MetaQuest2&3でVRChat睡眠中のスリープ・トラッキング警告を無効化する(MetaQuestDeveloperHub/開発者設定)
【注意】
前のMetaQuestDeveloperHubのアップデートで、近接センサーの無効化に8時間の上限時間が追加されました。
これでは無制限にスリープを止めることができないので、現在別の方法での対策を検証中です。
みなさんVR睡眠を満喫していますでしょうか?私はもう1年くらい満喫しています。
さて、Questを使ったVR睡眠は仕様との闘いの連続です。特に警告周りは誰しもが悩まされた部分だと思います。
この記事は現状の解決方法をまとめたものです。
問題点
Questを使ってVRChatで寝るとき、必ずといって直面する問題が「部屋を真っ暗にする」ときに出る警告です。
v34アップデート以前はトラッキングをOFFにしてもVRChatは起動はするので、ワールドのSitギミック等で横になることが可能でした。しかし、このアップデート以降はトラッキングが失われると「部屋を明るくしてください」とデカデカに警告が出て、強制的にVRChatから締め出されてしまいます。
これは部屋が暗くなることでQuestが境界線を見失うことに原因があります。
赤外線ライトの導入
Questは赤外線カメラが搭載されているため、赤外線ライトを使えば(人間の目には)真っ暗な部屋でもトラッキングできます。Quest2でVR睡眠する人にとっては、よく知られている方法です。
しかしながら、赤外線照射だけでは以下の課題が解決しないことが判明しました。
・ライトの明かりが届かない角度になると、トラッキング喪失の警告が出る。
寝返りを打ったりして微妙にライトの光が届かなくなると「トラッキング喪失」の警告が出て、場合によっては再度ガーディアンを設定する羽目になります。特に壁などといった凹凸や模様がない場所に頭を向けるとトラッキングが失われがちです。
・Questがスリープ状態になるとネット接続が切れるので、書き置きが見れない。
VRChatの良い文化である書き置き。Quest単機ではスリープ状態が続くとネット接続が切れてしまうため、せっかく残してくれた書き置きが見れないという問題があります。
そこで、以下の
①Questの開発者設定からガーディアンをオフにして警告だけを切る。(→静止しても最大4時間接続維持)
②PCソフト(MetaQuestDeveloperHub)を使ってQuestを一晩中起動しっぱなしにする。(→静止しても無制限で接続維持)
②MetaQuestDeveloperHub(旧:OculusDeveloperHub)
このソフトを使うと「ガーディアンの無効化」「近接センサーの無効化」を含めた細かい設定にアクセスすることができます。※Quest2を再起動させると元に戻ります。
MetaDeveloperHubを使うには準備が必要なので、下記の記事を参考にするといいでしょう。
ということで、実際に無効化の状態ではどのような挙動になるか試してみました。
動作検証
部屋を真っ暗にしてトラッキングをOFFにします。次に、MetaDeveloperHubで「Proximity sensor」「Guardian」の2項目をOFFにしました。
①無効化の状態で、とりあえずQuest版VRChatに入る
いつもの警告が出ずに起動しました。v34以前の挙動と同じです。
②赤外線ライトON+無効化状態
以前はライトの届かない範囲になると「トラッキング喪失」の警告が出ていたものの、無効化状態では一切警告が出ませんでした。
③途中から赤外線ライトOFF+無効化状態
トラッキングしなくなるものの、一切警告は出ませんでした。v34以前のトラッキング無し環境起動と同様の挙動になります。
(傾きは検知するので、腕を動かしても手首だけが動きます。頭も同様に傾きのみの検知になります。)
まとめ
MetaDeveloperHubを用いると、VR睡眠時の煩わしい警告が出なくなり、さらに睡眠中にQuestが顔から取れても一晩中起動状態にすることができました。
また、寝ているときもトラッキングが必要であれば赤外線ライトを使用する、不要であればライトすら点けずにVR睡眠をするという選択もアリかもしれません。
その他
・長時間起動状態にすることで、HMDのバッテリー劣化や画面の焼付きなどの発生が考えられます。通常使用よりも寿命を削っていることは頭に入れておいてください。
・ガーディアン無効時は、メニューから「ガーディアン設定」の項目を押しても反応がありません。目線の高さなどは無効化前に予め設定していないと、寝る際に視点が地面に埋まったり、逆に浮いてしまいます。
・Quest2では朝起きてHMDを確認してみると、VRCがフリーズしていることがあります。Quest3では起きないため、メモリ不足が原因かもしれません。
・Questを長時間起動状態にしていると発熱しますので、特に布団にQuest前面部を付けたままにするなど、放熱できないような状態にしないよう気をつけましょう。高温になるとアラートがピーピー鳴り、強制的にシャットダウンします。
さらに詳しい睡眠方法については下の記事に書いてみました。
②開発者設定からのガーディアンOFF(2023.11.29追記)
いつの間にか設定画面からガーディアンを切れるようになりました。これ によって、単機だけでも暗所での警告が出なくなります。
さて、再起動のたびにMetaDeveloperHubから2項目を切るのは確かに面倒です。では、単機の設定だけでどれだけVRChatの接続が維持されるのか検証してみました。
ディスプレイオフまで4時間、スリープモードまで4時間と設定しました。単純計算でなら、8時間まではスリープ状態にならないはず。
この状態でQuestを外して放置した場合、以下の結果が得られました。
・近接センサーを塞がないまま静置:4時間でスリープし、VRChatの接続が切れる。
・近接センサーをガムテープで塞いで静置:4時間でスリープし、VRChatの接続が切れる。
結果、近接センサーを塞ごうが塞がまいが、4時間でスリープする結果が得られました。これはディスプレイオフの判定に傾きセンサーも併用していると考えられ、結果的に静置してから早い段階でスリープモードに入り、4時間後に設定したスリープ時間になるのだと考えられます。
しかし、パソコンに繋がずガーディアンが切れることは大変便利なので、睡眠中にHMDを外さない人には便利であるといえます。
ととやま
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?