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JDCダンスアワードが素晴らしかった今だから伝えたいこと

【前置き】
 今回私は急遽行けなくなった方の代打で参加しました。つまるところ一切自腹を切っていないので、何か意見できる立場にないことは重々承知しています。いますが、コンテンツの素晴らしさに対する運営方法があまりにもあまりにももったいなくてもったいなくてもったいなさすぎて仕方がないので、ちょっと心の声を吐き出させてください。
 コロナ禍でいろいろな制限がある中、苦心して開催されたことは理解しています。ついでにこのJDCダンスアワードなるものが、これまでどういう形態で運営されてきたかも知らないニワカです。それでもどうか、ちょっと暇だなー、みたいな時間があれば、一にわかファンの声を聞いていただけると幸いです。

【とりあえず結論】

 JDCダンスアワード、素晴らしかったです。こんなにたくさんの選手のソロを何回も観られて、受賞選手のデモを観られて、あげくのはてものすごい豪華レジェンドたちのショーが観られて、すごい幸せ、お腹いっぱい、楽しかった!!
 だからこそ、もっともっとたくさんの人に観てほしかった。それだけが残念です。

【ここから本編】

 まずこのイベントを、私は「競技会」だと思っていました。東部のコンペをホテルで35,000円でやるんですかそれはちょっと私は無理っすね、という感じでした(やりたいことしかやらない主義)。アワードなるものがあることは知っていたけど、よく見る「今年頑張った人に表彰状あげます以上」みたいなものだと思っていました。私が無知すぎたのか。いやいや同じテーブルのみなさん誰もアワードのなんたるかを知らなかったし(歴十年とかの人もいた)、ディナー終わったら帰っちゃった人とかいたし、知らない人の方が多かったんじゃないかな。肌感覚だけど。
 だって…だってさ。タイムテーブルにも「アワード表彰式」としか書かれてないんだもの。表彰式にしちゃ1時間半は長いなと思ったけどさ。確かに昼間の競技会途中に、ノミネート選手にはデモを踊ってもらいます的なアナウンスを聞いた気がするけどさ。まさか全員踊ると思わないじゃない。受賞者だけだと思うじゃない。それにしても1時間半は長いなと思ったけどさ。ちなみにこの会場じゃ最年少(多分)の私がそんな程度なので、誰もアナウンスとか聞いちゃいなかったと思います。ディナーのとき「この後誰か踊るんですか」ってテーブルのマダムたちから聞かれましたもん。そんな、数日前に代打が決まって座ってるだけの歴3年のペーペーに一斉に注目されましても「はあ、誰か踊ると思います」としか答えられないってば。

 正直なことを言います。私は14時頃、オープンラテン決勝のあたりから行ったのですが、客席がガラッガラで、エントリー選手も少なくて、会場だけがやたら豪華で、入った瞬間、いろいろかみ合ってない感じがすごくしました。多分、感染状況がひどいときに予定されたのだろうし、ホテル側の制約もあったのだろうし、客席は減らさざるを得なかっただろうし、昨今のいろんな事情により出場選手が少ないのは致し方ないことだし、理解はできます。理解はできるけれど、これはホテルでやらなければならないコンペだったのだろうか。錦糸町とか浅草とかどこかあったんじゃないのか。観戦しながら、そんなことを私はずっと考えていました。なんだこのとてつもない違和感は。

 そしてディナータイム後に始まったダンスアワード。
 ええっ何これ、ノミネート選手全員ソロで踊るの!? のべ20組くらいいるじゃん。
 しかもソロで踊った後、セクションごとにまたみんなで踊るの!?
 その中から賞とった選手がまたオナーダンス(?)踊るの!?
 当然上位選手ばかりだし、楽しくないわけないじゃん。何これ!?

 と興奮していたら、突然照明が消え、引退したレジェンドダンサーたちのショー開始。
 楠先生が知愛先生をリフトしたあたりで記憶が飛びましたね。ええ、はい。

(払ってないくせに『チケット高すぎだわ』と思ってたけど、この瞬間『お値段以上ニトリ♪』みたいな気分になりました)

 そうか、そうだったのか、昼間のコンペは前座だったのか(失礼)。
 帰り道、我に返ってパンフを見たら「JDCダンスアワード(イーストジャパンダンス選手権大会併催)」って書いてありました。
 ごめん、これ気づかないよ。気づきません。だってJDCのHPを見て? アワードの方が併催って書いてあるから。

 私が言えた義理ではないけれど、一顧客として思いました。このイベントは積極的に売っていくべきなんじゃないか、売る価値のあるコンテンツなんじゃないかと。
 豪華なホテルで踊らせてあげたい、という運営の気持ちもわかります。DN級の選手とかさ、シャンデリアの下でソロで踊れたら嬉しいよね。応援してる生徒さんも嬉しいよね。でも、この金額をぽいっと出せる人は、そんなにはいない。ましてコンテンツの内容も知らされず、いつものコンペです的に誘われて出せる人は、限られた生徒さんしかいない。

 あの、すべての記憶を吹っ飛ばすようなレジェンドショーは不意打ちである必要はあったのだろうか。最初から前面に押し出すことはできなかったのだろうか。いろんな選手のソロを何回も観られて、入賞者の素晴らしいデモも観られることがちゃんと告知されてて、チケット代がもう少しニトリに近かったら、もっといろんな人に来てもらえたんじゃないのだろうか。
 豪華な会場で、シャンデリアの下で踊ることにも相応の価値があると私も思います。でも、その対価を、先生が必死に声をかけて集めた生徒さんの財布や、極限までコストカットした食事で賄うのは、そろそろやめる時期なのではないか、会場をとるか集客をとるかを天秤にかけたら、後者が優先事項なのではないかと思えてなりません。

 詳しい事情も知らず、運営にあたっている先生方、そして現役の先生方にとても失礼な言い方をしてしまったかもしれません。でも、客席からしか見えない世界があると、最近私は思うのです。場所だけが豪華なガラガラの会場で手拍子もない中踊る選手たち。先生のお誘いを断りきれなかったから来たと呟く生徒さんたち(全員ではないですよ)。申し訳ないけどすごくおいしくないディナー。客とプロ選手しか使わないトイレで自分の生徒さん以外には一言の挨拶もしない選手たち…。
 コンテンツが素晴らしいからこそ、ちらちら見えてしまうその違和感がとても残念なのです。そして最大の問題は、お客さんたちがこういう違和感を内輪の愚痴で発散して、なかったことにしてしまうことだと思います。

 私もこの記事を書くかどうかとても悩みました。今回はタダ飯食べてるし、少し前にフリーダムズカップを絶賛したばかりだしね。でも、先日のフリーダムズカップで、これからダンス界を変えていくと宣言してくれた団体への期待を込めて書くことにしました。
 
 どうかこの素晴らしいダンスをいつまでも楽しく見続けられますように。引き続き応援しています。

(おわり)

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