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この世で一番怖いのは、勘違い

この時期に雨がっぱを着ると蒸れて汗をかくので、もう濡れることに決めている、そらです!

風邪だけ引かんかったら勝ちです!


さて、そんなあいにくのお天気の本日もマンション清掃員としての出動です!

午後からの現場では雨脚も強まり、多少濡れるのは覚悟のうえで作業!

1分でも早く家に帰るため、いつもの1.2倍速ぐらいで作業を進めていく!


マンションの廊下はポリッシャーと呼ばれる、先にブラシが付いていて洗剤を混ぜた水を排出しながら回転させて汚れを落としていく機械を使って汚れを浮き出し、高圧洗浄でその汚れを流していきます!

それが終わると廊下に残っている水をスポンジで除水!

最後に廊下の溝をモップで吹き上げながら、排水溝に溜まっているゴミを回収して完了!

という流れです!

今日の僕の担当は3つ目のモップで吹き上げながら排水溝のゴミ回収でした!

最後の行程なのでしっかりと丁寧に進めていきます!


今日のマンションはゴミが少なく、住人の方のお上品さがうかがえるマンションだったので比較的スイスイと作業が進んでいきます!


「今日は帰ってまずはみそ汁を作ろう」

そんな家庭的なそらくんになるプランを立てていたその時、排水溝に小さなごみを発見!

「風も強いし、葉っぱか」

とかがんで見ると、排水溝の隅から顔だけ出している子どものヤモリちゃんでした!


実家にいたころからヤモリはよく見ていたのと、この仕事をしているとよく遭遇するので特に驚くこともなく

「おー、元気かー!」

と独り言のように話しかけて見過ごそうとすると

「ミー!ミー!ミーー!」

という鳴き声が!


「ヤモリってこんな鳴き声なんや」

とまず思ったのもつかの間、一つの仮説が頭をよぎりました


『もしかして、挟まって身動き取れないのか?』


1回そう思ったら逆にそうとしか思えなくなり、しばし様子を見る!

少し手を差し出したら噛みついてくるのと、小さすぎて無理やり引っ張り出して身体にダメージが残ったりしたら可哀そうだと思い、いったんスルー!

作業を順調に進めていく!


でも頭の中にはずっと

「ミー!ミー!ミーー!」

の声が!

時間が経つにつれ

「苦しいよ、助けてよ!」

にしか聞こえなくなってきた!


「とにかく作業を終わらしてもう一回見に行って、まだそこで同じ体勢でいたら助けてあげよう!」

せっせと作業を終わらせ、急いで先ほどの場所に向かう!


エレベーターがいつもより長く感じる!


目的の階に到着して現場に急ぐ!


「居なければ居ないでそれはそれで一安心」


現場に到着すると、先ほどと同じ体勢で同じように鳴く子ヤモリちゃん!


やっぱり俺に聞こえてた声は間違いなかった!

「助けよう!」

「助けてもし仮に手のひらで安心しているようなら連れて帰って飼ってあげよう!」

「なんか動画でそういう系の動画よく見るしな!」

「これでわしもYouTuberの仲間入りじゃ!」


後半の打算的な考えは消して、救助作業に!


無理に引っ張てちぎれたりでもしたら、この一件だけで僕は閻魔様に地獄行にされてしまう!

ゆっくり慎重に引っ張ってみる

相変わらず「ミー!ミー!ミーー!」と鳴いている

「痛いのかな?」


力を入れすぎないように少しずつ引っ張ってみる

「スポッ!!!」

そんな音がピッタリなぐらい、綺麗に抜けた!

「よかった!」

「これでお前は自由やで!」


手のひらに乗せてみると、指という指をこれでもかというぐらい噛んでました!

排水溝の上に戻すと、また同じポジションに戻っていきました。


「?????」

「・・・・・・」


完全に余計なことをしてしまったようです。


「ミー!ミー!ミーー!」

「お前どっか行け!!!」

「余計な事すんなって!!!」

「いや触んなって!!!」

だったみたいです。


「苦しいよ、助けてよ!」

なんて一言も言ってなかった。


それを恩着せがましく助けに行き、ありがた迷惑で引っ張り出し、どや顔で見降ろしていた僕。



ごめん!

ほんまにごめん!



この世で一番怖いのは、【勘違い】

肝に銘じておきます。

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