見出し画像

僕らがかめやを愛する理由

立ち食い蕎麦を愛している。

富士そばだろうと小諸そば、吉そばに箱根そば。とにかく都内にいればありとあらゆる立ち食い蕎麦があるし、それぞれのチャーミングさがあり、僕は安心して生活してられる。もちろん神田の藪や松屋のような老舗も大好きだし、昔、雑誌の編集者に連れてかれた大塚の路地裏にあった名もなき街の蕎麦屋の天ざるの旨さに咽び泣くこともある。あの店、もう一回行きたいんだけどなあ。

大学が関西で、約10年ほど生活していた。関西は美味しいものがたくさんある。京都のパン屋、イノダコーヒー、錦市場のお惣菜、町中華のクオリティの高さなど、もちろんうどんも旨い。大阪の自由軒のカレー、あれは時々無性に食べたくなるんだよなあ。

だがしかし。蕎麦はムリだ。何かが違う。考えて見て欲しい。君がEXILEのファンだとしよう。ファン限定の狭いハコでミーティングをやりますよと。君はファンクラブに入会するぐらい彼らを愛してるんだ。チケット料金は1万円。それでも君は惜しまず入金を済ませる。そしていそいそと君は会場に出かけていく。いつもより着飾って。そして君は途方に暮れるんだ。だってEXILEと思って期待してたら、そこに出てたのは野猿だったから。

要するに何が言いたいかって、期待してたものと違うってことだけなんだが・・ちなみに筆者が初めて富士そばを体験したのが92年。東京やべえと思いましたね。それぐらいスタンダードな蕎麦に飢えていたのです。

ちなみにかめやの話に戻ると、個人的に好きなのは新橋店。出汁の加減やら、天ぷらの具合とか繊細な部分の話ではありますが。だけども新宿店が1番行くこと多いですね。もちろん天玉そばをデフォでオーダー。辛めの蕎麦つゆと温玉が絡まるハーモニー。そこにしゃっきりと茹で上げられた、かめや独特の喉越しの蕎麦。たまんねえなあ、と思うわけよ。ああ、かめや食いたくなってきた。

島耕作も作中で訪れた、いまはなき湊屋みたいな変化球の立ち食い蕎麦屋も嫌いじゃない。だけど立ち食い蕎麦なんて気軽にやっつけておきたいじゃない?もちろん美味しくなれけば意味はないわけで、某駅構内の某店とかほんとどうかしてるクオリティだし。かめやにはクオリティ、ヘビロできる気やすさがある。そこですよね、長年通い続ける理由は。

そういや柳沢きみおも「大市民」で立ち食い蕎麦屋について言及している。なんであんなに旨いのかと。そしてお冷やがまた素晴らしく旨いと。そうなんです。立ち食い蕎麦屋のお冷やはばっちり冷えていて、やたら旨い。アレ、なんなんでしょうね笑

よろしければサポートおねがいいたします。いただいたサポートは活動費に使わせていただきます