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Edinburgh Festival Fringe 2023

スコットランドの首都、エジンバラで行われている世界最大の演劇祭「エジンバラ・フェスティバル・フリンジ」に行ってきました。

詳しくはこちらの記事にも。(有料だけど)

2018年、最後にが〜まるちょばとして参加して以来、5年ぶりにエジンバラ・フリンジを訪れました。今回の旅の目的はズバリ「視察」。来年、自分のソロ舞台をやりたいけど、それに先立ってこの5年の間のパンデミックやらインフレやらの影響で変化したことを確認しておこうと思ったんです。

結論から言うと、5年前と比べて大きく変化していたことは、あまりありませんでした。イコール、今年舞台をやっていればよかったなという後悔を伴う帰国となりました、、、。


とは言え、飛行機代が高騰する中、せっかく行って収穫ゼロで帰国するわけには行きません。もちろん、来年につながるいろんな種まきもしてきました。忘備録を兼ねて、列挙します。


会場の一つ。ここは0時過ぎても賑わう。

出演

8日間の滞在だったので、下見だけじゃつまらないから1回ぐらいショーもやりたいなと、昔のコネを使って子供向けコメディーショーに出させてもらった。結局、2回出演することになった。出演が決まるとあっという間に噂が流れたようで、他からもオファーをいただいた。長年の経験で得たコネクション。ありがたい話だけど、今回の訪問のメインはあくまでもリサーチなので、出演はこの2回だけに絞らせてもらった。

終演後、道で昨日おもしろかったよと家族連れに声をかけられたりしたので、またこういう人たちが来年来てくれるといいな。また、「元赤モヒカンのケッチがソロでやり始めたらしいぜ」という噂も少しは広がってるといいな。


下見

いろんなショーを見に行ったついでにベニュー(会場)を下見したり、ベニューの空き時間に下見させてもらったりした。
一口にベニューと言っても、パンフレットにはベニューの数は285って書いてある。しかも、それぞれが複数会場を持っているので、フリンジ事務所の人曰く「少なくとも600会場」だと。それだけの会場数だから、初年度(2004年)にはどんな会場がいいかなんて、あまりわかっていなかった。地の利だけで選んだと言っても過言じゃない。今ではさすがにもう10回もエジンバラ・フリンジに来ているから、会場の優劣や栄枯盛衰はよく存じております。来年はどの会場でやるのがベストか行く前から目星をつけていて、下見しまくった後も、やっぱりそこが第1希望だった。ただし、昔からの仲間Witty Lookやthe Umbilical Brothersがやっていた場所も過去の記憶よりいい会場だったから、迷うところ。予算も含めてゆっくり考えたい。

先述した「会場の栄枯盛衰」も、街を歩くと感じられる。2004年にはNo.4ぐらいだったベニューが今ではかなり会場数を減らしてしまっていたり、新興勢力で「上なんか目指さないぜ、俺たちは好きにやるさ」的なベニューがつぶれずにしっかりとサブカル的な人氣を保っていたり。あと、今回強く感じたのはそれぞれの会場が飲食できる場所を増やしていること。理由は色々あると思うので、考えるとおもしろい。


トレンド

今回確認したかったことの一つに演目のトレンドもある。もう何年も前から続いているあるトレンドは今でも続いていた。でも少し飽和している。もうピークは超えた感じだった。逆に自分が好きなジャンルだからバイアスもかかっているかもだけど、あるトレンドの兆しを感じた。近々ブレークするかもしれない。これからも注目したい。
ただ、滞在8日間は短過ぎる!100%トレンドを感じ取りきれないし、感じ取ったことを他のパフォーマーやスタッフ陣、友人たちと話し合って再確認する時間もなかった。


人脈

プロデューサーに会ったり、パフォーマー仲間に会ったり、現地の友人知人に会ったりと、旧交を温めるだけでなく、新しい出会いもたくさんあった。でも、一番ゆっくり話したかったプロデューサーとはお互いのタイミングが合わず、1、2分の立ち話しかできなかった。やっぱり、この巨大フェスティバルで8日間の滞在は短過ぎる、、、。


観劇

今回は自分の公演がなかったから、たくさん観劇した。自分の公演があるとあんまり観劇にエネルギーを注ぎたいと思わないのだ。また、自分の公演の準備やチラシまきもあるし、宣伝のためにゲストショーもこなすし、時間がとりにくい。

