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〜キモデッキ工房〜 試作品no.1「エターナルブルーム」


前書き

 モダンにはあらゆるコンボデッキが存在する。あるカードAとあるカードBが揃えばたちまち凄まじい威力を発揮してしまう。

 そして、その手のコンボは勝ち筋として"無限"をゴールとすることが多い。無限ライフ、無限トークン、無限マナ…。

 コンボを愛するものは無限を愛すると言っても過言ではない。無限=最強なのだ。無限がキマッたその瞬間、プレイヤーは神に等しき力を得るのである。無限を制するものはゲームを制するのだ

 それら無限系のコンボのなかで、ここ最近活躍しているのはドルイドコンボだ。

 療治の侍臣がいるときに献身のドルイドから無限に緑マナがうまれ、それを歩行バリスタX=1億に繋げるコンボだ。
 これらのパーツを並べるために、召喚の調べ異界の進化が採用されていたが、灯争大戦破滅の終焉モダンホライゾンエラダムリーの呼び声をも獲得し、サーチ呪文が豊富になったこのデッキはメタ上位に食い込んでいる。

 この記事はこのドルイドコンボをさらなる高みへと昇華させる試みの試行錯誤の記録である。

さらなる速度へ…「エターナル・デボーテ」

 日本が世界に誇るデッキビルダーまつがんこと伊藤敦氏はこのドルイドコンボにさらなる速度を持たそうと山賊の頭の間ミシュラのガラクタ契約サイクルを採用し、最速2ターンキルを可能としたエターナル・デボーテを生み出した。

 まつがん氏はとにかく速度を求め、ゼロの世界へと足を踏み入れ、ガラクタや通りの悪霊サイクリングへと行き着いた。そんなまつがん氏の記事の中にこんな言葉がある。

しかしこの状況を何とかしたくても、「ゼロ」の先はもうない。いや正確には「力線/Leyline」という最後の砦は残されているのだが、力線を出しただけでゲームに勝てるなら苦労はしない。(だらだらクソデッキvol.15-ネクストレベルめんこ-より)


 これだ!!さらなる速さの答えは力線にある!
 そう確信した私は、力線と相性のいいマナクリを探した。そして出会ったのだ。

 お花屋さんに。

 このイーブンタイドのエルフ花を手入れする者は場にあるパーマネントの色の数だけマナが出る。つまりゲーム開始時に力線を各色並べれば5マナを生み出すのだ。


そしてこの装備品。

 花を手入れする者が4マナを生み出すときに暗黒のマントルを装備すれば無限マナ無限強化となるのだ。これは最強に違いない。バリスタX=1億は目の前だ。各種力線を4枚ずつ搭載したキモデッキは唸りをあげた!

 そして無限の一人回しへ……。


 結論から言えばこのデッキは紙束だった。

 初手に来ずにどんどん手札に溜まっていく色とりどりの力線は控えめに言ってもゴミだった。

 これじゃダメだ!!!

 そんな矢先、基本セット2020のカードプレビューが始まった。

 そこで私は衝撃のカードを見つけてしまったのだ。

 世界が変わる。

 この力線をゲーム開始時に置ければ極楽鳥は2マナを生み出すマナクリとなるのだ。

 そして爆誕したデッキがこれだ!!!

エターナル・ブルーム

何がなんだかわからない。

 説明しよう。まず豊穣の力線を開始時に置く。極楽鳥でターンが返ってくれば…

 次のターンには極楽鳥から2マナ出ることになり、セットランドから2ターン目には集合した中隊を打てるのだ。

 そしてドルイドと侍臣がめくれればパーツは揃う。あとはエラダムリーなり薄暮見の徴募兵なりでバリスタを持ってきてX=1億で勝ちとなる。

 このデッキの楽しいところは上記以外にも勝ち筋がいくつかあるところだ。

 緑力線+野生の朗詠者からスタートすれば、花を手入れする者から3マナ出るようになる。そこから集合した中隊を打つことも可能である。

 なお、やむを得ず暗黒のマントルは今回はクビにしてしまった。場に療治の侍臣がいれば花を手入れする者は4マナ出るので暗黒のマントルで無限マナ無限強化コースも可能となる。献身のドルイド要らずのコンボルートもあるのだ。ぜひとも採用してみてくれ。(枠がないので断念)

 あるいは、山賊の頭の間から速攻を持たせた献身のドルイドは緑マナしか出せないが朗詠者がそれを白へと変換してくれる。そこから侍臣へとつなぐことができるのだ。

 また、コンボの成立確率をあげるために土地を限界まで削っている。土地事故を回避するためにも冒険の衝動を採用している。自然との融和も合わせてどんどんライブラリーを掘ってパーツを揃えることができる。


必殺・新生化シルバーバレット

 さらに楽しいギミックも仕組んである。灯争大戦で収録され、氷河期の恐竜を地獄のデーモンに変身させるキラーカード、新生化だ。

朗詠者極楽鳥ドルイド侍臣へと変身させてもいいし、それら2マナクリーチャーを変身させて拘留代理人秋の騎士なんかを出してもいい。新生化によってシルバーバレットが可能となるのだ。おまけにカウンターが載ってくれる。代理人は稲妻圏外のタフネス4になる。永遠の証人を出して集合した中隊を回収するのも爆アドな動きだ。

また、新生化培養ドルイドを持ってくればカウンターが置かれた状態で場に出るため、3マナを生むマナクリとなる。豊穣の力線があればタップするだけで集合した中隊を打てるのである。


サイドボード

 サイドボードはハンデス対策の神聖な力線、墓地対策の虚空の力線を取っている。
 これらのカードはこのデッキでは花を手入れする者のマナ加速をむしろ助けてくれる働きをする。素晴らしいシナジーだ。ホガークやバーン相手にはぜひとも置いてやりたいね。

基本セット2020の名カード夏の帳を入れて除去や打ち消しから守るのもいいだろう。1マナアンコモンとは思えない性能のこのカード、今後の活躍に大いに期待している。


 活性の力は緑のカードが多いこのデッキには優れたピッチスペルとして使える。アーティファクト相手には溜め込み屋のアウフをサーチすることも柔軟性ある動きだ。


おわりに

 こんなキモデッキ、実際に回せるのかとお思いの貴方、回してみたらわかるが結構コンボは成立するし、2ターン目にカンパニーは想像の何倍も強い。相手の手札が整う前に展開してしまえば想像以上に強い動きとなる。是非一度トライしてみてほしい最高のキモデッキだ。まだ試作品だが完成度を高めるために日々回していくのだ。バリスタのXをいくらにするか、考えながらね。


(written by fumiken


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