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Rettyの新規事業「モバイルオーダー」について考察


2021年5月13日に発表された第2四半期累計売上は989百万円、累計営業損失は-43百万円という結果となりました。
下記決算資料を踏まえて今後の展望について考察していきます。

2021年9月期 第2四半期決算説明資料

ビジネス全体像

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Rettyのビジネルについて簡単に見ていきます。Rettyは実名型のグルメプラットフォームを運営しており、飲食店から月額の掲載料と広告課金でマネタイズをしています。

マーケット規模

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Rettyが狙ってる市場については、当面はカカクコムが運営している「食べログ」の有料会員数である6万店舗(年間売上250-300億程度)を目指しています。

業績①(売上)

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業績②(有料店舗数)

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業績③(営業利益)

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新型コロナウイルの影響もあって、直近四半期は売上・有料店舗数・営業利益全て概ね横ばいとなっています。
以上が現状の立ち位置となります。ここから今後の展開について見ていければと思います。

今後の展開

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10兆円規模の中食市場を攻めるモバイルオーダーのメリット

Rettyは今後の展開として上場当初からモバイルオーダーを上げています。
モバイルオーダーによって飲食店は業務効率を向上させることが出来るとのことです。

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中食市場はここ10年間で外食市場を上回る勢いで伸びており、外食市場のおよそ4割にあたる10兆円の市場規模があり、Rettyはここをターゲティングとしている。


中国ではモバイルオーダー普及率は20%

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実際中国ではモバイルオーダーの普及率が全体の飲食店に2割にあたるため、その比率まで国内で普及すれば14万店舗がターゲットとなるとのこと。
また、モバイルオーダーが普及することによって、オフラインのデータが蓄積されることでプラットフォームの価値が向上するとのこと。

食べログとの競争激化


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モバイルオーダーを4月に本格リリースしたとのことだが、既に食べログも展開しており、競争激化が見込まれる

今後の展開についての考察

①モバイルオーダーは海外ほど国内では流行らない


海外ではモバイルオーダーが普及しているが国内での普及には懐疑的である。
理由としては、下記2つが挙げられる。

1.国内の中食市場はコンビニを中心に立地・味覚・価格全てにおいてレベルが高い
2.アプリ開発のハードルは年々下がっており、大手外食企業はプラットフォーマーに依存せず自社でアプリ構築を進める

1点目は解説が不要かもしれないが敢えて解説をすると、成城石井などの高級スーパーが台頭していることやコンビニのスケールメリットを活かした販売戦略に食い込める外食企業は構造的にもそう多くないと思われる。

また、2点目はマクドナルドやすかいらーくグループのように自社でアプリを構築し、顧客をアプリに誘導し出前市場含めて複合的な接点を持つマーケティングが主流になると思われるからである。
データを持つことが重要になる時代において、体力のある企業が貴重なデータをプラットフォーマーに提供し続けるメリットはほとんどない。

②成長し続けるには提携が必須

では、どうすれば良いのだろうか?それはプラットフォームを利用するメリットを顧客にしっかり提示することだと思う。

他業界ではHOT PEPPERBeautyが良い例だが、プラットフォーム圏を周遊することで還元(ポイントなどで)することが重要である。既にぐるなびが楽天経済圏に加わっているが、ぐるなびはUXとして口コミ機能が無いこともあって直近の決算でも同業界において著しく売上を落としている。
Rettyが提携するとすれば、既に第二筆頭株主としてYJに資本が15%弱入っているZホールディングスだろう。今回の新型コロナウイルスの影響で成長速度は大幅に鈍化を余儀なくされており、案外近いタイミングで提携しそう予感もする。

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