慈雨のABテスト

古代ギリシャに始まる欧州の個人主義は、
冬小麦から生まれたという説がある。

農業には用水が必須である。
 
しかし、秋蒔きの小麦では、
協力して水を引いてくる必要がない。
地中海性気候の冬の降雨があるためだ。

だから、個人で農業を営める。
それゆえ、周りを気にする必要が無い。

一方、中国や日本では、
川から用水を引いてくる。
治水や水利権のこともあり、
集落で心を合わせなくてはならない。

ここに、和する必然性が生じる。

慈雨が人の自立を促し、
荒ぶる川が人の合力を強いる。


もしも。
これが神が企画したABテストだったなら。

どちらが成功だったと評価されるのだろうか。

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