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マンガ「正直不動産」、大家さんの立場から読んだ感想(第2巻)

 晴耕雨読


1.第2巻のコンテンツ

  1. 新・中間省略登記(後編)

  2. 建築条件付土地売買

  3. 瑕疵担保責任

  4. 告知義務

  5. 使用貸借(前編)

2.読後の感想

 一番印象に残ったのは「瑕疵担保責任」の章。
 2020年4月に改正民法が施行されて「契約不適合責任」になり、法令上、より買主の保護が強化された。この時期から、中古物件の売り情報に「契約不適合責任免責特約」の表示を見かけることが多くなった。

 この章では、新築する住宅の”土地”に問題があるのに、主人公永瀬の上司と地主がそれをうま〜く隠しつつ売ろうとしたところを永瀬が「正直に」暴いちゃった、というストーリー。
 自分に置き換えてみると、土地から探してアパートを建てるとき、ついつい建物への保証にばかり目が行きがちになる。中古物件の現地確認だって、建物のチェックが中心になりがち。

 ただ、ワタクシが小さい頃から、祖母や母が”どこが水害に弱い”とか”地盤が悪い”とか話しているのを耳にしていたせいか、「地盤の良さ」への意識というのは強いのかなと思う。
それに東日本大震災の時、ワタクシの街(内陸部)で液状化していたところは、地盤や水捌けが悪いと聞いていたエリアだったので、不謹慎だが妙に感心したことを覚えている。

 そんな記憶や経験もあってか、物件を購入するときには中古・新築に関わらず土地(地盤)の安全性に注意が向くようになった。
 漫画では永瀬が土地の閉鎖登記簿まで取って調べていた。さすがだなって。この手があったか、って思った。
 自治体が公表しているハザードマップの類のチェックだけじゃなく、これからは閉鎖登記簿を活用したい。
 ちなみに、過去にはこんなことをやったことがある。怪しまれるし、こっちも勇気がいるけど、やって良かったと思うことが多い。

  1. 物件の近くにあるお寺や神社で、昔の土地の使われ方をヒアリング

  2. 長く暮らしていそうなお宅(見た目で判断)を突撃訪問してヒアリング

  3. 雨の日に物件周辺を彷徨いて、水捌けがどうなのかチェック

3.第2巻のイチオシフレーズ(個人的に)

「価値は理屈じゃない。誰かが値札をつけた時点で決まる」(by永瀬が勤める「登坂不動産」の社長)

 肝に銘じます…