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【ライブレポ】SAKANAMON THE QUEST〜15周年への道〜『冒険者の酒場』at 東京キネマ倶楽部

まえおき

鶯谷にオープンしていた一夜限りの酒場で、人々は音楽に酔っていた。

知る人ぞ知る、邦楽ロックバンドSAKANAMON。

その、「SAKANAMON THE QUEST〜15周年への道〜『冒険者の酒場』」と題されたツアーの、最終日。

鶯谷の名劇場、「東京キネマ倶楽部」で開催されたライブのレポートをお届けする。

自己紹介


まず初めに、軽く私の自己紹介をしたい。

私は、10年ほど前の高校生時代、彼らの「ミュージックプランクトン」のMVに衝撃を受けて以来、ずっと彼らのファンである。

ライブに行き始めたのは、たしか「ARIKANASHIKA」がリリースされた頃からだったと思う。

以降、東京でのワンマン系ライブには、ほぼ欠かさず行っているはずだ。

SAKANAMONは私の人生に欠かせない、大好きなバンドの一つになっている。

とはいえ、私は音楽の理論や歴史、最近の動向などには全く詳しくない。

ということで、以下のレポートは「音楽素人のSAKANAMONファン」からの目線として読んで頂ければ幸いである。

また、もちろんライブの全てを正確に記憶しているわけではないので、その辺もご理解いただきたい。

開場〜開演まで


16:30開場のところ、私が会場に着いたのは16:40頃だったと思う。

整理番号は150辺りで、1階の真ん中グループのやや後方の席に座ることができた。

開演まで1時間は長いように思っていたが、着席だったので苦ではなかった(てっきりスタンディングかと思っていた)。

ケータイをいじったり、ステージを眺めたりしながら時間を潰していると、17:20頃にステージの向かって左奥の辺りから、スモークがもくもくと昇っていくのがわかった。

煙は、観客たちの穏やかな熱気や、空調の冷風に乱されながら、徐々にステージ上を満たしていった。

開演までの10分間は、ずっとその煙に見とれていた。

開演


クラシック調のBGMのヴォリュームが上がると同時に、照明は暗くなった。

ところで、東京キネマ倶楽部には、メインステージ左側に、階段付きのサブステージがある。

そのサブステージのカーテンが開いて、3人が登場した。

3人は少し恥ずかしそうな表情を浮かべながら、階段を降りていく。

階段を降りる彼らの姿をみて、脳内にMステのテーマソングが流れた人は、私だけではあるまい。

タモリの横に座るかのように自らの立ち位置に向かった3人は、それぞれ演奏の準備を始めた。

1曲目


1曲目は「つつうららか」……だったはずだ。

正直、あまり記憶にない。

というか、「ボーカルがめっちゃ綺麗に聴こえる」ということに驚いたことしか覚えていない。

この曲のみならず、ライブ全体を通して感じたことだが、とにかくボーカルの音質が良かった。

もちろん、Vo.藤森さんの声は素晴らしいのだが、そうではなく、言葉のひとつひとつがハッキリ聴こえるというか……私が観てきたライブの中でも、とにかくボーカルの聴こえ方が気持ちよかったのである。

2曲目

2曲目は「脳内マネジメント事情」……で間違いない。

私の大好きな曲の一つで、「まさかここでこの曲!?」という喜びと驚きがすごかった。

先ほどこのライブの良かったこととして「ボーカルの音質」を挙げたが、「キムさんのコーラス」も追加したい。

もちろん、いつもキムさんのコーラスが外しまくってるわけではない。

やはりボーカルの音質がいいからなのか、ハモリもいつも以上に綺麗に聞こえて、素晴らしかった。

3曲目

3曲目は「ロックバンド」……でしたよね?

