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ノッポさん:語らないメッセージ

昨年の秋に高見のっぽさんが亡くなっていた。

「語らない」という表現の人、ノッポさん。
その人生の終わりも人に知らすことなく逝っていたとは、、。

深夜にNHKで追悼番組として「できるかな」の何話分かが放送されたらしい。
NHK+では5/21(日)まで#ノッポさんありがとうと題して、4本の番組を放送している。

それらを全部観てみた。

「できるかな」の最終回でノッポさんが初めてしゃべったのは有名だけど、その回に「変身」というタイトルがついていたのは初めて知った。

最終回はノッポさんがいつもの工作で色んな人々に「変身」する内容だった。

確かに、子供の成長にとっての「変身」って普遍的なテーマだ。

幼少期はプリキュアやウルトラマンなど変身ヒロイン、変身ヒーローに憧れ、いずれは「変身」していく自分の身体と精神に戸惑ったりする。

人や物事の見え方は、ある日ある時、急に変わったり、変えられたりする。

「変身」は子供たちへの信頼と、願いがこもったテーマだ。

こんな強いメッセージをエンターテイメントの裏側に据えて表に見せないのは「語らない」ノッポさんらしいと言えるのかもしれない。


以下は生前の「語る」ノッポさんの姿だ。



子供たちへの真摯な対応の底に自身の親子関係や、戦争体験があったのは興味深い。

戦争の体験者ほど、戦争を語りたくないというのはよく聞く。

「語らない」ノッポさんを作ったのはそんな原体験からと考えるのはこじつけ過ぎるかもしれないが、、。

そして子供たちとの語り方を話すノッポさん。

子供たちの「語らない」言葉を聞き取りなさい、と言っているように僕には聞こえるのだが、、、。


細身の長身で、いつも品と色気のある振る舞いだったノッポさん。
ノッポさんの「語らない」メッセージに耳を傾けたい。


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