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5色人間と禁止改訂〜関帝戦を添えて〜

9月1日、晴れる屋大阪店で関西のモダン帝王を決定する関西帝王戦モダンが開催された。

もちろん筆者も愛用する5色人間で出場した。しかし結果は苦いものだった。

■モダン激動の改訂

少し時を遡ること、8月末日。モダン界に激震が走った。禁止改訂により、《甦る死滅都市、ホガーク》があまりのカードパワー、TOP8入賞率などを考慮して禁止へ。さらには墓地利用デッキの大半が使用する《信仰なき物あさり》が禁止となった。青の1マナドローである《思案》《定業》が禁止なので当然といえば当然、むしろ遅かった気もするが。

如何せん影響を受けるデッキが多く、ホガークヴァインは勿論"死滅"し、イゼットフェニックス、ドレッジ、マルドゥパイロマンサー、ホロウワンなどなど、多くのデッキが大幅な弱体化となった。

5C人間は一切影響を受けないので問題なし、むしろサイドから《オーリオックのチャンピオン》で勝てるマッチアップが減るので残念でもあった。


しかし、今回の改訂では禁止ではなく、解禁されたものがいる。それが《石鍛冶の神秘家》だった。

モダン制定時から禁止にされていた石鍛冶が解禁され、モダンでレガシーの青白石鍛冶のような、スタンでは完成し得なかったCaw-Bladeが、《精神を刻む者、ジェイス》との共演が見られるようになったのだ。

■人間、殴打頭蓋で殴打される

この石鍛冶、人間にはかなりの脅威である。

というのも、2マナという軽さのため先手を取られれば《翻弄する魔道士》で指定することもできない。石鍛冶自体がクリーチャーであり、その起動能力で場に装備品を出すことから《スレイベンの守護者、サリア》で動きを遅くすることもできない。


石鍛冶から出される装備品としては《殴打頭蓋》が最も多いだろう。場に出ればすぐに装備済みとなる生体武器で、4/4絆魂・警戒というイカれた性能だ。


アーティファクトに触る術を人間は持っておらず 《拘留代理人》がメインになければ《反射魔道士》で装備先のクリーチャーを戻すしかない。完全な解決にはならず、時間稼ぎにもならない。地上を4/4警戒絆魂で止められると、ライフを一気に削る人間にとっては大幅なゲームプランの乱れを招くのだ。


ジェスカイカラーともなれば《稲妻》《稲妻のらせん》《流刑への道》と除去が多く、拘留代理人も無事ではいられない。


■改訂後の環境

さて、禁止改訂後、初の大きな大会ということで関帝戦にも多くの石鍛冶デッキが見られた。

デッキリストはこんな感じ。



・1戦目vs赤黒ゴブリン×○×

何回か当たっているが未だに勝てていないマッチアップ。こういうミラー的なマッチに限って必須の《霊気の薬瓶》を引けない。

サイドから《オーリオックのチャンピオン》が輝くマッチにも関わらず引けずにそのまま圧殺されてしまった。除去も濃く、数と速さが人間を上回ってくるのでかなりキツい。

・2戦目vsアミュレットタイタン×○×

人間が不得意とする土地コンボで、なす術なく…。《減衰球》をサイドに取っていなかったこともあり、どうしようもなかった。最近のメタではトロンやヴァラクートのような土地戦略のデッキが増えてきたようで、元来苦手としているために何らかの対策が必要になるかもしれない。


・3戦目vs赤緑ヴァラクート○○

珍しくブン回りで相性の良くないタイタンシフトに勝ち。やはり《翻弄する魔道士》によるハメが決まると強い。ブロック生贄で時間稼ぎされる《桜族の長老》や待機されている《明日への探索》を指定するとかなり有効。

・4戦目vs青白石鍛冶××

ボコボコにされる。

石鍛冶を翻弄で指定しても流刑が飛んでくる。流刑を指定すれば石鍛冶が出る。どうにもこうにも…。出てしまった殴打頭蓋に何もできず。拘留しようとするも普通に3マナでハンドに戻されてしまった。これはプレイングがダメダメ。

・5戦目vsエルドラージトロン○○

G1先手取られて《猿人の指導霊》追放からの《虚空の杯》をX=1で置かれるも、《魂の洞窟》から《貴族の教主》《教区の勇者》を出して何の影響も受けずに殴り勝ち。G2もほぼ同じゲーム運びとなってイージーだった。



ここで関帝戦はドロップし、モダン17時の部、20時の部へと移行するも、再び石鍛冶に苦しめられることとなる。

■地獄のモダン環境

17時の部、20時の部それぞれで石鍛冶に当たる。青白赤黒の4色石鍛冶と当たり、青白石鍛冶と当たりどちらも負けた。

4色石鍛冶は《未練ある魂》によってカマキリさえも止められ、最後の一押しが届かず。


許せない、石鍛冶。

そうして石鍛冶をぶっ殺すパーフェクト5色人間を作ることを決意する。

要らない気もしていた《帆凧の掠め盗り》をメイン3に戻し、除去への耐性を上げる《不確定な船乗り》を2枚。ただし何もしないマッチではとことん役立たずなので2、3枚が限度かな?とも感じる。

サイドには《秋の騎士》を採用。苦手としていた《血染めの月》にも対処でき、バーンにも4点ゲインと便利屋である。帆凧で取れなかった《殴打頭蓋》を破壊してくれることに期待の2枚採用。《拘留代理人》だと除去されてまた場に戻ってしまうからね。


元来苦手としているドルイドコンボが隆盛してきていることから、《溜め込み屋のアウフ》を2枚採用。
青白コンはほとんど石鍛冶に置き換わりそうだが、トロンに強く使えるので《ガドック・ティーグ》は1枚。
アミュレットタイタンやトロンに具体的な対策カードを取っていなかったので《減衰球》を試しに2枚取ることにする。

ジャンドは除去が濃い上に《タルモゴイフ》《漁る軟泥》が邪魔になることが多いので除去として《四肢切断》を1枚採用することに。長期戦に強い《民兵のラッパ手》も1枚取ることにした。

モダンホライゾンの新戦力《疫病を仕組むもの》は、接死を持ちながら選んだクリーチャータイプを-1/-1修正。ミラーやマーフォーク、スピリットのように横並びするクリーチャーデッキに強いし、ドルイドコンボには《療治の侍臣》の"人間"を指定すれば効果的だろう。


■今後の人間の立ち位置は

苦手としていたイゼットフェニックスやドレッジ、ホロウワンが消え、狩れるホガークが消え、さらなる脅威となる石鍛冶が野に放たれたモダン。

執筆現在、メタゲームの一線から人間デッキは落ちてしまっているように思える。
しかし人間は並外れた対応力と干渉力、打点の高さでどうにでもなるはずだ。
メタゲームを読み切って、しっかりと構築すればまた戻って来れる。次の【エルドレインの王権】での新戦力にも期待が高まるね!いい加減、強い人間を収録してくれ!(懇願)

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