また不眠症の夜が来た

また不眠症の夜が来た。
Insomnia
だけど、もう「セイブミー」とは叫ばない。
ただこの世界を見守るだけだ。
私は火の守り人。
I am the keeper of the flame
炎のスペルはエルであってたか?フレイム。
Auroraの曲が、右の内耳を揺らしている。
右の痛みも消えた。
スマートフォンだか知らないが。
こんな幽霊の板に打ち込んで何になる?
形に成るものがすべてじゃないのか?
今はもうその時代じゃないのか。
ああ、俺は時代錯誤な男になってしまった。
今はスマートフォンの時代なのか。
今は見えないものの時代なのか。
見えるものしかない世界に、その現実に住んでいるというのに。
なんという不徳。
現実の中に、空想の世界を重ねて見ている。
そして、現実の姿を見失った現代人よ。
野に帰れ。
だが、野原は消えた。
人が消した。
緑も消えた。
人が消した。
人が消えた。
人が消した。
殺人の夜を超えろ。
俺たちは朝を紡ぐのだ。
物語を紡ぐようにして。
日を伸ばす。
影も伸びる。
それが俺たちじゃないのか。
切断だ。

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