ああだめだ、よかったということしか覚えていない。

ここでMCが入ったはずだ。内容は覚えていないが、今までのツアー地の振り返りエピソードを話していたような気もする。

4曲目

4曲目は「ミュージックプランクトン」……ではないとしたら、逆立ちしてサカナモンワールドを一周してもいい。

個人的に、今夜のベスト・アクト(この言い方は正しいのだろうか?)だった。

最初、なんだか聞いたことないような、あるような、ギターのアルペジオから始まって、「平衡感覚を保つ機能ぶっ壊して」と始まった瞬間、鳥肌が立った。

あの感じは……なんというのだろうか。シューゲイザー……?なんかこう、謎の電子音がシュワシュワシュワ…シンバルがシャァァァァァァァン…色んな音が重なって響いてドゥワァァァァァァァン……みたいな……。

とにかく、あまりの凄さに拍手も忘れて呆然としていた。

5曲目


5曲目は「SAKANAMON THE WORLD」……だと言われている。

ミュージック・プランクトンがすごすぎて、この曲の記憶は朧げなのだけれど……良かったです(断言)。

6曲目

6曲目は「反照」……だというのが有力だ。

これも素晴らしかった。原曲のイメージが「夏の晴れ間とにわか雨の爽やかさ」だとしたら、今回は「秋の夜中の霧雨の麗しさ」とでもいおうか。

原曲が若々しいイメージだからなのか、逆に今回の大人なアレンジが効いていたように思う。

ここでMCが入ったと、代々伝えられている。

内容は、観客のみんなだけの秘密ということにしておこう。

7曲目

次の2曲(7,8曲目)は、カバーだ。

ということで披露された7曲目は、「なんでもないよ、」(マカロニえんぴつ)だ。

この曲をチョイスしたのはキムさんらしいのだが、その選曲理由は「みんな好きだから」だそうだ。

でも、大変恥ずかしながら、私は初めて聞く曲だった。

とはいえ、これは素晴らしかった。カバーを聴いて気づいたが、カバーを聴くことで、「SAKANAMONらしさ」に発見がある。

例えば「なんでもないよ、」を聴いて思ったのは、言葉の乗せ方だ。

サビの「そんなんでもなくて」の「でも」の部分のように、音符の1音に対して言葉の2音を乗せる、みたいなことが、SAKANAMONには少ない……ですよね?

そのリズム感というか、これまでのSAKANAMONではあまり聴いたことない感じで、とても良かった。

8曲目

8曲目として披露されたカバーは「ひこうき雲」(荒井(松任谷)由実)だ。

これも素晴らしかった(この曲は知っていた)。

「ひこうき雲」での発見は、長音(?)の使い方だ。

ご存知のように、「そらぁーにぃー あっこぉーがぁーれぇーてぇー」のように、この曲は全体的に音を伸ばすようなメロディーが多い。

それが「空の広さや伸びやかさ」を感じるのに効果的になっていると思うのだが、これもSAKANAMONには無いようなメロディーで、すごく良かった。

定期的に色々なカバーを聴いてみたいものである。

ここで、MCが入った。「藤森、ユーミン好きだよね〜」みたいな話だった覚えがある。

9曲目

続いて9曲目は、「かっぽじれーしょん」……だったしょん?

まさかいつぞやの「漢3人かっぽじれーしょん」が観れると思わず、興奮した。

10曲目

10曲目は、「幸せな生活」……だったっけ。

正直、この辺からのセトリは前半以上に曖昧だ。間違っていても許して欲しい。

「幸せな生活」は、あんまり記憶にない。字面だけ見るとすごく悲しいが、幸せな生活についての記憶はない。 

11曲目

11曲目は「WOULD YOU LIKE A HENJIN」……なのか?

この日n回目の「まさかこの曲が!」。凄く良かった。

12曲目

12曲目は、「マザーラインナップ」……だということにしておく。

この前だか後だかのMCで、「父の日」のイントネーションで盛り上がっていた。

キムさんからすると、標準語(多分)の「父の日」のイントネーションは「乳の日」に聞こえるそうだ。

というか、標準語だと、「父の日」も「乳の日」も同じイントネーションでは……?不思議ですね。

キムさん的には、「わがまま」のイントネーションで「父の日」というのが自然だそう。

13曲目

13曲目は「ヘソマガリアの地底人」……?

