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風刺画④ 中国的本音

皆さんこんにちは💛

ナイスチャレンジひがです💛

このところあるプロジェクトの進行で投稿頻度が減少し、モヤモヤしているこの頃です💦

本日は、中国出身の「激辛トウガラシ」こと王立銘 氏の風刺画を紹介いたします。


作者

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王立銘(おう りつめい)

(1973年 - )

アメリカ在住の風刺漫画家。ペンネームは「變態辣椒」(ビエンタイラージャオ、激辛唐辛子の意味)。新疆ウイグル自治区出身。
祖籍は河北省。文化大革命により上海から新疆ウイグル自治区に下放されていた両親のもとで生まれた。文化大革命終了後、上海へ戻る。
日本の化粧品や家電製品のネット販売を手掛ける傍ら、2009年から微博などのウェブサイト上で時事問題に関する風刺漫画を発表し、世間の関心を集めた。2013年10月、政治警察である国内安全保衛部(国保)に「乱闘を起こした容疑」で召喚。2014年に香港の中国から動員された親中派によるデモを揶揄する漫画を掲載して以降、中国当局による弾圧が強まる。
2014年5月、妻とともに商用で日本を訪問していた当時、政府系メディア人民網が名指しで「變態辣椒は親日媚日の売国奴」であると批判する文章を掲載し、環球時報など複数のメディアに転載された、淘宝網のショッピングサイトの自身のページは閉鎖、微博のアカウントも削除された。身の危険を感じた王夫妻は帰国を断念。
在日中は埼玉大学の研究員として滞在する傍ら、日本語版でコラムを連載し、漫画執筆活動も継続している。2017年5月にアメリカへ移住。


作品

①中国軍事パレードが本当ににらみを利かせる相手は?

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国慶節(建国記念日)以外で大規模な軍事パレードを行うのは初めてであり、さらに極めて大きい政治的な意義がある、とぶちあげた。

「中国の軍事力を世界に示す」「国民に自信と誇りをもたせる」「腐敗分子に向けて、司法機関以外にも解放軍という『刀』が人民の手の中にあることを示す」という目的を挙げている。

共産党の軍隊は決して国家の軍隊でなく、共産党が党の軍隊に対する指揮権を手放さない。

中国では、深刻な大気汚染を告発したジャーナリストの映像ドキュメンタリー作品がネットで公開禁止になるなど、国民の自由への締め付けが続く。軍事パレードの最大の目的は、日本よりむしろ13億人の国民ににらみを利かせることにあるのかもしれない。

軍事パレードでの兵士たちの高らかな靴音は、中国の大地を大きく震わせるだろう。地震が頻繁に起きる島国の上に生きる日本人は、これにどう反応するのか。


②中国人が大騒ぎする「安倍晋三の祖父の軍刀」問題

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中国メディアのある文章が中国人読者たちの目をひきつけた。

この軍刀は、北京市内の高校で今月開かれた抗日戦争勝利70周年記念展の中で展示されたものだ。

展示されたのは、岸のほか伊藤博文、東条英機などの軍刀108本。岸信介のものとされる軍刀にはいわゆる春画が刻まれており、共産党系メディアはこれを大いに笑いものにした。

たくさんのブログもこういった官製メディアの記事を転載して、岸と軍刀を嘲笑した。


③中国の新銀行に魅了された世界を待つ「未来」

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中国政府が設立を提案したアジア投資インフラ銀行(AIIB)は、全世界で大きな反響を巻き起こした。

51カ国が参加を表明しているが(台湾、香港を入れると53の国と地域)、その中にはイギリスやフランス、ドイツ、イタリア、さらに韓国といったアメリカの同盟国も含まれる。

アメリカの猛烈な反対にもかかわらず、AIIBに加盟申請したのはこれらの国だけでない。今やアメリカと共に踏みとどまっているのは日本だけだ。

経済的メリットだけに気を取られ、その設立提案国である中国とその他の世界の間に存在する大きな価値観の違い、そして中国の抱える様々な矛盾を無視してこの強権国家の側に立つことは、共産党政権の正統性を強化し、その寿命を長らえ、民主化の実現を遠ざけるだけだ。


