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魔王とそれに対峙する為に養うべき武器

著書:魔王
著者:伊坂幸太郎

おそらく読んだのは3~4回目。
それくらい、著者の中で一番好きな著書。
2005年発売の一冊。

軽快なテンポや的確な比喩で読みやすく、一方で、ハッピーエンドに終わらないことも多く、時に読者に問いかけるような鋭さもあり、折に触れて若いころによく読んでいた伊坂作品。

本書は、情報操作や権力やバイアスなど、群集心理という洪水や見えない力に、知らず知らず流されていないか?

そうでなく、自分自身で、物事の本質を見極め、リスク対策含めた行動をすべきではないか?

もし自分に、何か特殊な能力や機会があれば、目には見えないが存在する日常の中に潜む「魔物=魔王」に対峙すべきか?見て見ぬふりをするか?

あなたはどうする?

と問われているような印象。

ニーチェ、宮沢賢治、ムッソリーニなど、正直私は疎い哲学的、政治思想的要素や言葉の引用が多く、ある意味普段読まないので新鮮。

そして伊坂作品らしく、エンタメ性や想像力も満載の作品。

本書を再読したきっかけは、瀧本哲史さんの著書を読んだ為。

分かりやすい答えでなく、自分の頭で考え、武器(本物の教養やそれをどう活用するべきかの手法)を持ち、行動することの重要性を、特に若者向けに発信していた方。

数年ぶりに読んで、ストーリーやキャラクターが、百田尚樹さんの「フォルトナの瞳」にも少し近いと感じた本書。

次に読むのはいつか?

分からないが、おそらく一定のサイクルで今後も読むだろう一冊。

この続編ともいえる2008年発売の「モダンタイムズ」も好きな著書の1つ。
久々に手を伸ばそうかと思い、向かう図書館。

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