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SL230のSet Up!

今回は自分が乗っているSL230の紹介をしたいと思います。

SL230自体あまり良く知らないという人は下記のHondaのFactbookを読んで貰えるとどういうバイクか分かると思います。

まあ、一言で言えばCRM250はもとよりXR250よりも更にビギナー向けのバイクと言えますw

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しかし、足付きが良く、低速が粘り強く扱いやすいという事は、ビギナーじゃなくてもオフロードでは大きなメリットです。ハイパワーなエンジン、ロングストロークのサスペンションがあっても扱いきれなければ意味がありませんので。

で、1年程前に購入した中古のSL230はこんな感じで、前オーナーはツーリングメインで殆どオフロードでは使っていなかったみたいでパッと見キレイな車体でした。

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で、そのままではマトモにオフロードは走れない…ので、こんな感じで少し手を入れました。キャリアは転んだ時に危ないので外して、スタックベルト。助けて貰いたいならスタックベルトはマナーですよねw

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まず第一に、バイクを買ったのであれば、新車であってもそうですが、特に中古車であればまずステムやリンク、スイングアームまでバラシて「グリスアップ」が必須です。

古いバイクだと特にスイングアームのボルトは錆で固着して抜けない場合が多いです。これは程度良かったので普通に抜く事が出来ましたが、それでもベアリングのシールが劣化して、そこから水が入ったのか中が錆びていました。そのまま乗っていたら泥も入っていた事でしょう。オフロードで走るなら各部分のグリスアップを年に1度はした方がいいですね。グリスが切れてなくても泥水が入ってベアリングの摩耗が進んでいたりします。

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アイドリングが少しおかしいと思ったら、インテークマニホールドもヒビが入っていましたので交換。古いバイクのゴム類は現状は割れていなくても漏れなく劣化してカチカチなので交換しておくと良いですね。

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あと、買う時はエンジン掛けただけで分かりませんでしたが、1速から2速に上げる時にギア抜けしてしまう症状がありました。たぶん前のオーナーが初心者でちゃんとギアチェンジをしなかったのかと思いますが、下記のパーツがだいぶ摩耗していました。

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この星型のパーツと栓抜きのようなパーツが上手く噛み合う事でギアチェンジ出来ますので、強引だったり中途半端なギアチェンジをすると摩耗してすっぽ抜けてしまう様です。

バイク屋の納車整備では単に動けばいいや~程度の所が多いので、中古車なら特に自分でメンテナンス出来ないと困りますね。出来ないなら新車を買うか信頼できる店に任せてお金を払うと。ちょっと安いからと手を出すと結局お金が掛かりますね。

で、ここまではスタート前の準備段階。ここから先はオフロードを走る上で必要なセットアップです。

まず、必ずやっておきたい部分が

「タイヤ」
「スプロケット」
「ガード類」

です。

「タイヤ」
オフロードを走ろうと思ったらまず最初に変える部分がタイヤです。トレール純正の舗装路向けのタイヤではグリップしません。更にオフロード用のタイヤは空気圧をかなり落として走るので、ビードが落ちないようにビードストッパーという物を付けます。ですが、SL230はホイール自体がチューブレス用のホイールで装着する為の穴がありませんのでリブを削り取ってから更に穴を空けるというひと手間があります。普通のチューブ用ホイールなら穴を空けるだけなの簡単です。

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次に「スプロケット」です。林道ツーリングライダーで純正のままで走っている姿をよく見ますが、オフロードでちゃんと走ろうと思ったらスプロケットの交換はマストです。

確かに舗装路9割以上ならハイギアードの方がスピードも出ますし、ギアチェンジも頻繁に行わないで楽かと思いますが、オフロードでは加速性重視はもとより、セクションに適した回転数を維持して走る為にはローギアード化して小まめにギアチェンジして各ギアを使います。特にヒルクライムではギア比が合ってる合ってないが物凄く重要ですので低いスピード域でギアを選べる事が大事になります。

現在F10、R43となっています。フロントの10丁は昔のトライアルバイクのMontesa310のもので、トライアルショップのMitaniで購入できます。

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そして、「ガード類」ですが、単に見た目がカッコいいからハンドガードを付けるw という訳では無く、オフロードでは転倒したりぶつかる事が普通ですので、レバーや指を守る為にあります。

特にハードにオフロードを走ろうと思うなら、エンジンを守る為のアンダーガードは絶対に必要です!仮にハンドガードが無くて、レバーが曲がったとしても千円程度で交換できますが、エンジンをヒットして割れたら万単位で掛かりますし、林道で割ったら無事に帰れるかどうか…。

現在まな板カスタムで強化しています。Moto Life Hack 6で詳細を載せています。

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その他はマストでは無いですが、「ステップ」は純正の小さい物では操作性も悪く、疲れます(純正で踏む面にゴムが付いているなら取っ払いましょう。オフロードでは不要どころか滑ってしまいます)社外の物に大きな物に交換したらOK!ではなく、中にはステップの歯が丸まっている安物がありますので、滑らないようにヤスリで尖らせましょう。

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現在は、CRF250Rの社外ステップを加工して装着しています。

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トレールバイクだと「スプロケットカバー」がすっぽり覆う形になっており、オフロードで走ると泥が物凄く詰まります。このように加工して出来るだけ泥掃けを良くするか、社外品であるなら交換するのがお勧めです。

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しかし、これでもコースを走ったら泥詰まりが凄く…更に加工する事にしました。

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ここまで全開でカットしてからは泥詰まりする事は無くなりました。

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この先はSL230ならではの問題点を解消する為の加工を紹介します。

まず、SL230に乗ってすぐに感じたのがクラッチの弱さです。元々の祖先が90ccという非力なバイクゆえ、排気量が上がったのにこのクラッチでは、オフロードでクラッチを酷使する様な走りには荷が重すぎます。

