倶利伽羅

きれいごとしか書かないnoterは目指しません

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最近の記事

まほうのことば

挨拶代わりで「おつかれ」「お疲れ様」という言葉をよく目にする、よく聞く、よく使う。 しかし、考えてみると変な使い方なのではないだろうか。 まだ何もしていないのに会ったタイミングで「お疲れ~」と言われ、LINEで何か頼み事をしようと冒頭にいきなり「お疲れ様です」と書かれ…、こちらはまだ何も疲れるようなことはしていないけど…?となる。 大学に入った当初を思い返してみると、挨拶代わりに使用されていることに違和感を感じた覚えがある。高校時代までそんな使い方はしてこなかった。 だが

    • 回り道

      終着 上野駅に着いた。 在来線ホームに立つと駅の放送が鳴り止まない。次の電車の行先はどこだの、何両で来るだの、停車駅はどこだの、お節介と思えるほど丁寧に放送が繰り返されており、発車メロディが鳴り止むことはない。 正直うるさい。この不必要なうるささを聞くと東京に来たことを実感する。 山手線は現実に引き戻される感覚を覚えるので、山手線と併走する"上野東京ライン"にあえて乗る。有効長15両の途轍もなく長いホームをひたすら歩き、誰もいないホームの端っこで電車を待つ。上野駅はせ

      • 帰省に季節などない

        「年末年始の帰省ラッシュは今日がピークを迎え、東海道新幹線『のぞみ号』の指定席は終日満席に…」と伝えるニュースキャスター。 「年末年始は帰省しておじいちゃんおばあちゃんに会いに行きます」とテレビのインタビューに答える子どもたち。 ーーーーーーーーーーーー 「帰省ラッシュ」という言葉がある。 5月の大型連休、8月のお盆、そして現在進行中の12-1月の年末年始である。 私はこの言葉に違和感を抱いてきた。 なぜみんな揃って帰省するのか。 帰りたい時に帰ればいいじゃないかと

        • 或る朝

          朝5時。 今日はやけに早く目が覚めた。 というか昨夜21時に寝たから早起きして当然である。 寒くて布団から出るのが億劫にはなり始める季節。 窓を開けると外はもはや冬の様相。まだ夜は明けていない。 澄んだ空気が部屋に入り込み、急いで窓の口を閉じる。 今日も朝からバイトだ。 でもいくつかある出勤の中で一番遅い出勤。朝6時に出れば十分。あと1時間猶予がある。 1時間何をしよう。 昨夜眠くて何も出来なかった分をやろうかな。 いやでも、今急いでやるべきことは無いし、やる気は起き

        まほうのことば

          北海道

          私は今、太平洋の上にいる。 北海道苫小牧から茨城県大洗へ、約19時間かけてゆく「商船三井フェリー さんふらわあ」である。北海道に1週間滞在した後、帰路の最中だ。 ・ 私はこれまでの人生約21年間の中で8回北海道に行った。 北海道には“独特の魅力”がある。 その魅力の一つに、つい7年前まで多数運行されていた札幌行の“寝台列車”がある。 上野-札幌を結んでいた「北斗星」「カシオペア」。乗ったのは、今から15年前の小1の冬のこと。あまりにも暖房が効き過ぎて部屋が暑かったの

          「時間で金を買う」ということ

          私は今、日本海の上にいる。 福井県敦賀から北海道苫小牧へ、途中新潟と秋田に寄りながら1日と7時間15分かけてゆく「新日本海フェリー」。日本でも屈指の長距離・長時間航路である。 関西から北海道へ行く際、関空、伊丹、神戸空港のいずれかから飛行機で新千歳、あるいは道内各地の空港を目指すというのが一般的である。 フェリーは時間がかかるし、早めに飛行機を予約した場合はLCCの方が安くなることもある(その場合、飛行機は予約変更不可という大きな制約があるのだが)。 そんな移動手段とし

          「時間で金を買う」ということ