マザーグースの忘れられた謎々⑤
今回は「私の息子ぽっちゃりジョン」です。
原詩
Diddle, diddle, dumpling, my son John,
Went to bed with his trousers on;
One shoe off, and one shoe on,
Diddle, diddle, dumpling, my son John.
(拙訳)
私の息子ぽっちゃりジョン
ベッドにズボンを脱がずに入る
靴も片方脱がずに入る
私の息子ぽっちゃりジョン
理由
ダンプリングは大きな饅頭のような食べ物。One shoe off, and one shoe onは「片足は地下へ、片足は地上へ」と読めます。
bedには「寝床」と「苗床」の意味があるので、Went to bed with trousers onは「皮を付けたまま苗床へ埋められる」という意味。
見た目がダンプリングに似ていて、土の中に埋められるもの。やがて地中に根を、地上に茎を伸ばすもの。
「球根」でしょうね。
改めて詩文を見てみると、1行目のDiddleのl、diddleのi、dumplingのl、myのyで、lilyになることが分かります。
また、2行目からWentのtとtrousersのuを、4行目からDiddleのlとdiddleのiとdumplingのpを取り出せばtulipになります。
球根植物といえば「チューリップ・バブル」のチューリップを思い浮かべるべきなのか、それともユリの方なのか。
bedの「寝床」と「苗床」を掛ける言葉遊びは『鏡の国のアリス』第2章のしゃべる花壇の場面にも出てきますが、キャロルは謎々の答がlilyだと考えていたからTiger-Lilyを登場させたのかもしれません。
じゃあ、Tiger-Lilyは「男子」だったのかな?
と、ここまできてon+i+on→onionも詩文のあちこちに見えることに気が付きました。
アルファベットのjがかつてはiと同一だったことを考えれば、son Johnの部分だけでもonionが読み取れそうです。
チューリップか、ユリか、タマネギか。
さあ、困りました。
見た目はタマネギの球根が最もダンプリングに近いようですが。
「球根植物全般」だって、決して間違いとは言い切れないでしょう。
回答
というわけで、今回の私の回答は「どれか1つに絞り込めませんでした」。
・・・いや、タマネギが本命なんですけどね。
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