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なぜフラットアースを隠す必要があるか?

なぜフラットアースを隠す必要があるか?これは特に"非"フラットアーサーがしばしば問うトピックである。反対に、フラットアーサーがこれを問うことはあまりないのではないかとも思う。なぜならその時点で既に地球が丸くなくて空の向こうに宇宙空間が存在していないことが(観察によって)明白であるので、そこからほぼ自動的に現行科学が意図的な嘘であると導かれ、要は一般市民にこの世界と社会について本当のことをわざと教えず嘘の知識を与えることによって「支配してコントロールしようとしている」ことがわりと直線的に言えてしまうからとは思う。つまりわざわざ改めて問う必要があまりないトピックだとは思える。さらに、地面が平らで宇宙が無いことがわかったからといって、では実際の世界の様子と社会運営等がどのようになっているかについての全体像の詳細まではやはりわからない以上、これこれこういうことのためにフラットアースを隠しているのだ、と言い切れない状態にあるがために、問い答えることそのものが困難なトピックでもあるからだ。

こうなってくると「なぜフラットアースを隠す必要があるか?」という問いがそもそも不十分であることにもなる。「フラットアース」という言い方で示している対象はいったいどのような事柄であるのかによって、回答は視線を変える必要が出てくるからだ。あるいはある場合にはこの問いは"非"フラットアーサーによって「その嘘をつくことによってどのようなメリットがあるのか?」という言い方になることもある。嘘にはメリットがあるという見方は真っ当だ。しかしこれもまた全容がわからない以上、主体にとって何がメリットとなり、あるいは何がデメリットとなるかをはっきりと言えないのである。しかしどちらも結局のところ、支配できる、コントロールしやすい、としか言いようがないのではないかとは思える。あるいは、さらに嘘が通りやすくなる状態を作れる、と言い換えてもいい。水族館のイワシに「この水槽が世界のすべてだよ」と教えたなら、彼らはその水槽内で穏やかに、充足的なままでいてくれるのではないか?

あるいは反対に、たとえば動物園に対してしばしば語られるように、この世界では無い世界、つまりほんとうの世界の全容の姿と在りようは、もうめちゃめちゃにワイルドな野生の世界で、ぶりぶりにハードボイルドなほぼ地獄であるが故に、我々一般市民が心穏やかに楽しく生きていけるような世界であるとはとてもとても言えないが故に、一種の親切心として、無限の宇宙空間に浮かぶ丸い惑星に住んでいるのだという"優しい嘘"をついているのだと。だからそれは悪意に基づいた支配ではなく、いわば善的な支配なのだと。あるいはそれはもう支配と呼ぶべきものではなく、保護と見做せるものなのであると。と、このような案はどうであろう。ふむ。素敵じゃないか。なんなら僕はその立場をとってもいい。それでも全然構わない。我々一般市民は善的に保護されているのだと。だがそれでも現行の宇宙論が嘘であることには変わりがないが、もしも善的であるか悪的であるかこそに重点があるというのであるなら、僕はどちらも同じだけ支持することはできると思う。なぜならその嘘をついている主体の意思や意図を知らないが故に、それが善的か悪的かということを僕は先立って考慮することはできないからだ。いずれにせよそれが嘘だと言っているに過ぎない。善的であれ悪的であれ、それが嘘であることには変わりないのだ。しかし少なくとも僕にとっては、こんな大事なとこで僕に嘘をつくようなけしからん奴は7500兆パーセント悪的ではある。

さて実のところ、ここまでの文章は総じて修辞的なものに過ぎないと言えば過ぎない。なぜなら「なぜフラットアースを隠す必要があるか?」と問う"非"フラットアーサーたちは、その問いと同時に、あることを主張してもいることを僕はなんとなくうっすらとわかってもいるからだ。そうだ。フラットアースを隠す必要なんて無いと言っているのだ。そんなことにメリットなど無いと主張しているのだ。僕にはたぶんわかってるぞ。だからこの地球が本当は平らだなんてことは絶対の絶対に絶対に無いと言いたいだろう。そうだろう。しかしこの嘘はそれを言わせるためにもある。与えた情報を受け容れ、みずから血肉化し、そしてそれに従ったまま生きて死んでゆく人間で在り続けてほしいがための嘘でもあるはずなのだ。途方もなく広く深淵のように黒い宇宙空間に浮かび泳ぐ砂粒の上でほとんど神がまばたきを一回している間に生きて死ぬかのような極小の動物1匹にいったい何が新しくでき、新しく言え、新しく考えられるというのだと。いやそんなことは思ってもいないぞと君は言うかもしれない。うん、確かにそれはそうかもしれない。だが君と僕のまわりにあるこの世界と社会は、そんな思想で満ち溢れてキラキラと輝いていることに気づくだろう。よーく観察して見てみればわかる。それはキラキラと輝いて目が潰れそうなほど眩しい。それは宇宙のチリである君のための光だ。そして君はそれを受け取る。それが善的であれ、悪的であれ。

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