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月のこと:フラットアース自然誌

とかく月はわけがわからない。もちろん天体としては太陽も星もわけがわからないといえば畢竟わからないのだが、月はその様相を観察することが比較的容易で、しかもその動きが多彩なだけに、わからないと認識できることが単に多いという状況にある。

まず満ち欠けする意味がわからない。しかしこのことは、月が手で触れられるような物理個体として存在しているわけではなさそうだということを示唆しはする。それでも欠けた部分は「地球照」と現行科学では呼ばれる現象が起こったりもするし、わけがわからない。それでもあの「地球照」の部分はなんとなく蓄光素材のぼんやりとした光り方のように僕には思えるし、月は太陽のエネルギーを吸収して光るという見方もあるにはあったと思うが、それならば月光は温度を下げるという話とも一致しなくは無い。が、そうだと言うことはできない。

次に模様の意味がわからない。これはもう完全に謎すぎる。その模様がこの大地の影が写っていて、一種の地図だという見方はある。その場合に、現在知られているところの大陸以外にも他の大陸を必要とするので、これも尻尾を掴むのは難しそうだ。めちゃくちゃ穿った見方をすれば、かつて支配層は月のその部分の模様に似せて海岸線を造作し直した歴史がある、といえばそれで終わりではある。これはキリがない。そして日本ではウサギだが、月の模様は各地各地でいろんなものに例えられてきた歴史があるのもなんとなくひっかかりはする。ウサギだ、ということで済ませてしまえるからだ。こういう生活風習的な流れは僕はなんとなく無視できない。

月蝕はもう究極である。なぜか赤くなり、欠け、消え、そしてまた出てくる。2023年に月蝕があったが、この最後の"出てくる"ところを僕は肉眼でずっと見ていた。この"出てくる"時に、月は、実に、ピカピカと「点滅」するのである。これはもちろん動画でも見ることはできるが、実際にナマで見ると驚愕した。いったいなんてことが起こっているんだと。赤くなるというのは、夕焼けと同じで、要するに届く光量が落ちるときにそう映るということで良いような気はする。つまり光量が落ち、消え、そしてまた新しく点灯し始める、それが月蝕であると。だが「点滅」は完全に謎である。まあ単に蛍光灯が完全に付く前に何度かチカチカするのと同じかもしれない。それが仮に月の電球交換やメンテナンスのようなものだったとしても、では月がそもそも何をしているのかはわからない。やっぱりわからない。

月は夜のためだけにあるのではないことは、昼にも月は見えることから言える。あるいは"全ての夜"には必要ないので、定期的に昼に"逃している"と言うことだってできる。その場合、本質は夜のために月はあるのだということになる。とはいえ、夜であっても、欠けて光量が変化するという性質から、月光は、その光量を変化させることにこそ本質があるような気はしなくもない。なんかしらのリズムを作り出すというか。

満月の夜には性欲が高まったり、子供が産まれたり、あるいは犯罪が増えたり交通事故が増えたりするという"民間伝承"は多い。これはすなわち月または月光がエネルギーを吸収するという見方をすれば、わりと通る。つまり人間あるいは生命から、月に向かって、何かが"出てゆく"方向の動きなのである。

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