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リーダー修行記28(5種目トライアルがスリルとスペクタクルに満ちていた件①)

2022年9月4日、JDC東部選手会TNKS主催「dance GALA」のトライアルにて、本格的なリーダーデビューをいたしました。終了直後の放心状態の有様は前記事に書きましたが、改めまして、スリルとスペクタクルに満ちた当日のレポートをお届けします。

わたくし、当日の朝から、ありえないくらい緊張していました。家を出る前から緊張していて駅まで歩くことすらできず、アプリでタクシーを召喚。アプリには、うちから会場のホテルまで「10分」と表示されていたのに、乗車後15分を過ぎても辿り着かなくてますます焦りました(のちに夫に聞いたところ、高速道路並みに爆走しない限り10分で着く距離じゃねえ、と言われました)。

控室に着き、早めに着替えて鏡を見たら、自分が完璧なリーダー姿で、あまりにも完璧すぎてまた焦りました。いやいやなんでだよ、という感じですが、「私リーダーじゃん!」と思ったらどんどん緊張感が増してしまったのです。
なんだこれ。ただのトライアルなのに、デモの10倍は緊張している。これがリーダーのプレッシャーというやつなのか。

きゃっきゃ談笑しているドレスの皆様の中にいるのがもういたたまれず、廊下でシャドーをしていたら、コーチャーとサブコーチャーが来てくれたので、思わずサブコーチャーに「うわああぁぁぁせんせえたすけてええぇぇぇ〜」と抱きついてしまいました。
あ、サブコーチャーは女性です。念のため。

超多忙で走り回っているコーチャーに代わって、サブコーチャーがゼッケンをつけながら「先生がどうにかしてくれるから!」と励ましてくれたり、通りがかった知ってる先生が「僕がアドバイスできることは全部けやきさんが自分で note に書いてるから」と勇気づけてくれたり(?)、友人が駆けつけて「楽しめばいいんだよ!」と言ってくれたりしたのですが、それでも緊張で吐きそうな私。
なにせこのパーティー、スタンダードのトライアルから開始なのです。会場でとりあえず一息、みたいな時間がまるでない。(一応プロアマミックスコンペというのが正式名称でゼッケン付けてますが、中身はほぼトライアルです)。

私のお席は最上段正面、フロア全体が見渡せる超良席で、ドアオープンと同時に速攻お席まで走って行って見下ろしてみたのですが、ウェルカムダンスタイム中のフロアがもう戦場にしか見えない。昨日のレッスンで決めたはずのルートがまるで思い出せない。さっぱりイメージがつかない。なんで?なんで!?

あ、私、上からフロアクラフトをイメージできない人だったわ(詳細はこちら)。

じ、上段にいるからあかんのや。
そう思って下に降りたら、ちょっとフロアクラフトのイメージがつきました。やっぱり立体イメージより平面イメージの方が安全。いや、決して安全ではないけども、今ここで無理なことを頑張っても仕方ない。やれることをやった方がよい。

ギリギリまで走り回っていた先生が私のところに来たのは出番直前で、とりあえず出ていく場所だけ確認してフロアに出ました。

1種目目:ワルツ(リーダー)

想定していた場所にはすでに人がいたので、隣りにスタンバイ(僕は踊り出す位置は修正しない、とスパルタパートナー様に言われていた)。接近しすぎかな…という気持ちがちょっと頭をよぎったものの、私は練習通りの方向からしか踊り出せんのじゃ、そっちのリーダーはプロやでそっちがどうにかしてくれ、と、しょっぱなから周囲の動きを全無視しての踊り出し。おかげで(?)わりとこだわっている8小節区切りの頭からナチュラルターンに入れてとりあえず安心しました。
あんなに緊張していたのに、踊り出したら案外なこと落ち着いていられて、なんだかんだで想定通りにすいすい踊れて、なんならちょっと楽しくなってきてしまって(たぶん変なアドレナリン出てた)、拍子抜けするほどあっさりと踊りきりました。

なんだろう、この不思議な感じ。私の通り道がどんどん開いていって、どうぞお通りください~って誘導されてた感じ。さては、けやきの上に、ついに踊りの神様が降臨したのか?

先生「みんな(プロリーダーの先生方)が道を開けてくれたね~(笑)」

そ、そういうことか(苦笑)

先生のパートナーさんが走ってきて、「ノーミスじゃないですか!」と褒めてくれましたが、すでにして極限状態で、ろくに返答できない私。

先生「けやきさんは、ノーミスとかもうそんな段階じゃないんだよ」

そうなんですよ。
ここはまだまだ序盤。トライアスロンでいえばウォーミングアップ。なにしろワルツが一番簡単で、一番長く使っている超ドベーシックルーティンなのです。ここからリーダーとパートナー交互で4種目。しかもなぜか後半に向けてルーティンが難しくなるという謎構成。
で、でも、とりあえず次のタンゴのモードはリーダーのままでいいから、切り替え不要でちょっとだけラク…なはず…。

とりあえず次も道を開けてくれよ! 頼んだよプロリーダーたち!

相も変わらずすべて他人任せで、再び戦場(フロア)に出ていく迷惑リーダーのけやきなのでした。

(キリっとしながら次号に続く)

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