Twitterショック

 イーロン・マスク氏の方針により、2023年7月初め頃からツイッターに閲覧制限が掛けられました。 これによって、市井からは「10分くらいで制限にかかってしまい使い物にならない」「世間の状況が分からない」「企業の情報発信がままならない」「自治体の情報発信が難しくなった」などの声が上がっています(日テレ「news zero」などより)。

 しかし、私みたいな「低浮上アカウント」からしてみれば、「今までさんざんタダで使い倒して何年もの間それで利益を得てきたくせに、今更何を言っているんだ」という思いがあります。
 上記のようなボヤキを発している方々は、今まで1度でも、ツイッターのサーバーや回線設備に課金したことがあるのでしょうか。
 まるで空気のように、あるいは自らが所有する奴隷のように、「使えて当然」な自然の権利だと思い込んで、好きなようにタダでこき使い続けてきただけではありませんか。

 それが急に使えなくなったから文句を言うなど、「ちゃんちゃら可笑しい」のです。

 もう充分でしょう。 タダで拡散してもらって、タダで知名度をもらって、それで仕事をしてきたのに、ツイッターへは1円も落とさず、感謝の一言すら無く、何年も過ごしてきたのですから。

 インターネット・サービスを構築して運営した経験を持つ人、というのは世間一般から見ればきわめて少ないですが、そういうスキルと経験を持つ人から見れば、ツイッターの閲覧制限は大いに理解できるのではないでしょうか。

 世界中から無料で24時間365日いつでも無停止で投稿され閲覧され続けるネットサービスを構築し安定運営するのは、技術的にも金銭的にも並大抵のことではありません。 他にも Facebook や Instagram など、ワールドワイドな SNS はいろいろありますが、そのどれもが、多数の技術者の努力と、経営者の尽力によって成り立っているものです。

 特に自治体は、まるで自分達の公器であるかのようにツイッターなどの SNS をタダで使い続けてきましたが、本来、自治体や国家は「自らの所有する手段」で、市民に情報公開すべきですし、そうした場合にどれほどの血税を投入しなければならないのかを試算してみれば、ツイッターから今までどれほどの搾取をし続けてきたか、骨身に沁みて分かるのではないでしょうか。

 そもそもの話、1私企業が運営する SNS に、「社会の公器」や「社会のインフラ」のような役目を負わせる事自体、無理があります。 また、そうする事によって、情報拡散が歪められるであろう危険性も、散々指摘されてきたはずです。

 「news zero」は、イーロン・マスク氏の意図を「情報は無料ではない」と解釈していました。 その解釈が正しいかどうか、私には分かりませんが、今まで何年もの間、あまりにも多くの人々が、ネットサービスを「有って当然だしタダで当たり前」と思い続けていたのは確かでしょう。

 そんな乱暴きわまりない意識は改善されるべきだと私は思いますし、若い人達が小さな子供の頃からそういう意識を持たせてきたのは大人の怠慢であった……とも思うのです。
(了)

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