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湖南市選挙解説・秋の陣(その1)

 どうも。去年の4月から1年半が経とうとしています。お久しぶりの湖南市選挙解説です。
 前回は統一地方選挙をたまたまウォッチしていたら、滋賀県議会議員湖南市選挙区の選挙に出くわしてしまい、大きな地殻変動が起きたということをリアルタイムでお伝えしてきました。
 今回は、湖南市長選挙とそれと同時に執行される湖南市議会議員補欠選挙をみなさんとともに観察していきたいと思います。両選挙は10月20日告示、10月27日投開票の日程が湖南市選挙管理委員会から発表されています。また、市議会議員補欠選挙は現在のところ欠員3ですので、3議席を争っての選挙となります。

 本日は湖南市政にとっての大きなイベントが3つありました。ひとつは市議会9月定例会が9時30分から開議され最終日を迎えたこと。二つ目は市長選挙立候補予定者説明会が10時から開かれたこと、三つ目は湖南市議会議員補欠選挙の立候補予定者説明会が14時から行われたことでした。

湖南市議会本会議最終日

 湖南市議会本会議では、条例の制定改廃5件、予算5件、決算8件、その他1件が議決または認定されました。その後、生田邦夫市長の閉会あいさつに注目が集まりました。生田市長は4年の任期を迎えるにあたり、「残された課題も山積しており、これらをどのように解決していくべきか、私の任期はもう少しだけございますので、熟慮したいと考えております。特に、今年転倒しまして、骨折してからみなさまにご迷惑をお掛けして、助けていただいております。申し訳ございません。次の方にお願いして引っ込むべきが筋でありますが、現在熟慮をしております」とだけ述べました。

生田湖南市長閉会あいさつ

 普段はほとんど誰もいない報道席に本日はたくさんマスコミが来ており、市長あいさつで本会議が閉会したあと、当然ながら生田市長を囲んでぶら下がり会見となりました。しかし、生田市長は「ノーコメント」とその場を制して何も語りませんでした。

湖南市長選挙立候補予定者説明会

 市議会本会議が始まって30分経った頃、市役所大会議室では湖南市長選挙立候補予定者説明会が開かれました。出席陣営は5陣営でした。現職生田市長陣営、その対抗馬として名乗りを上げている藤川みゆき元市議陣営、さらに菅沼利紀県議陣営、藤川元市議が「対抗馬を立てるのにうろうろしている」と指摘していた「立憲系の議員など」陣営、そして「東庁舎建て替え問題と湖南市政を考える会」系陣営です。
 そのうち、現職生田市長陣営と菅沼県議陣営は同じ自民党なので一体化し、結局は4陣営の参加となりました。この一体化の理由はその直前まで水面下で物凄い火花を散らして戦われていた闘争にひとつの決着がついたことによるものです。もしかしたらまだ火種は残っているかもしれません。
 4陣営のうち、生田市長陣営と藤川元市議陣営はもともと同じ陣営で、去年4月の県議会議員選挙では藤川元市議の夫が生田市長の支援のもと出馬して残念ながら落選したことはすでにお伝えしました。また、「立憲系の議員など」陣営も県議会議員選挙後は当時の藤川市議らとともに「会派きずな」という自民党も立憲民主党も一緒くたになった巨大会派を作っていました。さらには「東庁舎建て替え問題と湖南市政を考える会」系陣営は4年前の市長選挙の前後ではこれらの動きと連携して全体として野合をしていたので、今回はその野合が4分裂したという格好になっています。
 このうち、「東庁舎建て替え問題と湖南市政を考える会」系陣営は後述する市議会議員補欠選挙に注力するため、恐らく候補者は擁立しないでしょう。「立憲系の議員など」陣営は「対抗馬を立てるのにうろうろして」いますが、ここにも前述の水面下での火花を散らす闘争の余波が届き、関係者は苦虫を噛み潰しています。その結果、「現在熟慮をしております」という生田市長と「ハンパない覚悟でド真剣に腹をくくっ」ている藤川元市議の一騎打ちの様相を呈してきました。
 藤川元市議は「藤川みゆきの乱」と表現していますが、夫の選挙の際に全面的に支援していた生田市長に対して公然と反旗を翻しました。今年6月19日の湖南市議会6月定例会4日目一般質問当日朝の京都新聞は藤川市議の市長選出馬意向を1面で報じました。藤川市議はその日の最後の一般質問登壇者でしたが、現職の生田市長の心を大きく揺さぶったことでしょう。藤川市議は7月22日には議員辞職しています。そういえば、公然と反旗を翻す「乱」に対して、内部でクーデターを起こす「変」もありますが、水面下で火花を散らしていた「変」は鎮圧された状況になっています。

4分裂した「チェンジこなん」

湖南市議会議員補欠選挙立候補予定者説明会

 午後になり、湖南市役所大会議室では14時から湖南市議会議員補欠選挙立候補予定者説明会が行われました。これは欠員3を埋めるために市長選挙に合わせて実施されるものです。この欠員3は菅沼利紀市議と柴田栄一市議が県議転出のため辞職したのと、藤川市議が市長選挑戦のために辞職したことに伴うものです。実はこの定数3の説明会に対して、本日は9陣営もの大勢が出席しました。
 小林義典、坂田政富、澤田厚、曽我部一帆、高畠信也、高木慎也、立入善治、寺元正幸、山田秀樹各氏の9陣営です。このうち、元市議は小林、坂田、立入、寺元各氏の4人で、他に曽我部氏が湖南市議会議員選挙に出馬したことがあります。党派別で見てみると、自民系が小林、曽我部両氏、維新系が澤田氏、共産系が立入氏となります。
 後述するとしていた「東庁舎建て替え問題と湖南市政を考える会」系陣営からは坂田氏と寺元氏が予定をしているようですが、耐震度が極めて低い市役所庁舎を建て替えてはいけないと7、8年主張し続けている陣営となります。今、庁舎建て替えの推進を主張している立候補予定者たちも4年前に着工直前となっていた建設計画を反故にしているので、「考える会」の主張にどうやって抗うのかが争点となりそうです。

湖南市議会本会議

 実は現在、自民党総裁選と立憲民主党代表選が進んでいますが、自民党総裁選が終わると衆議院の解散総選挙が政治日程に上がってきます。10月1日臨時国会召集、首班指名のあと施政方針演説と代表質問を終えて最速で9日か10日に解散があると、ちょうど湖南市長選挙と湖南市議会議員補欠選挙の投票日27日が衆議院議員総選挙の投開票日に重なります。
 湖南市民のみなさんが政治にしっかりと向き合うことのできるまたとないチャンスになるでしょう。一市民がこたつ記事としてまとめましたが、私的な分析でもありますので、情報があればぜひお寄せいただきたいと思います。


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