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さようなら、Apex Legends。


僕がApexを始めたのは2年前の5月だか6月のこと。ちょうど洋服に散財するのをやめて心機一転貯金をしようと思っていた頃のことだ。僕はお金のかからない新しい「趣味」探しをしていた。

そして、友人の勧めもあり、「ゲームなら初期投資だけでお金かからないし、休みの日に家に籠っていればお金も貯まるだろう」と思い、軽い気持ちでPS4を買ってApexをダウンロードしたのが全ての始まりだった。そしてこれが、終わりの始まりでもあった。

元々の負けず嫌いが祟って、Apexの沼にはまり込むのにそう長い時間はかからなかった。思うようにキルが取れないことに苛立ち、弾が当たらなくてブチギレ、心無いユーザーから届いたファンメに台パンし、バッジへの渇望は日増しに強くなっていく一方であった。むしろ悔しさが、辛酸こそが、僕をさらにApexへと駆り立てていったともいえる。

そして気が付けば、僕は「そこそこ出来る」くらいのレベルに到達していた。(たぶんね)しかし、それでも飽き足らない僕はついに、PC版への移行を決意する。

20万円のゲーム君ボックス(PC)を購入したことにより、環境面でも快適にプレイできるようになった。移行後も相変わらずApexをプレイし続け、シーズン8にはソロでのマスターランク到達も達成できた。

初めてのFPS、そしてほとんどゲーム友達がいない(ゲーミング適応障害)ことを考えれば、この2年強の成果は、自分自身で満足できるものだったと思う。


しかしながら、Apexから離れる時が遂にやってきたのかもしれない。


シーズン8のスプリット2以降、PC版Apexのランクマッチは酷い有様にある。ダイヤ帯にも湧きまくるチーター、DDOSによるクラッシュ、そして誰が思いつくのかよく分からん意味不明グリッチ…。(本当に何なんでしょうね)

PC版に移行して以来、ソロでのランクマッチを中心にプレイしてきた僕にとって、このような環境の荒廃は、モチベーションを喪失させるに十分なものだった。

そして昨日からTwitterでは、「#SaveApexRanked」なるタグをNRGのSweetdreamsをはじめとした北米の有名配信者たちが拡散し、トレンド入りしている。Apexというコンテンツそのものが、浮沈の佳境に入ったという見方もできるはずだ。少なくともPC版においては。

しかし、Apexの運営にかかる期待などたかが知れている。まずRespawnは現在の状況について以下のような声明を、「#SaveApexRanked」の拡散に先立って発表している。

・BAN作業を行える人材を雇用する(増員する)

・DDOSの検知システムを開発・発展させ、未然に防ぐ

・チーターをより早くゲームから除外する方法を模索する

しかしこんなのは目先の批判を躱すためのお茶濁しに他ならない。過去2年間でチーターが蔓延した時期は幾度もあったが、彼らはそのたびに「BAN」という対症療法によってのみしか対処を行っていない。

その上、「人材を雇用する」という時点で「チート対策に割く人員がいない」ことを露呈しているようなもんである。というか1億人もプレイ人口のいるゲームコンテンツで、BAN作業が手動ってどうなっているんだという気さえする。まぁ無料ゲーだしさ・・・・という意見もあるかと思うが、お隣のVALORANTさんは立派にやっていますよね。(たぶん)

というか他2つの声明に関しても、「ま、頑張って何とかしてみるよ!」と同レベルの意見である。日本の政治家と同じ。

思うにRespawnは、多少セキュリティへの努力を怠っても、ゲームそのものの魅力でユーザーは離れていかないだろう(もし仮にPC版が廃れても俺たちの太客はCS機のガキだからなしめしめという感じもする)という甘い目論見を持っているような気がするが、事態はそのようなフェーズをとっくに超えているんじゃなかろうか。

しかしながら、ユーザー側から建設的な意見を出せていないのもまた事実である。

「ストリーマーにBAN権限を」という声もあるが、スマーフが公式に禁止されている以上、サブ垢でのマスター到達企画などを行っているプレイヤーたちは当然自家撞着に陥るだろう。

また、「そもそもチートを使う人が悪い!信じられません!」といったような非建設的な意見も多く飛び交っている。

そもそも「チートがいる」ことが「現在の現実」における大前提であって、「チートが存在することの是非」は、Apexの今後を考える上での前提たり得ない。それは「一定数チートはいます。ではどうしましょう?」という議論の肝心要から目を逸らしているに過ぎないからだ。

では、じゃあ具体的にどうすんだよ?という話になるが、これに関しては「企業努力次第」としか言えないだろう。というか、我々は企業が提供しているサービスを受けている側なのであって、サービスの向上を請け負う側では決してないからだ。

「ここのラーメンは不味いから、俺たち客で一緒に美味しくしていこうぜ!」とはならんだろ。おかしいだろうが。よく考えろ。バカタレ。

TSM所属のプロゲーマー、Albralelieはいつだかの引退宣言の際「Apexは沈みゆく船だ」という言葉を残した。

そして今、しがない一般プレイヤーである株式会社コメダゲーミングも、遂にApex Legendsと袂を分かつ時が来たのかもしれない。

さようなら、Apex Legends。




Apex、起動。(ポチー)


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