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幸せになる方法の研究

幸せが心身の健康にも影響

幸せに関する研究は、1980年代から行われてきました。収入や学歴、国のGDPなどのデータに基づく客観的幸福ではなく、主観的幸福に関する研究です。個人の内面で、一人ひとりはどんなときに幸せだと感じるのか、幸せな人はどんな人か、といった研究です。いわゆる幸福学は、この主観的幸福です。幸福学の第一人者である、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科教授 前野隆司先生は、人が幸せになるための組織、製品・サービス、教育、まちづくりなどの応用研究も含めて研究対象とされています。

幸せとは、どんな状態を指すのでしょうか?主観的幸福では幸せは、ウェルビーイングという言葉が使われています。良好な状態という意味ですが、単に楽しい、うれしい、といった感情だけではなく、健康や福祉といった意味合いも含めて定義されています。

幸せは健康とも大きく関わります。幸せとメンタルヘルスの状態については、医師との共同研究が多数行われています。幸せとメンタルヘルスの相関は高く、研究結果から、幸せであるほどメンタルの調子を崩しにくいといえるそうです。心の健康に限ったことではなく、体の健康に関しても、主観的幸福に大きく影響することが研究からわかっています。先進国に住む人の調査では、幸せだと感じている人のほうが、そうでない人に比べて7~10年長生きである、という結果も得られています。

【幸せの4因子】

具体的に、どんな人が幸せだといえるのでしょうか?「今の自分は『本当になりたかった自分』」「人の喜ぶ顔が見たい」「私はものごとが思い通りにいくと思う」「私は自分のすることと他者がすることをあまり比較しない」といった87個の質問にして、1,500人の日本人アンケート調査では、次の4つの因子が幸せの鍵として導き出されました。

(1)「やってみよう」因子

自己実現と成長に関する因子。社会の中で自分の強みを活かしている、目標を持っている、そのために努力して成長しようとしている、成長を実感している、などが幸せにつながる。

(2)「ありがとう」因子

つながりと感謝に関する因子。他者を喜ばせる利他性、思いやりを持つ、周囲と安定した関係性を持つ、など幸せにつながる。

(3)「なんとかなる」因子

前向きと楽観に関する因子。自分に対しても他人に対してもポジティブな見方をする、何事も「なんとかなる」と思える、などが幸せにつながる。

(4)「ありのままに」因子

独立性と自分らしさに関する因子。他人と自分を過度に比較せずマイペースを保つ、本来の自分らしさを自覚して発揮できる、などが幸せにつながる。

【幸せになるための心がけ】

幸福度を高めるには、幸せの4つの因子のひとつひとつを上げることが大事です。

「やってみよう」因子:やりがいを感じられるような夢や目標を見つけることが大切です。小さなもので大丈夫、仕事でも趣味でもよいです。心からワクワクできることを見つけたり、やりたかったことに取り組んだりすることが、自己実現や成長につながり、幸福度が高まります。

「ありがとう」因子:新たなつながりを求めたり、ボランティア活動など利他的な行為を心がけたりします。人と会いにくくなり、孤独を感じている人も、意識的につながりを持つようにします。

孤独感を抱えている人がいないか、周りの人たちに気を配り、声をかけることも大事です。人は、関心をもってもらえるだけでも心が軽くなるものですし、つながっている、気にかけてもらえていると感じるだけでも孤独感は和らぎます。

「なんとかなる」因子:幸せであるように振る舞うことで上げられます。笑顔を作る、楽しくなくても口角を上げて笑ってみると、楽しく感じられます。下を向いて歩くのではなく上を向いて歩いたり、ネガティブな言葉を避けてポジティブな言葉を使うことでも、気分が前向きになり、幸せにつながります。

「ありのままに」因子:周りの目を気にしすぎないこと。喜びや感動といった前向きな感情を抑えず、素直に心から感じましょう。

健康のために、食事、運動、睡眠といった生活習慣が大切であることは、多くの人が知っているでしょう。幸せも健康と同じで、どうすれば幸せになれるのか知識を持ち、幸せになるための行動を積み重ねていけば、今よりもっと幸せになることができます。健康に気を使うのと同じように、幸福度アップにも積極的に取り組んでみてはいかがでしょうか。

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