不思議だな。
私が5歳くらいから、何十年も父親の笑顔を見たことがなかった。
まったく見たことがない、ということではないけど
そんな印象が強く残っています。
その5歳くらいの時に、コタツの中で私の足と父親の足がぶつかり
父親が大声で怒鳴り出し何度も蹴られた。
今まで見たことがないの父親の顔。行動。
いわゆるDV(ドメスティックヴァイオレンス)です。
その後は父親に近寄ることもなく、目も合わせず。
それまでは自分から父親に駆け寄っていたのに。
DVの矛先は母親に向かうことが多かったのですが
首を絞められたり、ゴルフクラブを振り回したり、包丁を手にしたり。
「こんなお父さんは死んでしまえ!」と何度も本気で思った。
そんな状況が何十年も続いていました。
父親が仕事を定年退職してからはDVはなくなり、
今、父親は認知症です。
あんなに距離を置いていた父親に、私から近づいてボタンのかけ間違いをなおしたり、マスクをかけてあげたり。この状況が本当にウソのようです。いや、もしかしたらこれが本当なのかもしれない。
怖い顔ばかりしていた父親が、今は笑顔ばかりです。
お父さん、あの時はごめんね。