指しゃぶり

私自身は指しゃぶりはしなかった。

娘はいつからか?指しゃぶりをするようになった。もちろんまだ小さい頃の話である。

それに激しく反応したのがハハ、要は娘の祖母である。
いつまで指しゃぶりをするのか?なんてわからないし、私は一種の癖と認識していたが。

ある時幼稚園のお遊戯会を見にきたハハ。
道すがら、義母と夫も居る前で、指しゃぶりはみっともない、と繰り返した。
義母は特に何も言わずに居てくれたし、夫も然り。

「愛情が足らないからだ」
「一人っ子だからだ」
娘にも「赤ちゃんみたいで恥ずかしいでしょ」

義母の前で、我が子をこき下ろすハハ
違う、私をこき下ろしている。

まぁブチ切れた。
家に帰ってから。
リビングから出て別の部屋で過呼吸になった。

何を自分が言ったかは、残念ながら覚えていない。
ブチ切れた私の事が多分恥ずかしく思ったのか?はたまた、自分が引き起こした事がまずいと思ったのかハハの義母や夫の悪口を言い、
帰っていった。

夫も何かを言われたのか?何やら私に文句を言って来た。

指しゃぶりを全く気にしてなかった、と言ったらウソになる。
そこを徹底的に攻撃するのがハハだ。
そして、旗色が悪くなると、不思議な立ち位置で自分は悪くないと振る舞う。

今となってはどう収まったのかも忘れたけれど。

ただ、指しゃぶりについて、専門家⁇小児科医に相談したのは覚えている。
優しいおじいちゃん先生は、愛情不足も、一人っ子だからだ説も、はっきり否定して下さった。

小学校に入学する頃にはたまに夜眠る前に指しゃぶりしているくらいになり、自然に終わっていった。
眠る娘の顔の横に、指しゃぶりをする形で置かれた左手が、その頃には可愛く見えた。

幼稚園入園の可愛い写真があるが、たまたま親指を立てて状態で写っている。

鬼の首を取ったかのように、今でもハハは、指しゃぶりの形の写真だとしつこい。

そして何より私は
そのしつこいハハの事がしつこく嫌だ。


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