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チルリ


このアニメを知ったきっかけは、私の大好きなバンドであるamazarashiの『ナモナキヒト』という曲のMADである。
そのMADにこのアニメが使われていた。
その足でチルリというワードを検索し、MADのもとになったこのアニメにたどり着いた。

本当に素晴らしい。
短編アニメでありながら、長編を観た後のような重厚な感情を残してくれる。

このアニメが最も描きたいのは、人と人との関わりだと思う。
我々は他人に囲まれて生きている。世の中のすべての人間の中で言えば、自分を救ってくれる人の方が奇特といえるだろう。
善意の気持ちだけで他者を助けることができるのは、率直に言って余裕のある人間だけではないだろうか。

このアニメに出てくるふたりは、善意の気持ちから相手を救おうとしたわけではない。
ただ自分が助かりたくて、どうしようもない状況から逃れたくて、必死になって行動しただけだ。
しかし、結果としてふたりは互いを救い、救われたのである。

他の人は平気でできるのに、自分にはどうしてもできないということがある。
そんな時、他者から「お前は間違っている」という罵声を浴びせられることもある。
自分を抑え込んで周りに同調しようとしても、どんどん自分をすり減らして、いつかはガタがきてしまうかもしれない。
そんな辛さを誰しもが少なからず経験したことはあるのではないだろうか。

このアニメは、そんな気持ちに対する救いを与えてくれる物語だと思う。
自分の心の赴くままに行動したことで、結果的にどこかの誰かとつながり、誰かを救うことができるかもしれない。
「社会」というたまらなく大きな存在と相容れなくても、自分をわかってくれる人はこの世のどこかにいるかもしれない。
そんな希望を与えてくれる物語だと思う。

このアニメがあまりにも素晴らしかったので、感じたことをつらつらと書いてみた。
お時間があればぜひ。

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