④人権派弁護士を迫害する共産党の「自己矛盾」

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中国の有名弁護士である浦志強は、89年の天安門事件で広場でのハンストに参加した1人。

彼はかつて、さまざまな事件の調査に参加し、何度も中国の警察に逮捕された。去年の天安門事件記念日の1カ月前の夜、25周年を迎えた事件の検討会に参加して再度逮捕されたが、共産党政府は彼に当てはめることのできるぴったりの罪名を見つけるため、再三にわたって起訴を延期し、1年後になって北京市人民検察院がようやく、マイクロブログの微博で民族間の恨みを煽り、他人を侮辱し、社会秩序を破壊したという罪名で彼を起訴した。


⑤長江フェリー沈没事故で消されたマイナス報道

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今回、長江でフェリー沈没事故が発生した後、共産党政府はいつも通りの手慣れたやり口を繰り出した。

中央宣伝部が限られた中央メディア以外の各省・市レベルの取材と報道を一律禁止/事故現場への道に検問所を設け、乗客の家族や記者が近づくのを禁止/現場に着いた家族はバラバラに分けられたうえで監視され、外に出る時は尾行が付き、家族同士が連携を取ったり、外国メディアと接触するのも禁止......。


⑥キリスト教を弾圧する「現代のローマ帝国」共産党を待つ未来

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中国浙江省で1年余り続く大規模な十字架の破壊活動についてのものだ。

温州市のシンボル的建築物である有名な三江教会は4月28日、「違法建築」を理由に夏の命令で強制撤去されたが、それ以前から浙江省のほかの地域で教会の十字架を破壊する活動は続いていた。

三江教会が壊された後、大規模な十字架破壊活動は本格化。キリスト教徒たちは一貫して抵抗したが、多くの信者が十字架を守ろうとして警察に打ちのめされた。


⑦軍事パレード直前に爆発事故が続く中国の皮肉

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北京で抗日戦争と反ファシスト戦争勝利70周年を記念した軍事パレードが行われるが、今回のパレードはまったく普通ではない。

パレードを極めて重要視している共産党政府は、当日の北京を青空と白い雲の好天にするため、北京市と天津市、河北省、山西省、内モンゴル自治区、河南省と山東省の7省・直轄市の1万を超える工場に生産停止・生産制限を命じ、9000余りの工事現場の工事を停止させた。

農家の「かま」での煮炊きによる排煙すら禁じた場所もある。北京市ではナンバーに基づく車両の通行制限も続く。

共産党政府は治安維持にも相当敏感になっていて、地下鉄では最高レベルの警戒を実施。公衆トイレに行くにも実名登録が必要になった。百万人近いボランティアを治安要員として動員されているが、あきれることに事前に決まっていたかなりの数の文芸イベントや新書の発表会、展覧会までが中止に追い込まれた。


⑧「落第」習近平を待つアメリカの評価

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中国国内で、習近平は反汚職キャンペーンという「金棒」で政敵を叩き潰すだけでなく、党中央に新設した「財政経済指導小組」など10数個の小組トップを自ら兼務。

政府機構は骨抜きになり、7人の政治局常務委員による協力と分担は彼の独断に取って代わられた。

「法治」も落第だ。

浦志強弁護士や高瑜記者の逮捕など人権活動家に対する弾圧が加速しており、7月にはさらに大規模な弁護士拘束事件も発生。

多くの人たちがいまだに釈放されていない。習近平の反汚職キャンペーンは法的手続きをまったく無視して続いており、腐敗幹部に対して共産党は「家法」である「双規(編集部注:共産党内部で法律に基づかず人身の自由を制限し、隔離・審査する制度)」を使って捜査・拘束を続けている。

そして反汚職キャンペーンでは「大トラ」も「小バエ」も摘発されているが、決してこの国の本当の統治者である「赤い家族」の後継者たちには及んでいない。


⑨中国は世界最大の「人質国家」

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有名な現代アーティストのアイ・ウェイウェイが新たにパスポートを取得し、4年をかけてついに出国の自由を獲得した。

習近平のアメリカ訪問を前に、有名な学者で政府に批判的な郭玉閃も1年近く拘束された後に保釈された。これとほぼ同時に、アメリカは中国が「赤い指名手配」を出して追っていた汚職官僚1人を中国に送還した。

