下げ予想)という状況です。
FRB目線では、経済が悪化する可能性があるので利下げを実施するという考えもありますが、(経済指標の結果より)経済が順調であるならばインフレ率が完全に元の水準にまで戻ってきているがとは言えない状況の為、早期の利下げをする必要は無い。という事になります。
そして日銀に関して、マーケットは24年1月の日銀会合で「マイナス金利解除があるのではないか?」と予想されていましたが、元旦に発生した能登半島地震により金利解除時期を遅らせる必要がある。とマーケットは見立てています。
そしてマイナス金利解除が実施される有力な時期としては、「春闘」が終わってからの4月会合ではないか?と見込まれている状況です。
上記より、「日米の金利差」は若干ではありますが、「乖離した」ということで今回のドル円上昇の背景に繋がっています。
(現在)日経平均株価の上昇(36259円)により、ドル円が連れ高となり上昇している状態です。
ではどの層が日経平均株価(インデックスファンド)を買っているのか?というと主には「海外投資家」になります。
海外投資家は、1月第2週に現物で9557億円の買い越しをしている状況です。
ではなぜ海外投資家が日経平均株価(インデックスファンド)を買うと、ドル円が上昇しやすいのか?というと、海外投資家の「為替ヘッジ」が関係してきます。
(外貨→円)一般的に海外投資家は、日本株に投資をする際に手持ちの外貨を円に換えて投資をします。
(円→外貨)それと同時に(将来)円を売って外貨を買い戻すための「為替予約」を同時に契約するケースがあります。
低金利通貨の円を対ドルで売却する為替予約を行うと、日米金利差に相当する収益を「市場リスクほぼなし」で受け取ることができる為です。
為替をフルヘッジした日本株買いは、海外投資家目線では「2度おいしい取引」というわけです。
このような「日本株買い」と「円売りドル買い」を組み合わせた取引を、(現在)海外投資家は実施している状況なので今回のドル円が連れ高になっているという訳です。
ちなみにこれだけ、海外投資家が日経平均株価(インデックスファンド)を買い越している理由は日本円の割安感ですが、「新NISA」への日本株流入を見越しての影響もあるようです。
ただ、日本の個人投資家は「S&P500と全世界株式(オルカン)」が8割を占めている状態で、どちらかというと日本株を売り越しているようです。
要するに先週時点では、
海外投資家:日経平均を「買い越し」
個人投資家:日本株を「売り越し」
という構図になります。
新NISAでの資金流入が80%を超えている2つの投資信託は以下になります。
eMAXIS Slim 全世界株(オルカン)
eMAXIS Slim S&P500
(1月18日時点)5449億円の資金が流入しております。
この米国株需要がドル円の上昇を促しているとも考えられます。
要するに【日本人投資家の米株買い】は、「円売りドル買い」後に【米株を買う】という構図になります。
つまり、ドル円は上昇につながるという背景になります。
まとめ
今回のメイントピックスは、「年始からドル円8円(800pips)上昇の背景」についてまとめます。
この「ドル高・株高」がいつまで続くか?注目されていますが、NYダウ・S&P500は史上最高値を更新している状況です。
現在の株式市場は、かなり一方的な相場状況になってるので「一部警戒感」は必要です。
今週から来週にかけて、各国の政策金利発表が続きます。
引き続き慎重に分析していきます。今週もよろしくお願いします。
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