ギターのリフがめちゃくちゃかっこよかった。本当に。それだけははっきり覚えている。

14曲目

14曲目は「CORE」……だったのでしょう。

これは、曲順は曖昧なものの、「ミュージックプランクトン」と並ぶくらい好きだった。

これも「ミュージックプランクトン」的なアレンジというか、例のシュォォォォォォォ、みたいな感じで。

ところがどっこい!ダークで妖しいAメロBメロから一転、サビでは原曲のように盛り上がって、照明も暗い感じから明るいグリーンに変わって、まさに「トランスフォーム」だったのである!

あの演出は本当に見事だった。

15曲目

15曲目は「OTOTOTOTONOO」……ということでいいのではなかろうか。

これはどちらかというと原曲通りというか、もちろん大人な雰囲気はありつつも、安心して聴ける感じだったように思う。

16曲目

16曲目は「追伸」……だった。

「どうでもいいんだけど」で、なぜか泣きそうになってしまう。

17曲目(ラスト)

最後は「テヲフル」……!

ラスサビの「全てが間違いじゃなかっただろ」でいつも泣きそうになってしまう。たまに、本当に泣くこともある。

素晴らしいラストだった。

アンコール

いつものように乱れていく手拍子のアンコールの後、キムさんと森野さんの2人が再びサイドステージから登場した。

藤森さんはトイレらしい。

グッズの紹介などがあったあと、藤森さんが遅れて登場。カーテンから顔だけチラッと出していて可愛かった。

「コーヒーは賞味期限があるので売れ残ったら埋めるしかない」などの話や、追加の対バンライブ発表の後、ついに最後の1曲へ。

アンコールの曲は「クダラナインサイド」。

すごく穏やかな笑顔で、ライブは終わった。

終演後・総評

ライブの後、私はコーヒーとマグカップのセットを買って、ラーメンを食べて、家に帰った。

今回のライブの印象を私なりにまとめると、「アコースティックというよりはアダルティーなアレンジで、ボーカルと照明がとにかく良かった」ということになる。

アレンジについては、もう私の語彙力では説明しようがない。恐らくいずれ一部は公開されるであろう、今日のライブ映像を観ていただくのが一番だろう。

ボーカルの良さについては、初めの方で述べたとおりだ。

照明の良さについては、本文中にはあまり書いていない気もするが、これも良かった。なんというかこう……めちゃくちゃ綺麗なミミズみたいなニョロニョロが……

これも映像を観ていただくのが良さそうだ。

あと、MCが多かった。もうどこで何を言っていたかあまり覚えておらず、内容についてあまり共有できず申し訳ない気持ちでいっぱいだ。いつものようにわちゃわちゃしていた、といえばファンの方々には伝わるだろう。

ともかく、SAKANAMONは最高である。

今夜は特に、今までにないくらい大人で、妖しくて、セクシーで、ダンディーで、アダルティーで、でもやっぱりお茶目な彼らの姿を観ることができた。

ひとまず次のライブや新曲を楽しみに待ちつつ、私も人生の冒険者として、私なりのクエストに挑んでいきたい。

SAKANAMONは、決して売ることのできない大切なもちものとして、私の、そしてあなたの、冒険に欠かせないものになるだろうーーいや、なっている。

セットリスト(うろ覚え)

1. つつうららか
2. 脳内マネジメント事情
3. ロックバンド
4. ミュージックプランクトン
5. SAKANAMON THE WORLD
6. 反照
7. なんでもないよ、(マカロニえんぴつ カバー)
8. ひこうき雲(荒井由実 カバー)
9. かっぽじれーしょん(漢3人ver.)
10. 幸せな生活
11. WOULD YOU LIKE A HENJIN
12. マザーラインナップ
13. ヘソマガリアの地底人
14. CORE
15. OTOTOTOTONOO
16. 追伸
17. テヲフル
En. クダラナインサイド

2022.6.5 東京キネマ倶楽部

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