見出し画像

GIFアニメで振り返る J1第5節 清水エスパルス-ヴィッセル神戸

こんにちはkgです。今回は、J1リーグ第5節、清水エスパルス-ヴィッセル神戸の試合をレビューしていきます。1.清水の攻撃、2.清水の守備、3.守備で気になったシーンの3つについて話していきます。

0.Youtube

1.清水の攻撃

清水の攻めは、足元で繋ぐ意図はあまり感じず、GKやCBからのロングボールで前進を図ります。ロングボールは基本的に右サイドの中山選手や原選手狙いです。また、相手がプレスをかけてきたら、前線のFWめがけて長いボールを蹴ります。このとき、MFラインも一緒に押し上げることで、セカンドボールを回収しやすくしていました。(14:04、63:11)

画像1

さらに、神戸の中盤の脇を使うことも狙いとしてあったように思います。後藤選手が内側のポジションを取ることで、神戸の右CH(このシーンでは中坂選手)を中央に寄せます。空いた脇のスペースで左SB片山選手がボールを受けると、ここに右SB酒井選手が食いつきます。その裏を後藤選手や神谷選手が使うという形です。ただ、神戸は対人に自信のある菊池選手がしっかりカバーに入るため、なかなかそこから先に進むことができませんでした。(7:50)

画像2

また、ビルドアップの際は、FWとSHが高い位置を取ることで、相手DFラインを押し下げます。

2022_05(gif用).00_01_06_04.静止画041

左SBの片山選手に対してCHの選手が付くと、神戸のMFラインが横に広くなるため、中央にスペースができます。

2022_05(gif用).00_01_15_09.静止画042

ここに選手が入りながら、素早く逆サイドに展開し、神戸のスライドよりも早く立ち位置を取ることで、相手のMFラインを攻略する攻撃もできていました。(31:11)

画像3

2.清水の守備

清水の守備は、FWの1枚が最終ラインにプレスをかけ、もう一方がボランチの扇原選手をケアします。とにかくボランチにボールを通され、FWが置き去りにされるのを防ぎたいような構図です。右SHは、左CB大崎選手がボールを持ったら、縦のパスコースを切り、左SB初瀬選手にボールが出たら寄せていきます。左SHは、右CB菊池選手にボールが入ると正面からプレスに向かいます。

神戸は、序盤は大崎選手がボールを持った時に、中盤の3枚の誰かがボールを受けに下がることでビルドアップの出口を作り出そうとしていました。(12:10)

画像6

ただ、清水の左SHが菊池選手へアプローチに行くルールを見ると、中盤以降は、シンプルに右SB酒井選手にボールを送るようになります。ここに片山選手が出ると、その裏を使います。(39:45)

画像7

また、CHが右サイドの高い位置を取ることで、片山選手をピン留めし、できたスペースで酒井選手がフリーでボールを持つこともしていました。

2022_05(gif用).00_02_20_16.静止画044

清水の守備で良くなった点の一つとして、相手に押し込まれた状態で、相手が最終ラインにボールを下げたら、FWラインだけでなく、MFライン、DFラインも連動して上げられていた点があります。(37:10)

画像10

この場面では飯倉選手にロングボールを前線に送られ、ひっくり返されてしまいましたが、この動き自体は必要と思います。

3.守備で気になったシーン

守備で気になったシーンを2つ紹介します。

1つ目は16:22の、CBとSBの間を使われたシーンです。原選手と中山選手が汰木選手に付くが、間を割られてリンコン選手へのパスを通され、そこに誰も付いていかなかったため、中へクロスを送られてしまいました。

画像11

前提として、二人で行くならあそこは割られてはいけませんが、通された後の対応も後手を踏んだように見えます。このシーンなら、個人的には白崎選手がリンコン選手に付いていくべきだったかなと思います。中にいる中坂選手、山口選手に対しては、竹内選手と後藤選手で対応すべきかなと。

2022_05(gif用).00_03_16_14.静止画043

あの場面で、より危険な位置にいるリンコン選手に誰も付かないという判断は間違っていると思います。いろいろな方が指摘されていますが、CBとSBの間の守備は、今シーズン始まってからずっと安定しません。早急に整理が必要と思います。

2つ目は35:44のシーンです。扇原選手が原選手の裏にボールを出し、汰木選手のクロスから大迫選手のヘディングまで繋がれてしまいました。

画像12

この場面では、フリーでボールを持った扇原選手に対して、誰もアプローチに行けなかったのが一番の問題だと考えます。白崎選手は、自分が出るとそのスペースをリンコン選手に使われるかもと判断し、前に出られなかったのだと思いますが、ここは寄せてほしかったです。リンコン選手には竹内選手が付けば良いかと。そうすると中坂選手が余りますが、そこは後藤選手が内側に絞って対応すべきと考えます。

画像13

ディフェンシブサードで相手のボールホルダーがフリーでボールを持つ状況は危険なシーンに直結するので、今回なぜ寄せられなかったかをチームとして認識し、次同じシーンが起きたらどうするかという原則を決める必要があると思います。

トピック

◆ボランチのタスク
ボランチのタスクが多すぎる気がします。特に竹内選手は、守備時は時に相手の最終ラインまでプレスをかけ、攻撃時はSBの裏のスペースを使おうと走ります。(61:47)相手の扇原選手を見ても、そこまでポジションを崩すことはありません。プレスのスタート役にしては味方が連動しないし、SB裏はFWやSHが使うべきと思います。
私の勝手なイメージですが、この辺りは特にチームとしてのルールはなく、スペースを見つけた選手が使うという感じになっているのだと思います。平岡監督のいう、フレキシブルというやつです。ただ、奪われたときに戻る距離が増えるので、空いたスペースを誰が使うのかは整理してほしいなと思います。

◆中山選手
決定機をふかしてしまい、ヒーローになり損ねました。見ていても焦ってしまったのが伝わりました。ただ、守備では強度高く守ってくれました。特に小田選手がドリブルでエリア内に侵入してヴァウド選手、鈴木義宜選手が交わされて終わったと思ったシーンでは、最後の最後でボールを奪い、ピンチをしのいでくれました。中山選手はその後ガッツポーズ。守備に戻れる選手なので、今後も重宝されると思います。ぜひエゴイスティックにゴールを目指してほしい。

おわりに

決定機の数で言えば神戸の方が多かった試合だったと思います。大迫選手のヘディングを権田選手が止めたり、イニエスタ選手のシュートを山原選手が、小田選手のカットインからのシュートを鈴木義宜選手がシュートブロックするなど、個人が最後のところで踏ん張ってくれた部分もありますが、ヴァウド選手のクリアがポストに当たったり、ボージャン選手のシュートが大迫選手に当たるなど、運が味方したシーンも多くありました。

ただ、ラインを連動して上げる部分は、前節セレッソ戦の前半で課題となっていた点だったので、改善されたのはよかったです。(他チームとのレベル差はともかく、)チームがひとつ成長したと感じます。まだまだ修正すべき点はありますが、試合をこなす中で一つずつ直していけばよいと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?