内海

内海哲也といふ投手

正直、驚きでしたよね。絶対谷岡だと思ってたし谷岡のユニホーム購入まで考えてました。

西武は炭谷さんの人的補償として、通算133勝左腕内海を獲得しました。これを予想できた人はいないのでしょうか。ただ、伏線(?)として今シーズン5勝5敗、防御率4.17だった内海は年俸を現状維持の1億円で契約更改しています。

いくら西武とは資金力に大きな差があり、球団の功労者だということを考慮しても高すぎます。「もしかして1億で更改すればプロテクトから外しても取られないのでは?」と巨人が考えていた可能性は結構高いかも?

しかし残念、西武は主力の大量流出により年俸にちょっぴり、ほんのちょっぴり、メヒア1/3人も雇えないくらいの余裕があったのだ。いやメヒア高すぎでしょ…

で、結局この内海獲得ってどうなの?ってのを色々なデータとか使ってみていくよ~。データはDELTAの1.02さん(https://1point02.jp/op/index.aspx)のものを使用しています。

内海のキャリアのK%とBB%を2018年のセ・リーグの先発投手の平均と比べてみたのがこちら。赤の実線がK%、橙の点線が2018年のセ平均、青の実線がBB%、水色の点線が2018年のセ平均です。

K%は最多奪三振のタイトルを取った2007年以降下がり続けていますが、同時にBB%は基本平均以下を維持できています。

こちらはHR/9とGB/FBをその年のリーグの先発投手の平均と比較したものです。赤の実線がHR/9、橙の点線が平均HR/9、青の実線がGB/FB、紺の点線が平均GB/FBです。

被本塁打の多さがよくわかります。本拠地がホームランが出やすいと言われている東京ドームとはいえ、さすがに多いです。GB/FBは基本的にゴロ多めの数字を記録しているのにこの被本塁打の多さというのは不安点でしょう。上述のようにGB/FBは基本平均より高い数字ですが、2018年は0.99とフライ打球が上回っています。年齢による衰えからくるもの、という可能性を否定できません。グラウンドボーラーなら源田を中心とした内野の守備力(2018年の内野手のUZR合計は12球団トップでした)を十二分に活かせますが、フライボーラーとなると本塁打の多いメットライフドームが本拠地のためやはり不安です。

FIPなんかを2018年のパ・リーグの平均と比べてみました。まぁ多分衰えてます。多分。

2014年以降の各球種投球割合です。FAがストレート、FTがシュート、CTがカットボール、CBがカーブ、CHがチェンジアップ、SFがフォークですね。内海のカーブはスラーブのような軌道なので今回はスラーブと呼ばせてもらいます。パワプロもスラーブだったような?

毎年ストレートとシュートで50%以上を記録しています。唯一2017年だけ49.8%でしたが、基本直球系がメインです。その2つにスラーブとチェンジアップを混ぜるのが内海の投球スタイルでした。が近年はフォークの割合も上昇中、また2017年にはカットボールにも挑戦しています。カットボールはこの年以外投げていませんが、西武移籍後に解禁したいするかもしれません。っていうか榎田と一緒にカットボールを普及させて欲しい。

ストレートの平均球速(FAv)とPitch Value(wFA)です。130キロ後半出れば御の字といった球速ですが、メットライフドームはスピードガンが甘めなので来年はもう少し速くなると予想されます。不安なのはwFA。2年続けて下降しています。対処法としてそもそもストレートを投げない=他の球種の割合を増やすといったことが考えられますが…

と、色々並べてみましたが、来年で37歳、衰えはなかなか隠しきれなくなっており、いくら投手陣の層が薄いとはいえ1年間ローテーションを守ることは考えられません。選手としてはもって数年でしょう。

ですが、私が内海に求めるのはプレイ以外の部分での貢献です。プロ選手は結果を残してナンボ。よくわかりますが、やはり精神的支柱なるものは存在するでしょう。ここ10年でFAを行使して移籍した投手はミンチェ(→オリックス)、土肥、帆足(→ソフトバンク)、涌井(→ロッテ)、岸(→楽天)、野上(→巨人)とたくさんいました。新陳代謝を図るという意味では良いのですが、その結果投手陣の最年長が榎田(32歳)、生え抜きでは十亀(31歳)となってしまい、ベテランと呼べる選手がいません。また、榎田、十亀ともに圧倒的な実績を保持しているわけではありません。若い選手の手本となるような投手がいない…このことは少なからず近年の投手陣の伸び悩みと関係があるでしょう。

内海は最優秀帽2回、最多奪三振1回、WBC出場と数々の足跡を残しています。そしてなんといってもその人格。入団当時、某K原さんやK藤さんといった西武OB、外様組と個性の強い生え抜きが混在していた巨人。そこで起きていた派閥争いに嫌気が差し、自分がリーダー格になってからは年齢、立場に関係なくあだ名で呼び合うフレンドリーなチームを形成したのはあまりに有名な話でしょう。

他にも聖人エピソードに事欠かない内海。他のエピソードはウィキペディアさんに丸投げしておきますが、間違いなく西武に来ても投手陣をまとめ、手本となれる選手でしょう。彼の姿を見て渡邉が、今井が、光成が色々なことを感じ取ることが必ず彼らの成長に繋がるはずです。

唯一不満があるとすれば、既に「巨人に戻れるように」といったFAで出戻りする気満々なことくらいでしょう。っていうかこれ内海に心酔→内海巨人に戻る→心酔してる選手が追いかけて巨人へってあるのでは…?えぇ…

ということで、内海は戦力になる、ならないに関わらずチームにマイナスになることはない満点補強といえるでしょう!でも人的補償はやまてドラフトの追加指名権にして欲しい。

以上、Youtubeの再生もままならないオンボロノーパソでSOUL'd OUTを聞きながら書いた長文をここまでお読みいただきありがとうございました。HTMLとか全くわからないマンだから太字の仕方がわからん…

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