8日間の滞在中に23の観劇+大道芸やライブも見た。中でもThe Umbilical Brothers(通称アンビーズ)の新作(コロナ禍でなかなか上演できずにいたそう)には、ホントに瞠目!人はここまで進化できるのかと尊敬の念を新たにした。
20年以上前に出会って以来、世界中のフェスで一緒になったり、が〜まるちょばの10周年記念公演にはゲスト出演もしてもらったりした仲だけに、素晴らしい新作を生み出していて自分のことのように嬉しかった。
余談だけど、アンビーズの2人は客席に僕がいるのを知ってて、舞台上で急に日本語を話したり、僕の顔を映像で使ったりしてくれた。

逆に途中で帰りたいと思った残念なショーにも当たった。時差ボケでウトウトしちゃったショーもあったけど、このショーは怒りで眠氣も吹っ飛んだ。でも、それがフリンジ。怒りまで行ったのが、23観劇のうち1つだったというのはラッキーだったと言える。そんな振り幅のある体験が、今後の自分の創作活動への糧となる。

そして、演目の評価はあくまでの個人の感想なので、僕が両手を上げて絶賛するアンビーズの新作もおもしろくないという人もいる。逆に僕が怒り心頭になった演目を高く評価する人もいるだろう。(いるかな?)そんな当たり前なことも再確認。



事務的な話

フリンジの事務所にも話を聞きに行った。5年前と変わったこと変わってないことを確認するためだ。若〜いスタッフさんが担当で、一瞬心配になった自分を反省。めちゃめちゃ頭脳明晰、あらゆることをクリアに教えてくれた。頼もしい存在だったから、「来年もいますか?」と聞いたら「わからないと」、、、。あれだけ優秀だったら、ヘッドハンティングの嵐だろうよ。
ちなみにそれで思い出したけど、まったく逆に「もう何のためにここで働いてるの?そんなに嫌なら家に帰れば?」っていう酷いスタッフがいるのもフリンジならではかもしれない。(フリンジ事務所ではなく会場に)

地下道にも宣伝ポスターがずらり。

宣伝

チラシ、ポスター、SNSなどなど、宣伝方法も5年前とほとんど同じ。ただ、やはりWebでの宣伝方法は予想通り多彩になってる。あと、案の定、訳のわからない批
評家たちもあいかわらず跋扈している。

ポスターやチラシに料金や詳しい会場名を入れてないものがほとんどだった。ポスターやチラシで目を引いて後は自分でWebで調べてねってことだろうけど、載せた方が集客につながるのにと思った。印刷の時点で詳細が決まってないとか、値段が日によって違う(週末は+10~20%)から、載せるとわずらわしいとかなのかな。

フリンジのWebsiteもベニューそれぞれのWebsiteも以前より充実しているから、もはや往年の紙の無料プログラムを利用している人はあんまりいないんじゃないかな。それでも街のあちこちに置いてある。



チケット代

インフレの影響もあると思うけど、チケット代がだいたい20%ぐらい値上げされてた。それでも世界ツアーするような演目が14~16ポンド(2700円前後。1ポンド184円計算)で見られるのは、格安。
ちなみにフェスティバル関連のバーや屋台も10~20%ぐらい値上げされてた。円安の影響もあるけど、なかなかお財布に厳しい額。(生ビール一杯900円〜1,150円ぐらい。しかもプラスチックカップ。ハンバーガー1,800円ぐらい)
ちなみに僕は円高の時に変えていたポンドがあったからまだ良かったけど、、、。エジンバラ・フリンジに限らず、海外旅行が好きな人も日頃から為替レートを氣にしてある程度の外貨の両替か、外貨預金をしておくのをオススメします。もちろん、集客に成功し、黒字になったら、逆に円安のおかげで差益が出る。そこを目指すのが一番!


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そんなこんなで8日間とは言え、実り多き滞在になりました。ここに書いたのはすべて、演目以外の制作にまつわること。

一番大事なのは何と言っても、演目。

来年へ向けてまずは演目をしっかりと準備します!


今回の滞在で再確認したことの詳細は、またの機会に有料記事で書きますので、エジンバラ・フェスティバル・フリンジに挑戦したいという方は参考にしてください。また、話を直接聞きたい!という方が多かったら説明会も開きたいと思っています。ご希望の方がいたらご連絡ください。

ケッチ


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