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台風とC100

コミケは前回も参戦しているので、今回は台風に焦点を当てて話そうと思う。

前回のあらすじ

前日(8月12日)はコミケに参加するため、東海道線を乗り継いで京都から東京へ向かった。途中、浜松で鰻丼を堪能し、大鉄で親しみのある車両に再会しながら東京へ向かった。

8月13日(土)

この日はコミケ当日。しかし、この日は台風に振り回された一日でもあった。
朝起きてテレビをつけると、今晩東海・関東地方に最も接近すると報じている。しかし、宿を出た7時半時点では、まだ雨は降っていない。
地下鉄に乗り、新橋駅でゆりかもめに乗り換える。車窓からは、青空が広がっている。台風とは縁遠いようだが、他方この晴れ間を見るのもこれが最後かもしれないな、とも思った。

FFで主催者のことかそ氏と合流し、1つの車輪が失われた壊れかけのキャリーケースを引きずりながら、炎天の下、会場を目指す。

ブースに到着後、キャリーケースを展開し、設営をする。
しかし、台風のことが、時折頭をよぎる。なぜここまで気にするのか。
一つ目は、明日の早朝にバイトがあるから。そして二つ目は、帰りの新幹線に「ぷらっとこだま」を利用してため、乗車変更ができないから。つまり、あすの朝6時までには京都に帰らないといけないが、新幹線が動くか分からない。しかも乗車変更ができないので、接近する前に帰ることもできない。まったく自己都合である。

それでも、コミケに没頭すれば、そんな心配事も忘れることができる。
それに今回は、前回よりも金銭的余裕がある。なぜなら、バイトをしているからだ。
せっかくのコミケだし、よさげなものは買いながらいろいろ巡り、思う存分に楽しんだ。

弊サークル「水色鉄道部」
よろしくお願いします
前回より人数規制が緩くなり、人流も多くなった。
しかし、コロナ前を知っている人によると、まだまだ少ないらしい。

しかし、コミケが終われば、現実に振り戻される。
そう感じたのは、閉幕後に二人で神保町に向かった時のことだ。
地下鉄を降りて地上に出ると、昨日の沼津以来の強い雨が降っている。歩道の踏み場に困るぐらいの雨だ。
ところで、ここに来た理由は、FF氏が本屋にある既刊の在庫を確認するためだ。
大雨の中必死で歩くと、5分ほどで目当ての本屋に到着する。中に入り、エレベーターで上がると、同人誌が多数並んだフロアに到着する。そして、そこの一角には彼の同人誌が売られている。

ところで、2020年末に、彼になぜ本をつくるのかを聞いたことがあった。授業でインタビューする必要があったからだ。
その時のインタビューを読み返すと、この創作活動に対して、以下の目的を持っていることが読み取れた。

・断片化した情報をまとめたいから
・同じ大津線好きの人に読んでもらいたいから

当時は執筆途中だったが、今ではこうして本になり、そして店頭にも置かれている。こういうのもいいなと思った。

その後、東京駅に向かい、FF氏と別れる。彼は19時台ののぞみ号で帰るらしい。そして一人になると、いよいよ気を紛らわすこともできなくなる。
しかし、この問題をいくら心配しようと、自力で解決することはできない。このままでは埒が明かないので、美味しいものを食べて気をそらそうと考えた。

気の向くままに東京駅構内の、とんかつの店に入店する。
料理を注文し、待ち時間に運行情報ページをリロードする。すると、朗報が飛び込んでくる。運行が確定されたのだ。
喜びに入り浸っていると、料理が運ばれてくる。一層おいしく感じた(もちろん料理自体も、また行きたいと思うほど美味しかった)。

写真上部の味噌のやつ、めっちゃ美味しかった

新幹線といえば、例のカタいアイスクリームが有名である。しかし、こだま号は車内販売がない。そこで、東京駅ホームにある自動販売機で購入してから、車内に乗り込む。

今回乗車するのはグリーン車。人生初めてのグリーン車だ。

列車は東京駅を定時に発車する。在来線の車両を追い抜かしながら、スピードを上げる。
窓には雨粒が、横に線を引くように流れていく。こんな時でも運行してくれることに感謝である。

結局、乗車時間の大半は寝ていたようで、気づいた時には岐阜県に入っていた。昨日は鈍行で長い時間をかけて移動した東海道も、新幹線ならあっという間だ。そして、23時30分、列車は大きな遅れもなく、京都駅に到着する。

京都駅到着後、タクシーを利用した。深夜なので割増運賃がかかり、1500円ほど払った。普段なら、こんな選択はしないだろう。