習近平のアメリカ訪問は、中国メディアが現在最も注目するニュースだ。

習近平をめぐる各種記事の中でも興味深い視点は、現在の中国共産党が「人質外交」を行っている、というもの。

米ソ冷戦の時代、国境付近で両国の情報要員がスパイを交換するシーンがよく映画で描かれたが、現在、米中の間で釈放されるのはすべて中国人だ。


⑩「TPPの湯」に入れない中国の自業自得

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中国経済の飛躍は2001年のWTO(世界貿易機関)加盟後に始まった。時のアメリカ大統領ビル・クリントンは連邦議会の議員を説得するため、こう語ったものだ。

曰く、中国のWTO加盟を助けることは中国経済の開放だけでなく、人権問題の改善と政治の自由化に役立つと。

当時、中国の首相だった朱鎔基はWTO加盟のためさまざまな約束を承諾したが、その実共産党は約束を果たすつもりはさらさらなかった。朱鎔基はその著書『朱鎔基講話実録』の中で、WTO加盟4カ月後の講演で地方官僚に対して、外国勢力による西洋化と中国の分裂の企てを防ぐよう注意喚起していたことを明かしている。

中国はWTOに加盟して15年、その利益を享受し尽くす一方で、規則を守る態度を示してこなかった。

中国の加入後WTOの訴訟件数は急増したが、その大多数は中国が原因で引き起こされたものだ。WTOには厳しい罰則規定がないという構造欠陥がある。

規則に違反しても一時的に違反行為をやめればペナルティを科されず、賠償金額もさかのぼって算定されることはない。徹底してルールを守らず自由を謳歌する中国の態度は、信用を守ることを何より重視する国をあきれさせた。


⑪ドタバタ国民党を蹴散らす?台湾の3匹の子ブタ

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2011年に私は台湾の新聞「旺報」のウェブサイトで漫画コラムの連載を始めた。当時、台湾ニュースを理解するためほとんど毎日台湾のテレビを見ていたが、ちょうど12年の初めは台湾総統選挙が行われる時期で、そのすべてのプロセスを関心を持って見守った。

この総統選挙は国民党の馬英九と民進党の蔡英文が僅差で競り合い、最後は馬が得票率51・60%で得票率45・63%の蔡を振りきったが、敗戦を受けた蔡の演説は素晴らしかった。

「台湾は反対の声が必要だし、チェック・アンド・バランスをする勢力も必要だ」と、彼女は語った。この話は私だけでなく多くの中国人を感動させ、台湾の民主主義へのあこがれが日に日に高まった。

中国共産党の「勝てば官軍、負ければ賊軍」式の残酷な権力闘争と比べれば、敗れたとはいえ蔡には尊厳もあった。


⑫歴史的な中台会談で台湾国旗は翻るのか

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習近平も馬英九も共に「1つの中国」を前提にしているが、馬英九は「1つの中国が何を意味するのかは、各自が述べ合う」という立場を堅持している。

しかし習近平にとって「1つの中国」は中華人民共和国で、これに妥協の余地はない。

馬英九は「馬習会談」によって歴史的人物となり、さらに会談を台湾の選挙に利用しようとしているが、共産党に対して警戒心を抱く一部の台湾の人々はこれを受け入れないだろう。

人民解放軍は1200発のミサイルで台湾を狙い、共産党はここ数年来、経済や政治、メディアなどの各方面で台湾への浸透を図っているが、この結果、台湾の人々にかえって強烈な反発意識が生まれた。これも来年の総統選で民進党が勝つという予想が広がる原因だ。

習近平にとって会談はこの上なくすばらしい出来事だ。

国内メディアに「統一」の大合唱をさせることができるし、彼の人気も上がる。馬英九にとっては、共産党の指導者と絶対に会わないと誓った11年の約束を裏切ることになるが、49年の国民党の台湾撤退と共産党の大陸統一以来、初の中台会談で歴史に名を残すことができる。


2020年コロナに始まり、アメリカ大統領の混乱を目撃し、世界の混迷に岐路に立たされている我々。

王立銘の過去の風刺画から現在の混乱の一端を感じられるのではないだろうか?

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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