こんなにんげんでなかったら

こどものころ いえのなかで とても苦しいことがあった

まいにち まいにち まいにち
きずついて きずついて きずついて

こころがこわれてしまうんじゃないか
そんなことを なんどおもっていただろう

だからきめた もうだれもきずつけない
もうだれもかなしませない
もうだれも こんなおもいは させない

おだやかに あたたかく つつみこめるように
もうだいじょうぶだよ こわかったね
つらかったね かなしかったね
そういって つつみこめるように

ただ やさしくあろうと
べんきょうが できなくても
うんどうが できなくても
やさしい そのいってんは まもろうとした

ただ わたしは それほどできたひとではなかったから
おもいのままに いきていると ひとをきずつけてしまうことがあった

だから かんがえた どうしたらいいのかと

かるはずみで ひとを きずつけてしまわぬように
しこうのあささがげんいんで ひとを きずつけてしまわぬように

おちつこう かんがえよう
だれも きずつけないように
あんなおもいを させないように

きずついてしまったひとは あたたかく つつみこめるように
そのひとが のぞんでいるならば

あのひの じぶんが してほしかったように
あのひの じぶんに してくれたように

そんなおもいで だいがくをきめて いまのみちをきめた

やさしい そのいってんを まもろうとして

だれもかなしませたくないと
だれもきずつけたくないと

それができる そんなひとに なろうとした



なろうと


しただけだった



わたしがこんなにんげんでなかったら

だれもきずつけずに すんだのか

だれもとは いかずとも

せめて きずつけたくないひとたちを

きずつけずにすんだのか


こんなわたしの きずつきよりも

きっともっとくるしかったであろう かなしかったであろう

そんなきずを あたえずに すんだのか


けっきょくわたしは なれなかった

なによりも まもろうとしたことさえ

わたしはできていなかった

どうすれば なれたのか
どうすれば よかったのか

どうすれば なれるのか
どうすれば よいのか

そんなことも わからず

ただ やさしくあろうと もうだれも きずつけたくないと

そうおもった

ただ それだけ おもっていただけの 

にんげんが ただひとり そこにいた


すぎたことは しかたないと
だいじなのは これからだと

それにはさんどうしながらも

わたしは どうしたら よいのだろう

もうなにも わからない

いつかまた ひがさすことを

ひとを きずつけずに すむようになることを

しんじながら かんがえながら すすんでゆくしか ないのだと

ちゃんとうけとめて せいちょうしていかないといけない そんなきだけはする
でないと かおむけできないから
きちんと せいちょうに つなげられないと
それこそ もうしわけがたたないから


あなたには これだけはという 守りたいものがありますか

それを 守っていけることを 心から お祈りいたします


最後までお読みいただき、ありがとうございました。
すてきな一日に なりますように。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?