マガジンのカバー画像

雑記

14
他のマガジンに仕分けできない文章。
運営しているクリエイター

#大道芸

梅雨の思い出

20代中ごろ、プロとしてパントマイムをやって行こうと決め、まずは両親にその決意を伝えた。意外にも反対されなかった。が、突然2人とも10歳ぐらい老けて見えた。そりゃそうだろう、奨学金をもらっていたとは言え、東京の4大に行かせてもらった上、ロンドン留学までさせてもらったんだから、、、。手塩にかけて、お金もかけて育てたのに”安定した職”にはつかない宣言されたんだから、、、。 もちろん、両親にプロになる宣言したからといって、急に食えるようになるわけではない。バイトをいくつかかけ持ち

竹の子

桜が終わり、竹の子の季節がきた。 子供の頃、裏庭でおばあちゃんと竹の子掘りをしたのを思い出す。柔らかくておいしいから、できるだけ小さいやつを探した。僕は地上に頭を出した竹の子しか見つけられないのだが、おばあちゃんはピンポイントでまだ地下に埋もれた竹の子を、まるで透視術ができるかのように見つけた。まだ地上に出てなくても掘るとそこそこの大きさになる。 「ほらそこにも!」と、おばあちゃんが僕の足もとを指差しても、僕にはどこにあるやらさっぱりわからない。とりあえず言われた通りの場

なぜ投げ銭は難しいのか?

20代後半から30代の初めは、大道芸でいただく投げ銭で生計を立てていた。僕にとってはとても身近な事だけど、人生で一度も投げ銭をしたことがない人ってかなり多いんじゃないだろうか?やってみたらわかるけど、これが意外に難しい。いくら出してもいい=自分で決めなければならないからだ。 感覚的に近いのは、街頭で募金をする時かもしれない。「みんな小銭しか入れてないから」とか、「今月はちょっと支出が多かったからなあ」とかは街頭募金でも投げ銭の時でも考える事だろう。でも募金は何かの対価にお金