かといって、出来る事は限られますので、ジャダースプリングとそのセットの面積が少ないフリクションプレートを外して、内側の面積が広いプレートと交換。他車種の固めのクラッチスプリングと交換。クラッチバスケットもオイルが循環し易い様に穴開け加工。

現在バスケットの溝全周に渡って穴あけ加工しています。ですが、フリクションプレートは1年位で交換は必要です。オイル容量が1Lと少ないので少しでも減るとクラッチに良くないです。走る前にはチェックし、足りない時は継ぎ足しましょう。あと、パワーが無く全開を多用して汚れやすいので、高いオイル安いオイル関係なく交換を小まめにした方が良いです。

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半年程度でこんな感じです。ペーパーベースのフリクションプレートの減りはそこまでじゃないですが、コルクベースとアルミのセンターの減りが結構見られます。センターの部分も2,000円程度なので消耗品と思い、交換しましょう。

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次にスタンドですが、車高の低いSL230だとキャンバーを走るとスタンドが引っ掛かります(スタンドスイッチが付いてるならエンスト連発です。合わせてスイッチも外しましょう)ので、ストッパー部分を削る事で跳ね上げ角度を上にしますが、そのままでは内側に入る為スイングアームと干渉します。なので、単管を突っ込んでスタンドの土台を力技で外側に曲げました。また、跳ね上げるとバネが外れやすくなるので、ワイヤリングで固定しています。

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シフトペダルもノーマルのリンク式では調節幅が狭く、上にあげられないので他車種のペダルを利用してダイレクト式に。タッチも良くなるし、轍や障害物にも引っかかりにくくなります。

写真のシフトペダルはXR250R純正鉄、現在はCRF250L社外品に変更(ホントは鉄の方がダメージがシフトシャフトに行かないので良いのだけど。社外品のアルミにするなら、ペダルの先っぽの踏む部分を半分位にカットしておくと曲がり対策になります)

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SL230のエアフィルターは乾式の為、転倒してエンジンオイルがエアクリーナーボックスに行くとオイルが浸ってすぐに目詰まりしてパワーダウンするので、加工して湿式に変更しました。

SL230は元々非力なので、フィルターの目詰まりが如実に表れます。空気が少なくなるので濃い状態になり、吹けなくなります。2回走ったら掃除する位小まめにやった方が良いです。

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現在はCRF230Fのエアフィルターを加工して装着。吸気量や汚れに対しての目詰まりも面積が広がったので効果ありました。

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ブローバイのホースの途中にブローオフバルブを付けています。クランクケース内の圧を抜くという為ではなく、転倒した時にオイルがエアクリーナーボックスに流れるのを防ぐ為です。これのお陰でエアフィルターがオイルまみれにならずに済んでいます。ブローオフバルブは日産のクルマ用の物を使っています。

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純正のマフラーは静かでとても良いのですが、あまりにふん詰まり状態で上が伸びなさ過ぎるのでほんの少しだけ穴を空けて抜けを良くしました。

キャブレターのセッティングはスロー38、メイン122で純正から1つアップ。エアスクリューも合わせて調節。スロージェットは純正のだと全長が短くて、ウイリーで息継ぎをする為、全長が長いPWK用の物に変更。エアクリーナーボックスの蓋に穴あけ加工をしたが、上の伸びは良いが下のツキが悪くなったのでガムテープで閉じました。現在は中華マフラーと中華PWKに交換。

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ノーマルのフロントフォークのスプリングが短く、すぐに底付きすると感じた為、スプリングを足して嵩増し、プリロードを掛けた状態にした所、飛ばして突っ込んでも安心して攻められるようになりました。ですが、沈まない事から前荷重が足りない、アクションしづらいデメリットがあった為、一旦ノーマルに戻しています。

その後、再度スプリングを追加。暫くその状態で走っていたが、流石にリアサスの動きの悪さに辟易したので、YSSのリアサスを導入。ノーマルサスより全長が1cm程長い為、前後のバランスが解消されて、フロントサスも動く様になった。ノーマルリアサスと比べて、初期の動きがかなり良く、オフロードバイクらしい足に。かといって柔らか過ぎる訳ではなく、飛ばして走った時はしっかりと腰がある。つまり、減衰がキチンと効いているという事。ノーマルは単に動きが悪いから初期は固いのだが、大きな入力があると粘らず底突きするという感じ。YSSはリバウンドの減衰調整があるので、走り方に合わせて変えられるし、1クリックで結構変わる。現在はフロントにもYSSのPDバルブを装着。

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あとはこんな感じで、ハンドルはトレールバイクの純正は鉄製で曲がりやすいという以外に、シッティングで乗る用に絞りがキツく、ライズも高い為、オフロードでスタンディングで走るには抑えが効かず向いていないです。絞り少な目、ライズ低めの物が良いです。

シートはAmazonで安物のリブ付きシート革を買って張ってます。安物なのでそれなりですが、ノーマルのツルツルシートに比べればリブがあるだけで全然滑らなくなります。

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こんな感じでボアアップやハイカムとか吸排気系は弄っていません。どうしてもダメな部分だけは手を入れてますが、基本的にはほぼノーマルで「タイヤ」「スプロケット」「ガード類」が揃ってて、基本性能を維持する為のメンテナンスが出来ていればトレールバイクでも全然オフロードを走る事が出来ます。

もちろん、レーサーの方がパワーや足回り、軽さなど優っていますのでより高いレベルの走りが出来ますが、トレールにはローパワーでダルな故に扱いやすく急かされずにノンビリ走れますし、頑張れば自分で限界を引き出せる良さがありますね。



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