LITEの配信ライブVJについて

先日、LITEの配信ライブで一曲VJで参加しました。

メンバーが全員ステイホームで生セッションする&映像もステイホームのままリアルタイムでエフェクトをかける、というライブです。ここまで全員遠隔のまま音ハメに成功した配信ライブは無いと思います。

そもそもどうやって生演奏を可能にしているか、というのは武田さんのこちらの記事に詳しいです。

https://note.com/tkdnbyk/n/n13c1cb0e1fba

シリーズとしてゲストを呼んで一曲くらい何かやりましょう、という構想があり、前回は海外のミュージシャンを呼んでセッションしたので次は映像どうだろう?という話が立ち上がってお誘い頂きました。LITEとはEcholocationのMVや日本/海外ツアーにVJで何度も参加したことがあります。楽しかったなあ。

んで、当初はCGをZoomの画面共有でフルスクリーンにしましょう、って話でした。しかし、それだと録画のYoutube眺めてるのと変わらないので良くないかなあ、と僕から提案して、上記のような内容になりました。お客さんが見たいのはLITEの生演奏です。これが普通のライブだとバックスクリーンにCGがあって、手前にメンバーが演奏しているというので成立します。が、配信でCGだけを眺めるのは面白くない。それに加え、huez演出のでんぱ組ライブ ( https://realsound.jp/tech/2020/06/post-568914.html )や、"Zoom - valknee, 田島ハルコ, なみちえ, ASOBOiSM, Marukido, あっこゴリラ" ( https://www.youtube.com/watch?v=-wXn_sK3o5Q ) 等もチェックしてたわけで、Zoom割を基本とした生カメエフェクトをやるしかないでしょう、という結論になりました。僕の中で。

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さて、初案ではZoomでメンバーのみブレークアウトルームに入れてその画面をキャプチャし、僕の画面だけを配信して貰う作戦でした。ところがこれだとZoom特有の遅延とコマ落ちが激しくて、LITEのキレキレの演奏についていけるような映像にならなかったんですね。それで考えたのが下記のシステムでした。雑に書く。

画像1

箇条書きすると、

1, ケザもZoomにログイン。LITEメンバーのみ表示。

2, Syncroomにログイン。生演奏を効く。

3, Zoomの画面をTouchDesignerでキャプチャ、エフェクトをかける

4, TouchDesignerの出力絵をParsecで武田さんPCに送る

5, 僕の出番のみParsecの画面を武田さんが配信する

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ポイントはParsecですね。

https://parsecgaming.com/

Parsecはゲーム配信用のプラットフォームで現時点で知られている画面共有アプリの中ではもっとも遅延が少なく絵も綺麗です。こちらで僕の画面を武田さんのPCに送ってます。

僕の方で配信の面倒まで見れたら話が早いんですが、LITEの場合は各メンバーの音を武田さんがミックスしてから配信してるので、それは不可能でした。また、各メンバーのPCにTouchDesignerを入れて遠隔操作する案もあったのですが、iPhoneで画面配信しているメンバーもいたので、それもボツになりました。

映像は全てTouchDesignerです。普段のコンサート案件でもそうですが、バシバシに合わせいので、あらかじめキューを数十個仕込んで、音を聴きながらシーケンスを再生&ちょいズレたかなと思ったら適宜タイミングを微修正&事前のリハで100msec程度はParsec遅延することがわかったので、僕の画面では音よりも100msec程度エフェクトが早く進んでいます。

まあこれなら出来るな―と思ったあなた。これ、前提としてメンバーが遠隔でクリックを共有していないにも関わらず、原曲とBPMがまったくズレずに演奏できる、という超絶技巧があるから成立するんです。凄くね?素朴に凄い!!!!凄い人達は凄い!!!!!!!!

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さて、我々コンサート業界の人達、突如として配信ライブの群雄割拠な時代にいきなり放り出されたわけですが、各自サバイブしていけたら良いですね。


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